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(No.369)2013年5月7日

安佐市民病院の建替え(その5)

安佐市民病院の建替等の検討として、はじめて予算計上されたのが平成22年度当初予算からでした。

その時の主要経費には

《新規》
安佐市民病院の建替等の検討 500万円

建築から30年近くが経過し、老朽化・狭あい化している南棟について、 建替等の検討を行う。

(スケジュール)
22〜23年度基礎調査
24年度基本構想策定

とされ、以後、このスケジュールに沿って、23年度には基礎調査500万円、24年度には基本構想策定1,300万円が当初予算に計上されました。

これらはいずれも民間業者への業務委託として実施されたもので、その執行状況は次のとおりです。

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ご覧のとおり、いずれの業務もその委託先は「アイテック(株)」となっていますが、何故なのでしょうか。

まず、平成22年度の業務委託の入札方式を見ますと、公募型プロポーザルということになっています。これは、おそらく前秋葉市長の意を汲んだものと思います。

確かに、「価格競争には適さない」「業者の適正・能力等を重視したい」といったことなどから、ベターな入札方式とされ、近年は多くの採用例も見受けられますが、果たして本当にそうなのでしょうか。

一般的には、公平性、公正性、透明性が確保されているように評価されていますが、 様々な問題点もあるようです。当然、審査基準はあるわけですが、意図的な加点も可能とも言われ、意中の業者の決定へと誘導できる可能性はないとも言えない、とも言われています。

なお、この平成22年度の基礎調査の場合は、「アイテック(株)」1社のみの参加であったようです。

また、平成23年度は特命随契となっていますが、平成22年度の公募型プロポーザル説明書を見ますと、「一貫した考えの下で実施する必要があることから、平成23年度分も含めて一括して提案を受ける」ことから、当然の入札方式のように思われますが、それなら、何故、当初から2か年を想定した契約にしなかったのか、疑問が残ります。

さらに、平成24年度の基本構想の策定の委託に関しても、公募型プロポーザル方式を採用しています。

その時の参加業者は2社で、選考の結果、215点中164.1点を取った「アイテック(株)」が134.1点の他の1社を勝ったことになっています。

しかし、配点次第ではいかようにもすることも可能ではないかとも考えられます。

それというのも、この度の配点の状況を見ますと、「現在の安佐市民病院の役割と特徴」「病院の再編等今後の医療制度改革の動向と安佐市民病院が目指すべき病院像」など「基本認識」の分野で、76点が配点されていることを考えれば、到底、そこに他社が入り込む余地はなかったのではないかとも考えられるのです。

また、この「アイテック(株)」のホームページを見ますと、これまで、「安芸市民病院の施設整備」、「舟入病院の経営計画」、「総合リハビリテーションセンターの運営システム」業務を請け負うなど、病院事業分野では、広島市行政との関わりも深いということもあったわけです。

特に、2000年〜2002年にかけての「安芸市民病院の施設整備」の受注から、広島市との絆が生じ、秋葉市政以前からの「広島市民病院増改築事業」を除き、全ての病院事業に関与しています。

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こうしたことから、「アイテック(株)」ありきの契約といっても過言ではないのではないでしょうか。「公」が絶対やってはいけないことが秘められているのが、慣例化されたプロポーザル方式であり、このことは行政と業者の相互依存状態に陥る談合やなれ合いの場にしかならなくなっているはずです。

いかにも透明性を醸し出している姿の裏には、談合、なれ合いいの温床になりかねない大きな落とし穴があることを忘れないでほしいものです。

松井市長は、「随意契約」も、労務費が多くを占める入札における「複数年契約」も否定されているのではないでしょうか。現場の作業員の安定確保のためにも、作業員の生活確保のためにも、必要と思われる方式も否定されているのではないでしょうか。

随契はダメ、複数年契約もダメと言っていたはずの松井市長が、秋葉市政の延長そのままに、自らの政権になった直後に同一業者の継続契約となったことは、どう考えても不自然さが拭い切れないものがあります。

こうした中で、今回の移転の話が降って湧いたのですが、ここで、「現在地での建替えのみ」を前提とした『広島市立安佐市民病院建替等検討に係る基礎調査報告書(概要版・H23/23年度)』をご覧いただきたいと思います。

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基礎調査の当初段階で整理したと思われる「現状の分析」としては、

  • 最寄駅はJR可部線の中島駅から530m(徒歩10分弱)となっている。
  • 高陽・白木地区からのバスの本数が少ない。
  • 周辺には食事場所・休憩所、宿泊所等が少ない。
などが上げられています。

しかしながら、松井市長の関与が窺える最終段階の記述では、〈現地建替えによる課題〉として、「長期間の工事」「騒音」「動線の複雑さ」を掲げているようですが、これは詭弁に過ぎません。

そもそも「現在地」でさえ、交通や周辺環境の不便さを掲げていたはずなのに、客観的に見て不便さが増幅されるはずの「荒下地区」へ仕向けるための不自然さ極まりない方向転換なのです。

話は元へ戻しますが、一見、公平性、公正性等が確保されているような公募型プロポーザルは、発注者の意のままに進められる都合のよい手法とも言えます。広島市では、今後も様々な調査に係る業務委託が想定されますが、公明正大さの面から絶対的なものではないことを認識してほしいものです。