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(No.387)2013年11月28日

可部線の電化延伸(事業費・利用者数)

昨日11月27日の中国新聞にJR可部線延伸に係る鉄道事業許可申請の記事がありましたが、今から10ヵ月程前の2月5日の中国新聞には『可部線電化延伸を発表―広島市とJR』のタイトルで事業費や利用見込のことまで書かれた記事がありました。

大まかな内容は、「総事業費は約27憶円で、国から3分の1の補助を受けて市が負担する」「1日の利用客は、中間駅を1,800人、終点駅を2,200人と見込んでいる」「駅舎やレール、鉄橋などは市が整備。駅舎やホームは市が所有し」「延伸が地域活性化のモデル事業となるよう、JRや住民と緊密に連携して取り組みたい」といった記述です。

電化延伸計画の当初の説明は17億円だったはずですが、何が理由で10億円もの事業費増となったのか市民が理解できるような説明はないままです。17億円から27億円と実に1.6倍もの増加率です。非常事態が叫ばれている広島市財政での「10億円増」「1.6倍」は見過ごすことのできないものです。

市民の皆さんも理解されていると思いますが、建設関連費用で使える予算は多くありません。そのため、各地域や支持団体から選出されている議員の皆さんも、地元や地域等に係る予算が約束できず、事業も思うように運ばず苦労されているのが現状です。

市長は「地域の活性化」と単純に発言されていますが、可部町河戸地区だけの発展を考えればいいのではなく、広島市全域のバランスを考えての市政発展でなければならないのです。

最も重要なのは、安佐北区ができた時点での合意事項(先人の血のにじむような苦しみと努力の賜)を、たまたま現在が市長職にあるというだけで反故にしてはいけないのです。生活習慣になっている安心・安定・安全の全てを反故にすることは絶対にやってはいけません。そこには「命」が懸かっているからです。

同じ2月5日の中国新聞の図には、旧河戸駅と中間駅が明示してあります。

メディアが掲載した略図ではありますが、もとの資料は行政からメディアへ発信したものであり、この図では中間駅は区役所や利便施設の多い地点にあります。いつ頃、どういう理由で創価学会文化会館の地点だけが決められたのでしょうか。意図的に変更されたのでしょうか。

それから乗車人員の見込のデータが、11月22日に市長部局から回答されました。

※ 画像をクリックすると別のウインドウでご覧になれます。

乗車人員の数は2月5日の中国新聞の記事と同じです。
   中間駅(創価学会文化会館付近)は約900人/日で乗降客数でいうと約1,800人/日。終点駅は約1,100人/日で乗降客数は2,200人/日。延伸区間合計で1日4,000人の乗降客数となります。これを年間で計算しますと、4,000人×365日=1,460,000人となります。

延伸区間での年間乗降客数が約150万人です。これには安佐市民病院利用見込数は計算されていないとのことですが、もし安佐市民病院を移転され、1日200人の乗車人員が増加すれば、200人×2×365日=146,000人となり、合計約160万人の乗降客数の見込となります。

秋葉市長時代に、市民球場跡地利用計画の時に提案されたのが通行人を含め、1年で150万人の地域利用者増とあったはずです。この発表がされた時、驚きの声が上がったことを覚えています。

荒下地区は現時点では目玉は何もない地域です。電化延伸だけで150万人の利用者(乗降客)が生まれる発想が私には理解できないのです。そもそも現在の可部駅の平均乗車人員は約3,500人/日です。何もない終点駅(荒下)が約1,100人/日というのはどう考えても採算性のための数値としか思えないのです。

行政は何も説明しないのですが、荒下までの延伸で現在の可部駅の乗車人員は2,000人/日も落ち込み、可部駅周辺は活性化どころか、衰退化がはじまるのではないでしょうか。可部のまちづくりとは真反対の行政施策ではないでしょうか。

この150万人の利用者は、新規乗降客数ばかりでなく、どこかの駅の乗降客から減少するもので、全線の乗降客数は変わるものではないはずです。もし、増加乗降客があるとすれば、中間駅での集会客の増加と安佐市民病院の移転で生ずる乗降客の増加だけではないでしょうか。

それと事業費のことについてもう一度申し上げます。約27億円というのは実施段階の事業費であり、そのうち約18億円が広島市負担です。これまで、電化延伸の検討という「検討段階の予算」は議会としても認めていましたが、結論が出て「実施段階の予算」ということになれば話は別です。実施説明と予算要求をセットで、加えて鉄道事業の許可申請も勘案したうえで行うべきではないでしょうか。

JR西日本から国交省への鉄道事業許可申請がなされた場合には、国交省におかれてはこうした地域の現実をもう一度見直され、これからの人口減少社会への移行も含めて検証してほしいものです。

そして、許可されるのであれば、中山間地の活性化とか、里山開発とか、少子高齢化社会の再構築とか、国としても他に大きな目標、指針があっての判断であろうと推察しますし、このことが全国初の再開発になることを望むものです。

重ねて申し上げます。広島市行政もJR西日本も「税金」投入と同じです。広島市行政は、JRのせいにしないで、広島市の責任で市民に分かりやすく、説明してほしいのです。