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(No.357)2011年10月21日

『平成22年度決算について』

3月以来の久しぶりのホームページです。この間、松井市政による新たな広島市がスタートしています。オリンピック、旧市民球場跡地、西飛行場など大きな転換も進行中ですが、ここでは、前市長が進めてきた平成22年度決算について述べてみたいと思います。

なお、今後とも、機会を捉えて「私の思い」を述べさせていただきますのでよろしくお願いいたします。


『臨時財政対策債等の赤字地方債の発行を抑制して、将来世代への過度な負担を掛けないようにすべきではないか』ということをテーマに、秋葉市政3期12年の最終の年である平成22年度の一般会計決算について、過去の決算状況も踏まえ、赤字地方債の中でも、とりわけ臨時財政対策債の功罪について取り上げてみたいと思います。

赤字地方債の典型的な例である、この臨時財政対策債が導入されたのは、秋葉市政3年目の平成13年度でした。導入の経緯は、本来、国が地方公共団体の固有の財源である地方交付税を措置すべきところですが、国の財源不足のため、その穴埋めとして、赤字地方債を発行することとし、地方公共団体に借金させることにより、国の財源不足の急場を凌ぐため、当面の措置として導入されたものとあったと理解しています。

しかし、これが現在も引き続いて行われており、地方債の残高が累増している大きな原因となっているのです。

本市でも、平成13年度から発行しており、平成22年度までの10年間で、市債の発行総額5,895億円のうち、臨時財政対策債の発行累計は、1,585億円となっており、市債発行額の約27%を占めるに至っています。

また、平成22年度の決算では、市債発行額711億円のうち、臨時財政対策債は約42%の298億円が発行されるという正に由々しき事態となっているのです。

さらに、この9月に、平成24年度から27年度までの財政収支状況を見込んだ、「中期財政収支見通し」を本市では作成・発表していますが、これによると、計画最終年度である平成27年度の市債残高の見込み額1兆981億円のうち、臨時財政対策債の残高は2,948億円と見込まれ、平成22年度の残高に対して約2倍も増加すると予想しています。

なお、国では、臨時財政対策債に係る地方公共団体の後年度の償還経費については基準財政需要額に算入することとし、地方交付税として措置するとされているようです。

しかし、これは、理論的に算入されるのであって、果たして、本当に地方交付税措置がされているのか、甚だ疑問であると言わざるを得ないのが実態ではないでしょうか。

その例として、秋葉前市長がしきりに言っておられましたが、平成16年度から18年度にかけての国の三位一体改革では、この3年間で、本市への地方交付税額は約200億円も減額されました。

また、過去10年間、臨時財政対策債が累増し、10年間の発行累計額で1,585億円となっているにもかかわらず、地方交付税額は、10年前と比べると、約150億円もの減額がなされているのです。

さらに、平成22年度までの10年間で、臨時財政対策債の発行累計額が1,585億円にも上っていることを申し述べましたが、これを、仮に今から30年間で本市が償還するとすれば、単純に計算して、1年間に約54億円を地方交付税として加算してもらわないといけないことになります。

また、仮に20年間で償還するとすれば、1年間に約80億円の地方交付税の加算が必要となるのです。

これに対し、この9月に発表された「中期財政収支見通し」では平成24年度から27年度にかけては、ここ数年の地方交付税の交付実績とほぼ変わらない、毎年400億円から430億円と見込み、臨時財政対策債の発行はさらに増額され、320億円から340億円と試算されています。

当然、これらの試算は、国の財政状況や今後の見通しを踏まえたものです。
   つまり、本市の財政当局も臨時財政対策債の発行とその償還に見合う地方交付税措置は見込めないものと思っているようです。

国の財政状況は、地方公共団体よりも、更に悪化していると言わざるを得ません。本当に、臨時財政対策債の発行に対して、本市の償還経費への地方交付税措置が期待できるのか、現在も将来も悲観的にならざるを得ないのが現実なのです。

しかし、こうした状況を座視すれば、確実に将来世代への過度な負担を強いることになるのは明白です。しかも、何も臨時財政対策債だけでなく、地方交付税措置のない赤字地方債である退職手当債や行政改革推進債が、ここ数年にかけて発行されています。

2次にわたる財政健全化計画が実行された平成10年度から19年度までの10年間では、これらの赤字特例債の発行は、全くされておりませんでした。これらの市債の発行も、将来世代への重い足枷となることが懸念されます。

そうした状況を踏まえて、今後の財政運営に関して申し上げてみますと、今年度内に「中期財政収支見通し」を基に、「今後の財政運営方針」を定めるとのことですが、これまで10年間の財政運営の基本目標の大きな柱であった「市債の実質残高の抑制」という目標を、今後は「年度内の市債発行額は、同年度内の元金償還額を上回らない」としてはどうかと考えます。

と申しますのも、第2次財政健全化計画が始まった平成16年度から22年度決算の7年間で、市債発行額3,899億円に対し、この間の市債償還額は3,485億円となっており、この7年で、差し引き、414億円も増加することになっているのです。

これは、1年ごとに約59億円ずつも借金が増えているということになります。毎年毎年、借金が増加しているのです。

とは言え、市債の中には、インフラ整備等、「地方財政法」第5条に定めるものとして、将来世代に負担を求めることが妥当なものがあるのも事実ですが、先ほどから申し上げているとおり、赤字地方債である臨時財政対策債の発行に伴う、後年度の償還経費に対する地方交付税措置は、あくまでも理論上のことであり、実態上は絵空事と思わざるを得ないことを踏まえますと、こうした臨時財政対策債等の赤字地方債の発行による将来世代への転嫁は、何としても避けるべきです。

そこで、先ほど御提案しましたとおり、今後の財政運営に当たっては、「年度内の市債発行額は、同年度内の元金償還額を上回らない」ということにすれば、確実に市債残高が減少し、より健全な財政運営が確保できるとともに、将来世代に対しても健全な財政を引き継ぐことができるのではないかと思います。

本市では、過去にも例がない一般会計の予算規模の約2倍となる1兆円を超える市債残高となっており、しかも、今後も市債残高が累増すると予測しており、未曾有の事態となっております。

もとより、大規模プロジェクト等の継続事業もあることなので、直ちにというわけにはいかないかもしれませんが、できるだけ早く、そうした財政運営ができないでしょうか。

秋葉前市長の時代では、市債残高は増えているものの「市債の実質残高」(『市債残高』から『交付税により補てんされる臨時財政対策債』と『返済に備え積立てた減債基金』を除いたもの)では着実に減少している、と強調されていましたが、現実は地方交付税が累増していないので幻想のことを仰っていたのです。
   お分かりいただけましたか。