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(No.292)2010年1月8日

『永住外国人の地方参政権について』

民主党の小沢幹事長が、今年の通常国会で永住外国人に地方参政権を付与する法案を提出する意向を示したのに対し、多くの地方議会ではこれに反対する意見書を可決、政府や国会に提出しているようです。一例として、千葉県議会が昨年12月の定例県議会で可決した意見書を掲載します。


定住外国人への地方参政権付与に反対する意見書

千葉県議会(平成21年12月定例会)

日本国憲法では参政権を国民固有の権利(第15条第1項)としているが、地方参政権もその自治体の住民が選挙することになっている(第93条第2項)。そして平成7年2月28日の最高裁判決で、「住民とは日本国民を意味する」としている。

参政権に賛同する人々は同判決にある「憲法上禁止するものではないと解するのが相当である」との部分を取り上げて最高裁が認めたものとしているが、この部分はあくまで傍論であり主文ではない。この判決では原告・民団団員の訴えは棄却されている。

韓国では、平成17年、在韓永住外国人の一部に地方選挙権を認め、相互互恵主義にのっとって日本でも認めるように働きかけがなされているが、昨年の韓国地方選挙で選挙権を得た日本人はわずかに51人であり、現在の日本の永住外国人が約70万人であることを考慮すると、全く互恵相互といったものではない。また、諸外国では、北欧を中心にEU等20カ国ほどであり、世界の趨勢でもない。

選挙権は、基本的人権であり、また納税しているから認めるべきとの議論もあるが、では選挙権のない未成年者には基本的人権はないのか。また納税していない低所得者や学生には選挙権は付与されないのか、など無理がある。

普通選挙制度が成立してから80年以上たった今、納税も人権も、参政権とは直接関係ない。国政も地方政治も日本国民たる住民のみが投票することは当然であり、改めて論ずべき余地はない。

よって、国会及び政府においては、民主主義の根幹をも揺るがしかねない定住外国人への参政権付与を、断じて行うことのないよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

永住外国人の地方参政権については、民主党が敢えてマニフェストに載せなかったこともあり、これまであまり議論されていなかったようですが、千葉県議会の意見書にもあるように、民主主義の根幹をも揺るがしかねない、正に看過できない問題です。「選挙権」を憲法上どう解釈するのかといった重大な問題を含んでおり、一時的な外交手段や選挙対策(票田獲得)として決定すべきではないと思います。

こうしたことから、これまで私が把握しているだけでも、千葉県のほか熊本、長崎、佐賀、香川、石川、山形、富山、新潟、大分などの県議会や市議会で同様の意見書が可決・提出されています。

1月6日の読売新聞の「論点」に『永住外国人の参政権〜「在日」永続化の恐れ』と題して、首都大学の鄭大均教授が執筆されていましたので抜粋して紹介します。


外国人参政権法案は一般に在日コリアンの要望に対する日本政界の好意的な回答と理解されているようだが、ここには誤解がある。在日の多くは、今後も日本で生きていこうとする人々であり、機会があれば日本国籍を取得しようとしている。

特別永住者の在日コリアンは長い間、「60万」といわれてきたが、その数は減少して今や40万人ほどだ。毎年1万人近い在日が日本国籍を取得しているからで、また日本人と結婚した在日が韓国・朝鮮籍を子供たちには継承させようとしないからである。

大部分が日本生まれの世代で構成される在日コリアンに見てとれるのは韓国・朝鮮籍を持ちながらも母国への帰属意識にも、外国人意識にも欠けるという二重の状況だ。そんな人々に参政権が与えられたら、宙ぶらりんな状況が永続化してしまうだけのことだろう。

彼らはペーパーコリアンであるとともにペーパー外国人になっているのであり、自分を説明しにくい存在になっている。外国人参政権法案とは、そんな在日を永遠の外国人として保存しようとするものだ。

第二に、国内政治に対する外国政府からの干渉を高める恐れがあるゆえに反対すべきであり、問題になるのは在日コリアンだけではない。2008年末の統計では、朝鮮半島や台湾などの出身で、戦前や戦中、日本に移住等でやってきた旧植民地出身者とその子孫である特別永住者が42万人に対して、一般永住者が49万人。その多くは中国やブラジル、ペルーの出身者だが、今後さらに増えるのは中国人であろう。

外国人参政権法案は今のところ地方選挙権に限定されたもので、国民主権の根幹を揺るがすものではないという意見がある。しかし国政と地方政治の境界は明瞭ではない。自衛隊や米軍基地や原発、あるいは竹島や尖閣諸島のような問題は国家政策と緊密に結びつき、外国籍住民の投票行動が国の外交、安全保障政策と葛藤を引き起こす可能性は十分ある。

そんな彼らに中国政府は無関心にいられるだろうか。おそらくは韓国政府や北朝鮮政府がそうであったように、中国政府も中国人永住者を政治的に利用しようとすることがあるだろう。海外移住者はかつては母国との離別を意味したが、最近では母国との文化的絆のみならず政治的絆が維持されるという状況が世界的に見られる。

「日本列島は日本人だけのものではない」と考える者は日本国内にだけではなく、外にもいるのである。

この問題は、賛成派、反対派にそれぞれ意見があると思います。しかし、大前提として、憲法上の大きな問題があります。ここでは詳しく述べませんが、少なくとも永住外国人の地方参政権の問題で、全国民的な憲法議論が尽くされているとは思えません。

また、一部の政党では、外国人も納税している以上選挙権を付与することは当然との意見がありますが、税金は道路や医療などの公共サービスの対価であり、参政権と結びつけるのは無理があります。納税を判断基準にすれば「納税しない人は選挙権を行使できない」という考え方に繋がりかねません。

さらに、長崎県対馬のように、韓国人に多くの土地が買われ移住しているという実態がある中で、もし在日韓国人に地方参政権が与えられた場合、韓国政府の意向を受けた地方公共団体の長や議員が誕生し、実質的に対馬を韓国領とされてしまうという大きな懸念があります。

与党の剛腕幹事長によって強引に進められようとしているこの法案が、国民的議論なくして成立することは絶対あってはならないと思うのですが、皆さんはいかが思われますか。