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(No.329)2010年11月11日

『オリンピック招致について(その21)』

2020年のヒロシマ・オリンピックの基本計画案に関する各区における市民説明会が、先月30日の西区を最後に終了しています。新聞報道によりますと、全8区で延べ636人の方が参加されたようです。

また、6区が終了した段階の10月29日に開催された記者会見で、これまでの市民説明会における市民の皆さんの反応について、秋葉市長は次のような認識を示されています。

出席者に対するアンケートの結果では、基本計画案について「理解が深まった」というふうに回答された方の割合が約8割を占めているということで、基本計画案の内容を市民の皆さんに説明し、理解していただくという説明会の目的は、それなりの目的は達成できたのではないかというふうに思っています。(略)
   説明会におけるこうした質疑応答、意見交換を通じて、ヒロシマ・オリンピックに関する市民の皆さんの意見(理解)がより深まっているというふうに考えています。

このことは、マスコミでも取り上げられていましたので、既に皆さん方もご承知のことと思います。
   今回の説明会で、参加者に対して行われたアンケートの様式は次のとおりです。


このアンケートを集計するわけですから、確かに、これまで断片的にしか計画を見ていなかった人が説明を聞いて「理解を深めた」ことは至極当然のことですし、それは事実としてとらえることはできると思います。

しかし、「理解を深めた」と「『十分な説明があり』、『計画の現実もある』そして『賛同できる』」ことは全く別物です。

せっかく市民説明会を開催するわけですから、そうした市民の声に真摯に耳を傾けるべきではないかと思いますし、そうした意見を把握するアンケートでなければならなかったのではないでしょうか。

また、そうしたコメントに続いて、

より多くの方々に賛同してもらえるよう努めて、その上で、今年の末ですね、今年中には招致に取り組むかどうか方針決定を行いたいと考えています。
   (略)
   そのために市民の皆さんの意見、JOCとの協議等を踏まえながらその決定は行いたいというふうに考えています。

と、市長は述べられています。

そこでは、「賛同」という言葉をあえて使い、市民の意見、つまり、「理解が深まった」という肯定的な市民の意見を踏まえての意思決定に持ち込もうとする市長独特の論理展開がなされているととれるのです。
   つまり、立候補を前提として、形だけの手順を踏んでいるということです。

11月6日の中国新聞に、秋葉市長がJOCを訪問し、活動状況等を報告したことを伝える記事の中で、

立候補する気がなければここまでやっていない。

という市長の談話が紹介されていますが、これが正に市長の本音であると思うのです。

そうした市長の思いを知ってか知らずか、10月29日の記者会見では、市民説明会の印象についてのやり取りが交わされていました。
   少し紹介します。

記者

全6回の説明会に参加をしている様子を拝見しているんですが、文書というのは我々が実際に見ることはできないんですが、実際の質疑応答の印象とは、8割が賛成という印象とはかなり違うというのが率直な感想です。市長は実際に質疑の様子はご覧になっていないと思うのですが、その辺りのギャップがあるというのがこちらの一方的な解釈だという御意見もあったのですが、一度意見を聞かれるのも一つの方法と思うんですが、直接御自身で何か説明会をされる予定がないかどうか、実際に出ているものの感想は少し違うのだという点について質疑の内容はどのように把握されているのかということをもう一度伺えますか。

という記者の質問に対して、市長は、
市長

(略)
   こういった会での発言の大きな特徴の一つですけれども、どちらかというと反対をされる方の声の方が大きく反映されるという傾向があることは皆さんもさまざまな会で御経験されていることだと思います。最終的に理解が深まったかどうかというアンケートでは8割という数字が出ているわけですから、それはそれで私たちは尊重したいと思いますし、元々の目的は、これはきちんとまずは理解をしていただくということにあるわけですので、これを基にさらなる努力を続けていくということをしたいと思っています。

と都合の悪い質問には全く答えようとしていません。

また、

記者

市民合意についてですけれども、アンケートのとらえ方を教えてください。

という質問に対しては、
市長

それは君たち(市民局)の方でやって。

と事務方に振り、さらに振られた事務方も
市民局長

説明をすれば理解が深まって、賛同等も深まって多くなっていくのではないかという期待は持っています。

と、また、
記者

理解が深まるという話と賛同の声が広がるというこれをニアリー・イコールととらえてらっしゃいますか。つまり、理解が深まったと丸を付けている人はおそらくこれから賛同の声になっていくんだろうなというふうに市長も市当局も実際取るということですか。

市長

反対とか疑問の声の中のかなりの部分はですね、事実の認識が違っていたっていうことが多かったからそう申し上げております。

とまるで禅問答のような質疑応答が繰り返されるのみだったわけです。

また、最終的な意思決定に関しても、

時間的に12月議会に上程というのは時間的にちょっと難しい状況であるというふうには思います。

とか、
記者

いつ頃というのは年内ということで改めて伺えましたけれども、どのような場でという部分については伺えなかったように思うんですが、そこはどうですか。

市長

そうですね。それ、しかるべき場でというふうに申し上げておきたいと思います。

記者

しかるべき場…、議会、定例会と…。

市長

うーん。まあそれはしかるべき場ということで、それにふさわしい場をきちんと設定したいと思います。

と、やはりこれも明確な答弁は避けられたのでした。

年内といえば、あと2か月しかありません。
   そうした中で、どのような場で行うかに関して、「しかるべき場」と、3期11年も市長を務めた方の答弁にしては、いかがなものかと首を傾げたくなる内容であったわけです。

それが、秋葉市長の手法といえばそうかもしれませんが、行政のトップとしては、明確に今後の方針を示すべきだと思います。

また、オリンピックの開催招致に関して、本当に、今後、市民の意見等を踏まえて、市としての意思決定をするお気持ちがあるのであれば、きちんとした手順を踏むとともに、市民の皆さんの抱かれている疑問点・問題点には真摯な対応をすべきではないかと思うのですが、皆さんはいかがお考えでしょうか。