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(No.301)2010年3月24日

『オリンピック招致について(その11)』

今回も、市民の投書を紹介します。しかし、今回の投書は内容からして議会をよく傍聴されている方のようです。

まず、「五輪招致は市の財政破綻」の見出しで、

秋葉市長の思いつきでスタートした2020年夏の五輪招致は絶対にすべきでない。

から始まり、

五輪はアジア大会の数倍にもなる大きなイベントで単独で行うことは無理。市長が言う「核なき平和の理念」と「スポーツの平和の祭典」を融合させ、被爆地広島で五輪を行うことを狙ってのことだが、

とあり、

市の方針では現存の競技施設で簡素に行うとのことだが、世界一流のアスリートがその技を競うのに、一定のレベル以上の施設が必要ではないだろうか。

と続き、

2月市議会(総務委員会)で議員の方から市に対して「招致は可能なのか」との問いに対して具体的な数字は何も出なかった。10年後の広島市民の安全安心を守るためにも、今市議会がすべきことは、招致のための2600万円を廃案とし更に検討委員会を廃止することがベストな選択だと思う。市議会の資質が今問われている。

というものでした。

これから議論は色々あると思いますが、拙速な結論を軽々に出すべきではなく、貴重な市民の「お金」を使うべきではないと思います。

また、資料として1994年11月3日の中国新聞の「広島市政は変わったか〜平岡市長に聞く」の記事が添付され、その中で、

アジア大会は街づくりの目標となり、市民に求心力を与えた。その意味で、ポスト・アジア大会の目標が見えません。今までの発想で都市を経営する時代ではない。次々と巨大なイベントを求めていくなら次はオリンピックということになるが、軽々に言うべきではないだろう。もうイベント主義の時代ではない。

といったコメントも掲載されていました。

さらに、中電経済研究センターの試算記事もありました。「アジア大会消費波及は623億円〜観客数伸びず・予想を200億円下回る」の見出しで、

広島アジア大会の消費支出面を中心にした経済効果をまとめた。大会前の7月の試算に比べ、一般の観客が予想を下回ったため、当初495億円と試算していた支出額は386億円、821億円と見込んだ波及効果は623億円にとどまった。

(中略)

当初50万人を見込んでいた宿泊費は3分の1に減少し、観光費も市外へ足が延びず、100億円の見込みに比べ5分の1となった。

このため、大会運営費の289億円を加えた支出総額は、386億2000万円と大会前の試算に対し約108億円減。中国電力経済研究センターが作成した産業関連表による波及効果は622億8000万円で、当初試算の821億3000万円を約200億円下回った。

という広島アジア大会の経済波及効果の実情を伝えているものでした。

広島市の人口は112万人です。経済波及効果の基本は人の流れです。アジア大会でも市民が期待し、理想とするような、広島市の発展はなかったのです。

これを基にオリンピックを考えてみても、今の元気のない広島が、2020年には飛躍的に世界に誇れる元気な広島に変身することは、奇跡でも起こらない限り考えられないと思うのです。

そのような現実味のない発想より、多くの市民は着実な都市の発展を望んでいるのではないでしょうか。国からの交付金と補助金に頼らなくては身動きの取れない広島市が、夢を見るにしても余りにも度が過ぎるのではないかと思うのです。

ここに、3月8日の電通報があります。「東京マラソン35,000人が力走」というタイトルですが、その記事では、

「東京マラソン2010」が2月28日、東京都心で開催された。大会には国内外のトップランナーと市民ランナー約3万5千人(10キロ、車いすの部など含む)が参加。あいにくの冷たい雨にもかかわらず、沿道では約116万人が熱い声援を送った。

主催者は、大会運営に伴うCO2排出量抑制と環境に対する意識啓発を目的に「東京マラソン・グリーンプロジェクト」を展開。リストバンド、携帯ストラップなど東京マラソン公式グッズの収益の一部を、東京都に緑を増やすことを目的にした「緑の東京募金」のチャリティーに充てる。

と続いていましたが、「沿線の観客116万人」とは、当日マラソンを応援してくださった人だけで、広島市の全人口112万人を超えているのです。広島市と東京都を全ての面で比較すると、「蟻」と「象」ほどの開きがあり、同じ土俵では戦いにならないと思います。

今、私達広島人にとって、一番心配なことは、仮定の話にはなりますが「東京都議会が東京オリンピック開催を否決」することになるのではないでしょうか。もしそうなれば、日本国内で、広島市だけが立候補都市として残り、他に立候補する都市がなければ、JOCは広島市を指名することになるのです。

今、広島市は多分、実現不可能との認識のもとで、オリンピック開催に手を挙げようとしていますが、仮に、JOCから指名されても、広島市には「人」「物」「金」「イベント開催のノウハウ」等々何の持ち札もないのです。

広島市は財政的にも「夕張市」よりもっともっと悪くなり、市民生活の破綻に通じるのではないでしょうか。怪我をしないうちに、オリンピック開催地の立候補都市から手を下ろしたほうがよいのではないでしょうか。

東京マラソンでは沿線28か所で「祭り」を開催されたそうです。その出演者だけで5,500人を超えたそうです。これらは、地域を活気づける大きなイベントのようですが、広島市が活気ある豊かな都市を目指すなら、イベントを数こなし、大きな大会が開催出来るノウハウを一つずつ積み上げ、人材育成の訓練からはじめるべきではないでしょうか。

そういった意味で、まずは「人」づくりが広島市には必要ではないかと考えますが、皆さんはどのように思われますか。