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(No.257)2008年12月17日

『地球温暖化対策推進条例案の否決を振り返って』

年末を迎え、不況のあおりを受け、苦境に直面している地場の中小企業や、雇用の不安に怯える皆さんに対して、広島市の行政として、斬新な行政施策も不況対策の指針も提案されていません。

また、このことに対して、市長は何のコメントもされてないようですが、これで、為政者としての責務を全うできていると考えられているのでしょうか。ここにも、「市民のことは後回し」という市長の姿勢を窺うことができると思います。

また、それが典型的に現れたのが9月の定例会に提案され、議会から「NO」が突きつけられた『地球温暖化対策推進条例』であったと思います。

まず、その『地球温暖化対策推進条例』は、広島市民への告知義務違反に近い条例であり、市長の思いつき条例であったと思います。また、それに対して、議会は単に『否』ということを示したわけではなく、提案された条例には不備があり、そうした未完成のままの条例は到底認めることはできないということで、市民が納得できる条例の制定を望んだだけなのです。

こうした唐突な『地球温暖化対策推進条例』の提案が示唆しているのは、秋葉市長が求めているのは自分自身へのスポットライトであり、いつでも、如何なるときでも、自分自身が中心であり、市民のことは後回しという姿勢そのものではないかと思うのです。

また、11月27日付けの日本経済新聞には、次のような記事が掲載されていました。

秋葉市長は記者会見で「残念ながら必要な協力体制ができなかった。再提案への努力を続ける」と述べた。市は環境対策に優れた建築物には有利な融資条件を付与することなどで金融機関に協力を要請しているほか、付則で定める条例の対象となる規模の基準などを条例本文に盛り込む対応を進めている。

(なお、記事の中では『付則』となっていますが、『規則』の誤りだと思いますので、ここでは『規則』と言い換えて言及します。)

この記事の中では、「金融機関に協力を」ということがありますが、このことは金融機関へそれだけの条件を広島市が提示しなければならないわけですし、直接的には今年度当初予算で計上されたソーラーシステム(太陽光発電システム等)の設置に対する補助のように、個別の補助金制度等しかないと思います。

また、後半部分の「条例」と「規則」の関係ですが、行政は議会で条例として大きな枠だけを決めてもらえば、あとは議会の議決を要しない「規則」で勝手に決めることができるわけです。

しかし、これは、議会と行政、お互いの信頼関係や意思疎通が確保された上で、必要最低限の条件が明確に示されていることが前提にあって初めて、詳細は行政が「規則」で定めることができるということになると思うのです。

しかし、広島市の場合、必要最低限の条件すら明確に示されていないという現状、つまり、思いつきの、しかも、未成熟な政策(議案)であるため、市民や議会を納得させるだけの十分な説明ができないという現実があるのです。

とかく、マスメディアは、行政からの情報だけで、物事を伝えられる傾向があります。しかし、こうした事象が発生するのには、当然そこに原因があるわけですから、そのことに気付いていただきたいと思うのです。

今回の『地球温暖化対策推進条例』も総論は確かに立派です。しかし、この条例で規制されることによって、コスト増になる土地、建物は最終的には市民が購入する、つまり、市民にコスト増が転嫁されるわけですが、そのことについての対策は何も示さずに、今、流行だからという理由だけで、果たして、規制だけを掛けるというのは到底納得できないのです。

また、同じようなこととして、今、原爆ドーム周辺に建物の高さ制限を掛けることが考えられていますが、「公」が一方で規制を掛けるのであれば、その反対に規制の緩和をどのようにしていくかについても考えなければならないのが、「公」ではないでしょうか。さらに、その両方を市民に分かりやすく伝えるのが市長の仕事でもあるのではないかと思うのですが、皆さんはいかがお考えでしょうか。