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(No.435)2015年3月20日

『広島市長選挙(不可解なスタジアム候補地の評価)』

前回に続いて、「広島に相応しいサッカースタジアムについて(提言)」の内容について取り上げます。

検討協議会では、「コンセプトの実現可能性による評価」の次に、「アクセス性(交通アクセス)」など「評価項目による各候補地の評価」が行われています。

まず、「アクセス性(交通アクセス)」の項目では、

「旧広島市民球場跡地」については、電車・バス等の公共交通の面、自動車利用、新幹線利用の面、高速バスの面などアクセス性に優れており、「中央公園自由広場・芝生広場等」においても同様の結果となった。なお、「中央公園自由広場・芝生広場等」では、JR新駅の設備が予定されており、更なるアクセスの向上が期待される。

「広島みなと公園」については、(中略)全体的に他の2候補地に比べアクセス性は劣っており、(中略)更なる対策が必要であるなどの課題がある。

なお、市民アンケート調査の結果では、利便性の良い場所への立地を望む声が最も多かったところである。

とあります。

この評価を点数で表記すれば、中央公園自由広場・芝生広場等が1位、旧市民球場跡地が2位、広島みなと公園は3位であったはずです。

次に、「付加する機能(多機能化・複合開発)」として、「スタジアムの多機能化」と「スタジアムを核とした複合開発」に関して評価がされ、『都市公園法上の制約を受けることなく、多機能複合型スタジアムの実現を図ることができる候補地は「広島みなと公園」のみ』であること、そして、多機能複合型スタジアムの実現が可能な「広島みなと公園」では、商業利用、メッセ・コンベンション利用を行った場合の年間の収益予想として、『商業利用0.95億円、メッセ・コンベンション利用0.29億円』とされているものの、一方で、『ただし、現時点では、複合開発については、事業主体、事業手法、運営方法等が明らかとなっていないため、建設コストや運営コストについて試算は行っていない。今後、具体的な検討が行われる中で、商業利用あるいはメッセ・コンベンション利用等の実施が確実となり(以下、略)』と、結局、期待だけの話になっているのです。

皆さん、お気付きだと思いますが、「広島みなと公園」の良い面だけを強調するような評価になっているとでも言えるのではないでしょうか。建設コストや運営コストの検討なくして、収益性が適切に論じられるのでしょうか。甚だ疑問です。

次に、「コスト性(収支計画)」として、スタジアム整備費用等の支出面と使用料等の収入面が述べられています。

 

このうち、収入は、次のような整理がされています。

※ 画像をクリックすると別のウインドウでご覧になれます。

中心市街地への立地と中心部から少し離れた宇品地区での立地で、なぜ、基本収入が同じなのでしょうか。地域の優位性があるのではないでしょうか。その上、「広島みなと公園」だけには、先ほど触れました複合開発による収益が付記されています。幾ら、統計学的手法により推計した、そして、スタジアムの収入にはカウントしていないと言っても、根拠に乏しい数字が独り歩きし、優位性を強調することになるのではないでしょうか。

次に、ライフサイクルコスト、資金の調達スキームなどが整理されていますが、この点に関しては、場所が決まれば、組織には妙案が出てくるもので、3候補地とも机上では同じ条件であると思われます。

次に、「経済普及効果」について、報告書では、次のような記載があります。

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経済波及効果は、スタジアム整備費用と特殊工事によるものが大きな要素として挙げられていますので、旧市民球場跡地、中央公園自由広場・芝生広場等、広島みなと公園の順になるものと考えられます。

しかし、一方で、+α(プラスアルファ)部分に関して言えば、中心部の旧市民球場跡地、中央公園自由広場・芝生広場等については、既存の商業集積との相乗効果により期待されることは大いに考えられることですが、「広島みなと公園」については、ご覧のとおり、「一大商業スポットが生み出される事」とか、「適切に運営された場合」といったように条件付きなのです。

これでは、全く詭弁というほかありません。机上の空論であり、欺瞞と作為に溢れているのではないでしょうか。

最後に、「まとめ(むすび)」がありますが、本来、この検討協議会は、市長等に、最終的結論を取りまとめて、提言するためのものであったはずです。

しかし、「中央公園自由広場・芝生広場等」は候補地の対象から外すこととしたものの、残った「旧広島市民球場跡地」、「広島みなと公園」の両候補地を更に1か所に絞り込むことは困難とし、この二つを有力候補地とすることを結論付けただけで、一つの方向への合意を得ずして検討を終えているのです。

これでは、何のために1年半もの時間を掛けての議論だったのでしょうか。全く無駄な、そして理解できない結果発表であり、有識者としての専門家を含めた検討協議会は、結局、何の役目も果たせなかったと言っても決して過言ではないと思うのです。

それ以上に、市民に要らぬ混乱を引き起こす結果を残しただけの報告書のように思われます。

そうした検討経過を通じて、疑問に思うことがあります。
 一つは、広島ビッグアーチ(エディオンスタジアム広島)に関してです。エディオンスタジアムは、サンフレッチェ広島のJ1リーグ戦開始当初から、ホームスタジアムとして使用されてきた一番歴史あるスタジアムです。

それを、サッカースタジアム検討協議会は、候補地を「中央公園自由広場・芝生広場等」、「旧広島市民球場跡地」、「広島みなと公園」の3か所に絞り込んだ時に、施設改修に新設と同程度の費用がかかることや、3万人規模の観客を短時間で処理することは困難であるといった理由だけで、対象から除外されたのでした。

そのことに対して、これまでの地元の取組や期待を熟知しているはずの行政当局から、何かしら発信があってしかるべきです。

それがないということは、広島市の行政組織の中には、歴史的見地からの見識がないことや、使用者、サポーター、近隣住民、関連団体等の意見や検証、更には陸上競技を始めとする多くの利用者や使用者の利便性に対して、改善の意志はないことを示唆していると感じます。

その上で、一番重要である西風新都のシンボルとして整備された広域公園内のスタジアムの意義の根幹をも切って捨てるという暴挙に出たと同じことではないかとも思うのです。

これも、上意下達の指示待ち行政の弊害ではないでしょうか。現在使用している施設の改善努力や将来像も示さない、説明不足のままで市政運営をするという現市政の常套手段のように思えます。

現状や重要な位置付け、意義の変更につながるのであれば、市民や使用者、住民、各種団体等に、幅広く説明し理解を得るべく最大の努力を、市民の公僕である行政はするべきなのではないでしょうか。

このことからも、今の広島市行政には「対話」の無さと「独断決裁」が蔓延しているのではないかと思わざるを得ません。

また、「中央公園自由広場・芝生広場等」についてです。
 市長は、就任直後の最初の仕事として、市民との議論もないまま、「秋葉市政」から引き継いだ多額の出費を伴うJR白島新駅とアストラムライン白島新駅の建設を強引とも思える手法で工事着工になぜ踏み切れたのでしょうか。

市長就任時から、「秋葉市政」の事業見直しもせず、事業継承されたこの事業が唯一の成功事例として成り立つのは、中央公園自由広場・芝生広場等へのサッカースタジアム建設であり、その最大の理由は大量輸送機関であるJR白島新駅とアストラムライン白島新駅の完成ではないでしょうか。

「中央公園自由広場・芝生広場等」が候補地から除外されたことに関しても、全く理解ができません。

市長のサッカースタジアム建設の意志の無さの表れが、現在使用している「広域公園のエディオンスタジアムを選考基準から外すことであり、更に新しいサッカースタジアム建設の最適地であると思える中央公園自由広場・芝生広場を除外することであったと思われます。

また、どのような「力」が働いた結果なのか、広島市には何の権利関係もない広島県有地の「広島みなと公園」が有力候補地になったのでしょうか。

広島市で決めなくてはならない施策であるサッカースタジアム建設を、多くの人が賛意を示していない県有地である「広島みなと公園」を有力候補としたことは、県への責任の一部を転嫁したとしか見えません。

本来、広島市の施策は、広島市が積極的に結論を出すべきです。そして、広島県には強力な支援と応分の負担をお願いする。それが市長の仕事であり責務ではないでしょうか。

皆さんは、いかがお感じでしょうか。