私の思い まちづくり・経済・交通 総務・人事 議  会 教育・文化
福祉・医療 平和・交流 その他 総合メニュー

(No.377)2013年10月30日

決算特別委員会での発言の理由

久しぶりに質問席に立った決算特別委員会の総括質疑ですが、実はそのきっかけとなった本があります。タイトルは『北京烈日〜中国で考えた国家ビジョン2050〜』で著者は前中華人民共和国駐箚特命全権大使で前伊藤忠商事渇長の「丹羽宇一郎」氏です。

今後、約40年間で日本を襲ってくる「人口激減」の中で、日本が何をすべきか、が大きなテーマになっています。私も以前のホームページで人口減少のことを取り上げており(89159)、共感を得たと同時に、今の広島市の方向と重ね合わせ、居たたまれなくなった、というのが発言のきっかけにもなりました。

以下、本の内容を要約・抜粋して紹介します。

  • 世界の人口はこの40年間で30億人増え、地球の限界と言われる100億人に達する(人口学者の推計は93億人)。
  • 一方、日本は40年後に「人口激減」がやってくる。なんと今より4千万人減。
  • 千年に1回の大地震以上に激震となる「人口激減」が、日本の将来を揺り動かすことになる。
  • 従来型の足し算の世界であれば、相変わらず成長を求め、インフラを整備し、住宅を手当てし、農地を確保して食糧を確保していけばいい。
  • そして、日本が相変わらず製造業を中核に据えるなら、そこに携わる経営者・労働者は40年を持ちこたえる働きをしなければならない。
  • つまり、工場一つ造るとするなら、それを40年かけて減価償却していくことになるが、成長を求められない世界で、それも一企業だけでなく日本中の企業がそれをやったら一体どうなるか。
  • しかも税金を投入して国全体が成長を追い求めるなど本当に妥当な判断なのか。

89で述べましたように、当時の人口問題研究所の低位推計では2050年に1億人を割り、2100年には4473万人まで落ちる、となっています。加えて高齢化で働く人の数が減少し、ひいては経済成長を低下させることも否めないと言われております。

  • この期に及んで「人からコンクリートへ」なんて大間違い。第一、人口が減っていくというときに、どこに何を造ろうというのか。
  • 今後40年間に4千万人減るということは、1年に百万都市が一つずつ無くなる計算。
  • インフラを整備すること自体は必要不可欠にせよ、過去と同じ基準でお金をバラ撒いてはいけない。お金の按分というものが非常に重要になってくる。
  • 人口の減少はどこで激しいのか、緩やかなのかを考えつつ、これからの40年間を生き抜かなければいけない。それを考えることこそが政治家の責務。
  • 広大なエリアに住む人間が少なければ、住宅地も農地も分散しているのをギュッと凝縮して、いわゆる「コンパクトシティ」にするのも一案。
  • そうすれば、ただでさえロスの多い電力の送配電を効率化することも可能。つまり、コージュネレーターを置いて生活するという効率的なシステムにすればいいわけだ。
  • これからのインフラは今の延長線上で考えるのではなく「整理整頓」、そういう形になるべき。

まったく同感です。今の広島市に問題点に照らし合わせると、本来、可部地区の都市軸から外れたような、将来発展も見込めないあの地域に、何故、鉄道という大量交通機関を新設する必要があるのでしょうか。また、アストラムラインにしても、何故、一番需要の見込まれない、言い換えれば交通事業者との競合も発生しないような不採算路線を一番先にやろうとするのでしょうか。間違いなく人口激減が訪れてくる将来を見据えたとき、心底疑問に思うわけです。

  • 経営というのはゴルフと同じで極めて論理的なもの。フックを打とうとするなら、このスタンスでこうグリップして、こう打てばフックが出る、と頭では分かっている。
  • ただ、理論どおりに打てるかどうかが問題で、経営も極めて論理的なもの。
  • 「5W1H」と口を酸っぱくして言うのも、「何のために、いつ、誰が、どこで、何を、どのようにしてやるか」を経営者は明確に説明しなきゃいけない。

正にこの「5W1H」こそ、行政の責任者も説明してほしいものです。

  • これからの日本経済のテーマは3A(=安心・安全・安定)。
  • 例えば食料。中国市場にどれだけまがい物が出まわり、どれだけ信用がなくなっているか。
  • だから、日本のスーパーの食料品は売れている。ファミリーマートやセブンイレブンは多く出店しているし、これからも日本のスーパーはどんどん出ていく。もちろんそこで売られる物は日本の商品。いずれも3Aを売っている。これが日本の経済の強さ。
  • 量を求めて、あるいは低価格を求めての成長ではなく、3Aのクオリティを求め、それを全産業にわたっての日本のストロングポイントにすべき。
  • こういった3Aにものづくりは、単に一企業としてではなく、日本経済全体、国全体のテーマとして取り組む必要がある。
  • 3Aを生み出すのは教育。それもブルーカラー労働者の教育。
  • 教育熱を高める基本的なポイントは、人を資産だと思うこと。人ほど重要な資産はない。なぜならこの資産は不良資産に転じたからといって償却したり売却できない。
  • ところが現状は3人に1人は非正規社員で、まさに資産を無駄にしている。
  • この資産を不良資産にするか優良資産にするかは、正に教育に懸かっている。
  • 殊に日本は今、人口減少社会に向かいつつあって、40年後には4千万人も減る。
  • 人口減少社会では、すべての人間資産を優良化するくらいでないといけないのに、逆行しているとしか思えない。

これも同感で、特に教育は国が力を入れるべきです。つい半世紀前までは、日本の教育は世界でも注目され、それが飛躍的な発展の支えになっていたわけです。将来を見据えるべきなのに、まさに逆行していると感じられるわけです。

それと全般について言えることですが、これらは弱者切り捨ての発想ということではない、ということです。「社会保障」はバラ撒きだけでは成り立たなくなってしまうことは分かり切っています。弱者を厄介者扱いにするのではなく、例えば65歳以上の世代をもっと活用する社会にすることもこれからの大きな課題です。もちろん、必要なところにはインフラ整備も必要なのです。

以上のようなことがきっかけとなり、決算特別委員会での発言となりました。思いを全て発言したわけではありませんが、一部を紹介させていただきました。