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(No.280)2009年11月18日

『観音入江部の埋立てについて』

8月30日の総選挙で自民党は惨敗し、民主党の政権になりました。結果を厳粛に受け止めるとともに、私たち自民党員の過去からの垢の蓄積と気配りのなさと住民目線の欠如がこの様な厳しい結果をもたらした大きな要因だったと思っております。全ては個々の議員の自己責任であり、私たち地方議員を選んでくださった地域の有権者の皆さんに対して説明の出来る、分かりやすい政治を心がけるよう努力しなければなりません。

そうした思いを強くする中で、一つ気になる案件があります。既に9月市議会で可決した議案ですが、件名は「第128号議案、平成21年9月25日提出の公有水面の埋立てに関する意見について」です。議案の内容は、埋立免許権者である広島県知事から、埋立区域にある首長、つまり広島市長に対して埋立てに対する意見を求め、それに対して議会の議決を経て回答するものです。

回答内容は「当該公有水面の埋立てについては、異議がない。ただし、埋立て工事の施工に際しての地域環境及び海域環境の保全並びに地震に対する安全確保に十分配慮し、必要と認められる場合には速やかに対策を講ずるよう承認出願人に指示されたい」という条件が付されています。

いつの時代でも政治や行政の目は住民の安心・安全の施策を考え、施行することが最優先の課題であると思います。政権は民主党に移りましたが、やはり住民(国民)の安心・安全の確保が最重要な施策なのです。

政権が変わった今、さらにこの埋立事業者が「国(国土交通省)」だからこそ、選挙区選出の国会議員が住民の生活目線に立って見直すことが必要ではないでしょうか。自らが住んでいる観音地区の出来事であり、議員活動の原点であると思います。是非とも、議員活動の原点に立ち返って「現場」を見てください。

この議案は、平成21年3月19日に国から県へ埋立承認の出願がなされ、県の6月議会を経て、9月の市議会で「異議なし」と回答した議案ですが、これは、国・県・市の追認システムに組み込まれたものなのです。

何故なら、これまでは自治体事務の7割近くは国の機関委任事務であり、地方議会には調査権、質問権しかなく、その内容の是非を問うことが出来ないシステムであったのです。2000年4月以降はこのシステムは廃止されているのですが、地方議会としてはなかなか議論しにくいところにあるのが現状です。

気になる理由はこの埋立地が西区観音新町三丁目2760番地周辺の通称・新町入り江の埋立てであり、この地が「台風や大雨」の時には必ず水をかぶる被害が発生する場所であり、高潮対策で護岸をかさ上げしても角地になり直接被害を被る場所なのです。

最善の救済策は誰が考えても護岸を流れに沿って真直ぐに構築することです。行政が事業を起こす時は住民が安心して安全に暮らせることを考え、施工することが「税」投入事業の「掟」ではないでしょうか。

以下、図面と資料を提示しますので市民の皆さんも一緒に考え判断してください。計画は、この入り江を約9,756u(2,956坪)埋め立てるのです。埋立地の用途は道路用地及び護岸用地(図面を参照)です。埋立工事期間は3年9月となっています。

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観音地区平面図



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観音地区入江の過去の経緯

観音町で生まれ育った私にとって、何処の地域が安全で安心な状況にあるのか、ないのかの判断は感覚ではなく身体でわかるものとして、国土交通省が提示した埋立て案には賛同しがたく、平成21年8月21日付で都市計画課・道路計画課から「観音地区入江の埋立てについて」という比較検討資料を提出してもらいました。

長時間かかってやっと出来上がったものですが、市民・住民の安心・安全が第一と願うはずの現場の行政が国土交通省の思惑どおりにしか「絵」が描けないことに甚だ疑問を感じるのです。

政権が民主党に変わった今だからこそ、「生活者の目線に立って施策を見直す」と有権者へ約束されたはずの地元選出国会議員の先生に今一度目線を低くして生活現場を見て、感じてほしいのです。政治の原点である、現場第一主義を貫いてほしいものです。

行政が作成した「表」を参考にしてください。誰が見ても「全部埋立て案」の方が100点のはずです。

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観音地区入江の埋立てについて

どのような角度から検討しても「一部埋立て案」より「全部埋立て案」のほうが住民にとって一番安心・安全な案であり、環境への影響も一番いい状態であります。ここで行政が取り上げている一番の理由は、事業費が90.2億円と92.7億円の差額2.5億円なのです。観音入江部埋立比較案の資料で比較検討してください。

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観音入江部埋立比較案

一部埋立ての場合は出来上がる土地は2,900u(879坪)で全部埋立て案では15,000u(4,546坪)です。差し引き3,667坪の貴重な土地ができます。

この道路下の土地は地域住民や必要なときの駐車場とか、災害時の避難場所など様々な活用法があるはずです。この土地を仮に坪単価10万円としても3億6670万円になります。差し引き1億1670万円の得になるはずですが、国・県・市の行政組織はどのように検討されたのか、それとも、何かの力とか利権とか地域住民への対応の煩わしさで回避したのでしょうか。住民本位の行政であり、コスト計算の出来る行政であるべきです。

もう一つ、行政の言い訳の材料があります。それは、広島南道路・観音入江工事の工期が許認可の条件の変更で完成が遅れるとのことです。しかし、この様な言い訳は世間には通用しないはずです。国・県・市の行政間だけで変更の許認可事務のやりとりです。行政間の時間のロスを取り戻すのは努力次第でできるはずです。

国土交通省も許認可を受けるセクションが広島国道事務所、太田川工事事務所と道路部門と河川部門の二重構造になっていて複雑極まりない組織です。しかし、一番大切なことは「住民の安心・安全への思い」のはずです。

「工期の変更」も理由にはなりません。「入江内へ漁船の係留場所が確保できなくなる」とありますが、そもそもこの入江は漁港ではないのです。係留の既得権を認めることは行政には出来ないはずですし、絶対に認めてはいけないことです。

何故、この様な理由を行政は公然と発信されるのでしょうか。国土交通省も広島県も広島市も河川・港湾での船舶の不法係留は絶対に認めていないはずですし、絶対に認めることは出来ないのです。その為に多額の「税」を使って広島湾の中に、沢山のマリーナ整備をしたはずです。

生活現場を管理・監督する、広島市の秋葉市長は金額的にも安くなるとの理由で太田川放水路の渡河部を沈埋トンネル工法から架橋方式に強引に変更されるほど、建設行政に明るい市長です。

都市高速が下りる同じ観音新町工区の道路で起きている事柄です。行政の長たる者、ましてや生活現場を管理監督する責任者として入江部分に最大の注意を払われるべきではないでしょうか。

「下衆の勘ぐり」と言う言葉があります。市長は何故、太田川放水路渡河部には興味があり、天満川渡河部には興味がないのですか。施工方法・施行主体の違いを市長はどのように受け止められているのでしょうか。どちらの道路も広島市が責任を持って施行するものなのです。

一方は三菱重工の土地であり、市民生活や環境の悪化もない平地です。反対側は自然災害に怯えながら生活をしている現場です。市民に対する気遣いと、企業に対する気遣いとで差があってはいけないはずです。

好きとか嫌いとか、「利」があるとかないとかではなく、「市民の代表」ですので総て平等に扱い、細心の注意を払うべきです。どちらにしても広島市民のためです。市長の再考を求めるものです。

9月30日の広島市議会本会議で西田議員が「政権交代による道路整備に対する国からの補助金等が減少すれば、都市高速道路や関連道路の建設にどのような影響があるか」と質問されたのに対して次のように答弁されています。

広島高速道路の建設に要する財源は、国からの貸付金、県・市の出資金や貸付金、及び民間からの借入金により構成されており、このうち、国からの貸付金が建設費の約3割を占めています。 また、太田川放水路渡河部の橋梁整備など広島高速道路の関連道路の建設に要する財源については、国からの補助金等が約半分を占めています。民主党のマニフェストに掲げられた種々の施策について、実施時期や財源措置、補助制度など全体の枠組みが不明であり、今後の国の動向を注視していきたい。

政権がいかように変化しても住民生活の現場を預かっている首長は公平・公正な目配り気配りが必要なのではないでしょうか。

市長の頭の中は「平和の祭典・オリンピック」しかないようですが、毎日の生活の現場は窮地に追い込まれているのです。生活の現場へ「目」線を向け、落ち着いた地に根の生えた行政施行を望むものです。

「オリンピック」開催は世界中の誰でも賛成なのです。それは「総論」は賛成であり、「各論」になったときから総ての議論が始まるのです。

「人」には分相応と言う言葉があります。都市にも「都市相応」と言う言葉があるはずです。「瞬間湯沸し器」のように瞬時に燃え上がることは、「利」を追求する企業の営業方法であり、「税」を財源で施策展開している行政では絶対にやってはいけないことです。腰を落ち着けて一つずつ積み上げた施策の議論をしたいものです。 市民の皆さんはどのようにお感じですか。