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(No.429)2015年2月27日

安佐市民病院の建替え(JA厚生連の建替え)

私のホームページで、以前、安佐市民病院の建替え移転と同じような事例が尾道市であったことを紹介しました((No.416)2014年12月9日・安佐市民病院の建替え(利権と強権))。

その事例というのは、JA厚生連の尾道総合病院(尾道市)の建替え移転でしたが、今月7日に、そのことに関連した興味深い記事が中国新聞に掲載されていましたので、この度改めて取り上げることにしました。

まず、新聞記事ですが、「JA厚生連 累損18億円」という見出しのもので、「再建長引けば地域に影響も」と題した解説もついていました。その解説記事には、

経営悪化の当初の要因は、総事業費が約150億円に上がる尾道総合病院の新築移転だった。

(中略)

厚生連が運営する県内の3病院はいずれも地域の拠点病院で、多くの一般住民が利用している。広島総合病院は耐震対策が課題になっており、地元自治体は建て替えを期待。しかし業績が回復しなければ、当面は事業の着手が難しい状況だ。

また、給与を引き下げれば医師や看護師を確保しにくくなりかねない。国は社会保障費を抑える方針のため、今後も病院経営は厳しい環境が続く。医療の質を落とさずに経営を立て直す難しいかじ取りが、厚生連に求められる。

とありました。

もともと、尾道総合病院は、市中心部に設置されていました。中心市街地の方はもちろんのこと、島嶼部からの交通の便もよく、市域の多くの方々が安心して利用されていました。

それを、厚生連は、インフラ整備も順調に進んでいない、新しい区画整理用地に移転させたのでした。利用者と住民の意向を無視した新築移転が経営の赤字転落の始まりではなかったかと思います。

人の流れやこれまでの習慣は、長い年月の下、築き上げられるものです。また、社会システムもそれを前提に創り上げられていくものだと思います。そうした中で、これまでの人の流れや習慣に反した新たな行動や取組を起こそうとすれば、事前に十分な準備、調整が必要です。

そうしたこともせず、実施に移せば、企業活動であれば、いかに好調な事業でも、あっと言う間に人も来なくなり、利益も出なくなってしまいます。そうした事例はたくさんあります。

私のホームページを読んでいただいている、私の古くからの知人であり、尊敬する大先輩が「安佐市民病院の移転について君の言っていることは、そんなに間違っていないよ。尾道総合病院の事例があり、最大限注意しながら事業を進めた方がいいよ」と言ってくださいました。

この記事には、JA広島厚生連の説明として、「尾道市、廿日市市、安芸高田市の3病院の加え、老人保健施設や看護専門学校を経営する。職員は約2,100人」とありました。

広島市の健康福祉局と病院機構、広島市民病院、安佐市民病院、舟入病院、リハビリテーション病院、看護専門学校と同じような組織のはずです。「JA厚生連」を「広島市」に置き換えて考えてみていただければ、安佐市民病院の建替え移転も、結果は同じように映るはずです。

例えば、交通インフラだけでも、バスを通せば良いとか、安佐市民病院の移転ではJR可部線の電化延伸があるとか、区画整理事業に伴う道路網があり、利便性では同じだと発信されますが、人の習慣や地理的感覚はそう簡単に変わるものではありません。一度離れた人を再び呼び戻すことの難しさを責任者は認識すべきです。

この度の安佐市民病院建替え移転の発想は、生活者でもない行政マンが「造ってしまえばどこでも同じ」と机上でしか考えていない社会常識のなさとそれに伴う行政組織の横暴さの露呈ではないでしょうか。

行政の権力者と市民や地域住民、施設利用者とのトラブルの多くは、説明も調整もなく一方的な強権での施策の押し付けが要因です。また、権力者の自己過信と行政慣れのため自己中心主義へ陥っている証ではないでしょうか。

行政には、そのことを十分認識していただき、安佐北区民や利用者、使用者、地域での生活者等々、多くの市民の合意を得る努力が必要です。また、合意を導く手法は安佐北区民による「住民投票」が一番「公平・公正」であると思えますが、いかがでしょうか。