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(No.340)2011年1月25日

『広島西飛行場について(その2)』

広島市では、市の負担と責任において広島西飛行場を運営するかどうかの検討に当たり、広島西飛行場からの路線展開等に関する意見を聴取するため、「広島西飛行場あり方検討委員会」を設置されています。

この検討委員会は9名の委員によって構成され、7月15日に第1回目の会議を開催し、その後9月3日に第2回目を、そして11月6日に最終の会議を持たれ、11月18日には市長へ提言書が提出されています。

秋葉市長が好んでつくられた多くの「委員会」の委員は、市長好みの偏った方が目立ちますが、この「広島西飛行場あり方検討委員会」のメンバーも、新鮮味のない何時ものメンバーであったと思います。資料も、行政が作ったもので筋書通りの結論を得る、いわば行政押し付けの委員会であったように思います。

3回の会議を通じてみても、目新しい議論はなく、斬新な提言もない、まさに行政(市長)の責任転嫁の会議でしかなかったのではないでしょうか。

そうした検討委員会の提言には4つの視点からの検討がなされていますが、市民を騙すような綺麗ごとだけのまとめとしか思えません。皆さんも、是非、読んでみていただければと思います。

さて、その提言の「おわりに」には、「広島西飛行場のおける東京路線就航に係るフィージビリティ・スタディ(実現可能性の検証)の結果得られた需要予測や全国でも屈指のアクセスの良さなどを勘案すると、羽田空港との路線は確実な需要が見込まれ、その実現可能性は高い」といった記述がされています。

簡単に「その実現可能性は高い」とありますが、行政は市民の皆さんが負担する貴重な税で動いているものです。単純な期待感だけでの無駄遣いは許されないわけですが、現在、どこの地方空港も赤字に苦しんでいる中で、こうしたバブル最盛期のような発想は根本から見直すべきではないかと考えます。

ここに、平成12年9月の「ジェイ エア NEWS」がありますので掲載します。目を通してください。

ジェイエアNEWS▲画像をクリックすると拡大画像が表示されます(別窓)

ジェイエアの路線▲画像をクリックすると拡大画像が表示されます(別窓)

これは、多くの地方自治体が生き残りをかけて模索した、政策的航空路線確保の手段の提案が挫折し始めた時期のものです。

多くの自治体が協力して「コミューター関係地方公共団体協議会」を立ち上げ、コミューター航空の助成・育成を目指しましたが、日本国での交通インフラ手段としては、時間的にも経費の面でも、その上、気象的にも定時性の面でも、さらにその他諸々の条件でなかなか認知されなかったのが現実です。

市民の皆さん、もう一度冷静になって考えてみてください。

広島西飛行場は確かに都市の中心部にあります。しかしながら、多くの相手側の空港、飛行場は都市周辺の少し不便な場所に設置されていることから、総合的に考えれば、他の交通手段の方が安価であり、定時性が確保され、安心して旅や事業ができるのではないでしょうか。

バブルの最盛期の常識が通じない時代になっていることを認識しなくてはいけないと思うのです。

平成12年までは各自治体にも空に対して大きな夢がありました。しかし、平成13年には広島発の空港路線に対する夢は消え始め、ジェイエア本社も広島市から愛知県へ移され、ついに平成22年には広島西飛行場の二つのコミューター定期路線も不採算を理由に撤退しました。

日本の交通インフラは十分とは言いませんが、道路網、鉄道網、新幹線網、幹線航空路線網等々整備されています。その上、現在では居ながらにしての連絡網や、意思伝達法としてのインターネットの普及があります。何をおいても飛行場が必要であるとの理由は見つからなくなってきているのです。

以前、私のホームページで、空港存続論を熱く述べた時期があります。しかし、それには一定の条件があったはずです。

その大きな要因は、広島市の企業の活性化であり、具体的には三菱重工広島・観音工場への航空機産業の誘致でした。三菱重工の航空機製造の拠点は愛知県小牧市です。ここには、自衛隊の航空基地もあり、ライセンス生産の拠点でもあるし、小牧を含む中部地域には、川崎重工業、富士重工業、IHIといった航空機産業の集積地となっているのです。

広島市は平和行政を主体として生きてきたようですが、平和だけでは食えないといった現状があるはずです。

もしも、秋葉市長が太田川放水路渡河部の仕様を、沈埋方式から橋梁方式にわざわざ都市計画決定の変更をされずに、広島西飛行場の機能を現状のまま維持しているなら、あるいは、先人が何故、沈埋方式での施工を決めていたのかの理由を謙虚に聞き理解されていたのなら、三菱重工の本社・企画へ日参してでも、国産ジェット機生産ラインの観音工場への誘致の働きかけをされるべきではなかったのかと思います。

折りしも、日本の産業の高度化、高付加価値化等へのシフトを推し進める動きが加速化し、その牽引役として航空機産業が位置付けられ、これを政府も後押しする形で、三菱重工のMRJ(三菱リージョナルジェット機)のプロジェクトが実現した時期でもあったのですが、広島市では何の働きかけもしないまま無駄な12年が過ぎたのです。

広島西飛行場は産・学・官の共有の財産であったはずです。中部地域の航空宇宙産業の集積状況を愛知県の資料から掲載します。

航空宇宙産業の現状▲画像をクリックすると拡大画像が表示されます(別窓)

広島にも、これに似た状況を作り出してもらいたいと期待していましたが、しかし、今となってはもう取り返しはできません。

日本の航空機産業の目玉であった次期自衛隊戦闘機もアメリカに潰され、アメリカからの輸入です。次期国産戦闘機FXの企画もなくなり、すべて航空機産業は小牧市などで足りる時代となりました。

企業誘致の夢があるから広島西飛行場が必要であったので、経済・生産活動に使えない飛行場は生産性のない大きな無駄遣いでしかないと考えますが、委員の皆さんと広島市行政は、広島西飛行場あり方検討委員会で何を検討されたのか、どこまで検証されたのか、市民に分かりやすく説明する義務があると思います。

また、3月31日で広島県が広島西飛行場設置条例を廃止されるとしても、広島市が何の議論もしないで、無条件に4月1日から設置条例を引き継ぐ必要はどこにもないはずです。まずは、広島西飛行場が市民にとって本当に必要なのか、必要でないのかの議論をするべきです。

経済・産業活動に必要で、恒常的に投資額以上の経済効果があり、雇用対策でも有効であるとの確証を示すべきではないでしょうか。一部趣味人の軽飛行機の駐機場や警察、消防やマスコミのヘリコプターの発着基地としてだけでは、生産性のない単なる無駄遣いの税の浪費でしかないのです。

さらに、旧空港・現西飛行場に関しては、観音地区との間に沢山の約束事があります。

現空港跡地の活用方策及び周辺対策▲画像をクリックすると拡大画像が表示されます(別窓)

抗議文▲画像をクリックすると拡大画像が表示されます(別窓)

広島市にとって本当に広島西飛行場が必要なのかどうか、10年で約150億円もの単独市費での税負担をしてでも本当に必要なのかどうか、市民の皆さんが冷静に判断してください。

確かに、秋葉市長は心の部分の平和活動・運動には心血を注がれましたが、市民の体の部分の血と肉にあたる経済・産業活動の部分は全くお留守のようでした。12年間もの長い間の空白で、広島市の体力は消耗しきっています。

単市で西飛行場存続に耐えるだけの体力は今の広島市にはないと思いますし、もう一度、市民みんなで力を合わせて、態勢を立て直さなければいけない時期に来ているとも考えますが、市民の皆さんはどうお考えでしょうか。