私の思い まちづくり・経済・交通 総務・人事 議  会 教育・文化
福祉・医療 平和・交流 その他 総合メニュー

(No.410)2014年2月3日

安佐市民病院の建替え(区画整理)

市長は土地区画整理事業の歴史や目的、概要をご存じでしょうか。一度、『公益社団法人 街づくり区画整理協会』のホームページをご覧いただければと思います。

抜粋・要約して紹介します。まず、『事業の沿革』についてです。

明治32年(1899) 旧耕地整理法制定(農地の利用増進を目的)
明治42年(1909) 新耕地整理法制定
大正 8年(1919) 旧都市計画法制定(土地区画整理事業の施行を規定)
  • 目的として「宅地の利用増進」を明記
  • 手続き等は耕地整理法を準用
大正12年(1923) 旧特別都市計画法制定
(関東大震災→震災復興土地区画整理事業)
昭和21年(1946) 新特別都市計画法制定
(第二次世界大戦→戦災復興土地区画整理事業)
昭和29年(1954) 土地区画整理法制定(耕地整理法の準用をやめる)
  • 目的として「宅地の利用増進」に「公共施設の整備改善」を追加
平成 6年(1994) 被災市街地復興土地区画整理事業創設
(阪神・淡路大震災→震災復興土地区画整理事業)
平成18年(2006) 都市再生区画整理事業の拡充
  • 密集市街地又は中心市街地について

等々、明治32年から平成21年まで多くの制度改正をしながら今日に至っています。

しかし、その制度の目的は制定時と何も変わることはなく良好な住宅地の確保です。

『(1)土地区画整理事業とは』の項では、

①土地区画整理事業のしくみ

土地区画整理事業は、道路、公園、河川等の公共施設を整理・改善し、土地の区画を整え宅地の利用の増進を図る事業。

と明記してあります。

現在、広島市行政と市長が進められようとしている安佐市民病院移転の病院事業用地の確保のための区画整理事業は本来の法の主旨には沿わないものです。事業用地として確保しなくてはならない土地であれば、土地所有者から直接、事業用地として購入すべき性格のものです。

利権を複雑にすることからそこに経費が加算され、行政の売買予約の原資(噂によれば荒下地区は50,000円/m²)ではじめて資金手当ての目途がつき、区画整理事業と称する摩訶不思議な錬金術の幕開けになるのです。「無が金を生む」とはこのことではないでしょうか。

その他、減歩や保留地処分金の説明等がありますが、地権者においては、土地区画整理事業後の宅地の面積は従前に比べ、小さくなるものの都市計画道路や公園等の公共施設が整備され、土地の区画が整うことにより、利用価値の高い宅地が得られる、とあります。

繰り返しますが、土地区画整理事業の本来の目的は良好な宅地の確保であり、事業用地の確保ではないのです。事業用地が必要であれば、安価で手に入る荒地のまま購入し、公共が必要な手法で整備すれば済むことではないでしょうか。何も中間手数料や不必要な経費まで行政が市民の税で負担する必要はないのではないでしょうか。

『(2)土地区画整理事業の流れ』では次のフロー図が書かれています。

※ 画像をクリックすると別のウインドウでご覧になれます。

この流れを賢明な市民の皆さんはどのように読まれますか。本当に良好な宅地を市街地に造るという作業で、多くの人の財産を預かる事業です。慎重に安全に安心してまかせられる事業組合の設立と公平な財産の再配分のためのフローです。多くの手続きと時間がかかります。行政の入り込む余地はないのです。土地区画整理事業のフローを市長も行政ももう一度勉強し直されたらいかがでしょうか。

『(3)土地区画整理事業の特徴と実績』では次のよう書かれています。

土地区画整理事業は、我が国の市街地整備を代表する手法として、戦前、戦後を通じ、多様な地域の多様な課題に対応すべく活用されており、平成19年度末までに全国で約34万haの市街地整備を実施してきている。
 しかしながら、我が国においては、防災性をはじめとして市街地整備の水準が依然として立ち遅れており、地方都市の中心市街地の空洞化、経済情勢の変化に伴う都心部での低末利用地の発生など、様々な課題を抱えている。
 土地区画整理事業にはこれらの課題に対応して、活力のある社会の形成と安全で豊かな生活を可能とする街づくりを進めることが期待されている。

繰り返し申し上げますが、土地区画整理事業の主旨は中心市街地の活性化と良好な環境での宅地の形成であって、県営住宅を撤退した自然災害発生予防地域へ医療、福祉等々生活弱者の施設を好んで建てる手法ではないのです。

区画整理事業という呼称の響きが、事業用地開発という響きよりスマートに市民、住民、そして市長、行政には聞こえたのでしょうか。事実とは大きく懸け離れている事業ではないでしょうか。