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(No.249)2008年10月24日

『平成19年度決算について(Part3)』

平成19年度の広島市の決算状況については、これまで数回にわたり指摘してきました。特に、財政の硬直化を示す指標である経常収支比率が悪化していることを、市民や議会に対しては、あえて公言しようとしない秋葉市長の政治手法には疑問を呈してきたわけです。

ただ、一口に「財政の硬直化を示す『経常収支比率』の悪化」と言いましても、市民の皆さんには、なかなか理解しづらい部分もあろうかと思います。そこで、今回は、その用語解説も交えながら、詳しく検証してみたいと思っています。

まず、そもそも「経常収支比率」ということですが、このことについては、大阪府や福井県のホームページに次のような解説がありました。

「経常収支比率」とは、府税や地方交付税など毎年経常的に収入される使途の制限のない一般財源が、人件費や扶助費、公債費など毎年固定的に支出される経常的歳出にどの程度充当されているかを示す比率です。
経常収支比率=(経常経費充当一般財源等)÷(経常一般財源等+減税補てん債+臨時財政対策)×100

しかし、これでも、なかなかご理解いただけないかもしれませんので、本当に大雑把になるかもしれませんが、普段の生活に例えて言いますと、生活費など毎月必要となる支払の収入に占める割合ということになろうかと思います。つまり、この比率が高いほど臨時的支出にお金を回す余裕に乏しく、財政構造が硬直化しているということになるわけです。

そして、次に問題になるのが、では実際、現在の広島市の財政状況で、一体どの程度、いわゆる余裕資金があるのかということですが、次の表をご覧ください。

この表は、平成15年度決算から平成19年度決算にかけて、その推移を市当局に求めたものですが、ご覧になってお分かりのとおり、平成15年度においては、178億円程度の余裕があったものが、昨年度では43億円と、差し引き、何と134億円も減少、つまり、財政状況は悪化、硬直化しているわけです。

それでも、43億円も余裕があると思われるかもしれませんが、固定的な経費が2,722億円もあるわけですから、43億円は、比率にして1.6%であり、無きに等しいと言わざるを得ません。

また、今回の資料要求では、今年度の状況について、市当局からの回答を得ることはできなかったわけですが、平成20年度の決算見込みでは、経常収支比率は100%を超えているという、つまり臨時的支出に回す余裕など全くないといった状況に陥っているとも言えるらしいのです。

このことが私の杞憂であれば幸いなのですが、今の広島市の財政状態を明らかにした内部文書が10月16日付けで発せられています。それは、「平成21年度(2009年度)の予算編成について」と題して、三宅副市長から、各局・室・区長、行政委員会事務局長、公営企業管理者あてに発せられた依命通達ですが、その部分を抜粋して紹介します。

平成19年度(2007年度)決算における財政指標をみても、財政の弾力性を示す経常収支比率が98.4%と、財政の硬直化が一層進んでいる状況にある。こうしたことから、新年度の予算編成は、本年度に引き続き大変厳しいものとならざるを得ない。

行政当局に対しては、「財政の硬直化は一段と進んでいる」ことを殊更強調しておきながら、その一方で、市民あるいは議会に対しては、市長の政治手腕によって、財政の健全化は順調に進展しているとなぜ公言できるのでしょうか。

秋葉市長が、事あるごとに、例えば、タウンミーティングや各種団体の集まり、自分から好んで開催する財政問題講演会等々で「広島市の財政を健全化させ、『夕張化』に歯止めを掛けた」と公言されていることは、市民に対して、偽りを発信されていることになるのではないでしょうか。

すべての事業を抑制すれば、例えば、何もしないでマスコミ受けする情報だけを発信していれば、第2次財政健全化計画の一つ目の目標であった赤字見込額は解消します。現市政で、都市づくりの施策があるとしても、秋葉市政が誕生する以前に営々と積み上げられてきた諸施策の取り崩しにほかならないと思うのです。

市民の皆さんには、今の時点では、何の不自由も感じられないと思いますが、近い将来、必ず、市民生活に重大な影響や格差が生じることになるのではないかと懸念されるのです。

また、二つ目の目標であった市債の実質残高の抑制も、以前((No.247)2008年10月8日『平成19年度決算について(Part2)』)で指摘しましたように、算定方法によっては、大きな誤差が生じてくることが考えられますし、さらに、市民の皆さんの目に見えるものとしては、これまで二度も公の場で否定していた市職員への退職手当の支給のための財源とするための市債(退職手当債)を今後は発行することとしているのです。正に、不透明な、その場しのぎの財政運営の部分が多すぎるのではないかと懸念されます。

さらに、三つ目の目標であった弾力性のある財政体質の確立に関して、経常収支比率の悪化の原因は、人件費の増加だけでなく、市民受けしやすい小さな思い付き事業の出費の積み重ねの結果ではないでしょうか。一方では、経費削減を呼び掛けながら、もう一方では、出血サービスの経費が増加しているのではないかと心配しています。

以前、よく言われましたが、東京都が財政危機に見舞われた「ばらまき都政」=「美濃部都政」と同じ状況になりつつあるのではないかと考えます。当時の美濃部都政もクリーンなイメージの学者都政でしたが、今の秋葉市政も同じように感じるのは私だけでしょうか。

東京都の場合、大都市東京という強い基礎体力を背景に、そのときのツケを解消することができたようですが、景気が減速基調にあり、世界同時不況に追い込まれそうな時代に入ろうとしている現在、広島市の財政運営の根本をもう一度見直すべきではないでしょうか。こうした今の秋葉市長の政治姿勢、財政運営に対して、皆さんはいかがお感じでしょうか。