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(No.385)2013年11月26日

書籍から(その2)

今回は、『団塊の秋(堺屋太一・祥伝社発行)』からです。西暦2015〜2028年の団塊の世代の未来予測の書籍です。気になる箇所を抜書きします。

未来の新聞記事を想定して書かれた記事ですが、タイトルは「2020年4月15日(水)/東京五輪まであと百日〜しぼむ!スポーツ熱 燃える!お祭り気分」となっています。

スポーツ熱は盛り上がらない。人口の高齢化が進み、スポーツをする人口も観る人の数も減少の一途をたどっている。プロ野球は昨年から8チーム1リーグ制になった。

(略)

「全国高校野球選手権」の地方予選の出場者数は2812校、ピークだった03年より3割以上減っている。少子化で高校が減少した上、生徒が厳しい練習を嫌う風潮もある。
   サッカーの状況はさらに厳しい。ピーク時には40チームを数えたJリーグも今年は24チーム。人口の高齢化に加え、地方の過疎化でチーム経営が年々厳しくなっている。

(略)

競技年齢の高いゴルフ人口もこの5年間で激減、全国のゴルフ場は800を割った。

(略)

特に減少著しいのはスキー。(略)競技人口の減少に加え、気候温暖化の影響で良好な積雪状態の日が減ったことも関係している。

(略)

日本オリンピック委員会も「純血主義」を放棄、外国人選手に日本国籍取得を勧めて日本代表として出場させる方針に転じた。

(略)

前回1964年の東京オリンピックではスポーツ根性(スポ根)が謳われたが、今回は華やかなプロ選手の妙技を楽しむ大会。

要約して抜書きしますとこんな内容になっています。これも日本の近未来の予想の一つだと思われます。

次の見出しは、「2028年7月30日(日)/もはや、下り坂ではない!」です。

「もはや戦後ではない」―この言葉が世に出たのは1953年の経済白書、今から75年前だった。第2次世界大戦の敗北から8年、実質国民総生産額が戦前の水準に回復したのを捉えてのことだ。
   実際、その頃が復興から成長への転機。(略)90年代はじめには@1人当たり国内総生産、A平均寿命の長さ、B事故や事件の少なさの三つで、世界一といえる「三冠王国家」になり得た。世界的な資源過剰と大量生産技術の進歩、生産人口の急増という三条件に恵まれていたからだ。
   しかし、幸運は無限には続かない。

(略)

技術の進歩は方向を変え、規格大量生産から多様化・情報化・主観化へと変わる。人口構造も少子高齢化が進む。
   戦後45年間の高度成長を支えた三条件が、一斉に失われた。「失われた30年」のはじまりである。

(略)

しかし、日本にもようやく光が差してきた。その第一は出生率の回復だ。

(略)

昨27年には1.6を超えた。

(略)

移住者数も年間10万人に達し、労働人口の減少を補っている。
   第二は貿易収支の改善。

(略)

地熱や太陽光の開発でエネルギー輸入が減少したのと、農業改革の成果で農産物収支が改善したのが大きい。医療特区などで観光収支も改善している。
   何より力強いのは新たに起業する若者の増加だ。労働法規や税制の改革で「若いうちに起業を」と考える若者が増えている。

(略)

日本の将来はどうあるべきか。それは一概にいえない。

(略)

一ついえるのは、引退後の高齢者にすみかとして選ばれるような場所でありたい。自由に生活の場を選べるような人々が『最良の住まい』として日本を選ぶのなら、この国の高齢者も幸せといえる。それは安全、清潔、便利、そして楽しみの絶えない社会である。

最後に紹介するのは、「電気守」のお話です。「電気守」とは何を意味するのか、本を読んでみないと分からない造語ですが、簡単には、遊休農地や廃業ゴルフ場、無用となった薪炭林などを借用して、太陽光発電パネルを並べた発電所の管理運営を請け負う職業のことです。

2019年秋、政府の企てた『国土強靭化構想』は財政難で頓挫、貿易赤字の拡大による急激な円安で物価は上昇、その上、農業構造改革が既成の利権と頑固な米作維持政策に阻まれて進まず、

とあり、景気の循環による不況の現れの様子を示し、

電力の発送電分離が実現し、太陽光発電買取制度が廃止になりました。これによって、太陽光発電が無制限に造れるようになったのです。

と社会経済構造の大幅な変革があるとの発想です。

そのビジネスモデルのヒントが歴史にあります。

明治大正時代の植林事業です。山間部の人々が暇に飽かして杉檜の苗を植え、できた植山林を大都市の資産家に売却、自らは山守、つまり管理人となって収益の一部を得た、という制度です。
   これによって、日本全国で植林が進み、1970年代までは山林が大きな財産になっていました。

という記述ですが、歴史は繰り返すという言い伝えの証だと思います。

高度成長期の土地神話が崩れ、現在では廃墟となっている団地や中山間地、里山の再開発が叫ばれている時代となりました。最近の長期取材の成果を連載した中国新聞の『団地』も力作でしたが、こうした取材内容も参考にするなどして、これからの団地の行方も示してほしいものです。

また、NHK広島取材班発信の『里山資本主義』も都市に付帯する里山や中山間地のこれからの行方の一つの方向も示してくれたものだと思います。これらの地域を包括している広島市行政に一つの明るい方向を示してくれているのだと思われます。