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(No.229)2008年1月8日

『広島市の財政事情(その1)』

本年も、財政の健全化や組織の合理化が叫ばれる一年になりそうですが、そうした中にありましても、国と地方、あるいは官と民の役割分担の中で、知恵を出し合い、明るい希望の持てる「広島づくり」を目指して懸命の努力をしていかなければなりません。

そうした中で、為政者の口からは、「夕張化」という財政破綻を示す負のイメージの俗語(苦労されている夕張市民に対しては大変失礼な言い方だとは思いますが…)が、今年もまた、相も変わらず発せられると思われます。今回は、こうした言葉を発し続けていることが、どれだけの意味を持っているのか、皆さんに考えていただくため、広島市の過去からの遺産であり今日の広島市の礎石となっている『広島新史』の中から、先人の苦労と努力の蓄積で今日の広島市の考え方の基が作られている現実を紹介したいと思います。

それは、『広島新史(財政編)』の『第W章 財政赤字と自主再建 第1節 財政膨張と財源問題』の中で詳細に記載されていますが、以下、抜粋して幾つか紹介させていただきます。

まず、当時の地方財政を取り巻く現状分析についてです。

―地方財政の赤字―

地方財政の赤字は昭和29年度には全国的にみてもその頂点に達した。それは、主としてドッジ・ライン下での財政資金の引き締めと(朝鮮)特需後の深刻な経済的危機によるものである。つまり、財政的には、地方財政平衡交付金枠の2分の1への圧縮やその後の地方交付税制度への転換(昭和29年度)、起債の大幅な制限などに加えて、昭和28年ごろからの深刻な経済的不況の財政収入面への反映によっている。

この中で、広島市の財政状況については、次のように分析されています。

―市財政の赤字―

広島市におけるこの期の歳入・歳出の動向からすると、昭和27年度から同30年度までの財政状況がとくに厳しかったことが分かる。


<歳入面からの分析>

それはとりわけ歳入の不足に起因していたといえよう。(中略)歳入の伸び率を鈍化させた主な要因は、地方財政平衡交付金の地方交付税制度への切り換えにともなう交付金(税)の削減と市債の制限である。また市税および国庫支出金の伸びも充分とはいえない。


<歳出面からの分析>

財政支出の主要科目は、失業対策や生活保護費などのほか、役所費、警察消防費などの人件費、教育費などであったから、財政赤字を理由にして削減できるような性質のものは少なかったのである。

<赤字額>

(昭和27年度普通会計決算額約19億1,300万円に対して)すでに約3億6,400万円の累積赤字を抱えていた広島市では、その後の厳しい諸条件下で、後述の財政再建をせまられることになるのである。

以上のように、今以上に厳しい本市の財政状況が述べられています。

しかも、その当時には、「平和記念建設事業」への取組もあったのですが、そのことについては、次のとおり記述されています。

―平和記念建設事業の継続―

広島市は、このような財政事情の中でも、戦災復興を中心とした広島平和記念都市建設事業を続けていかざるをえなかった。この建設事業は、ドッジ・プラン以降数次にわたって計画修正がなされたが、内容的には戦災や風水害、台風などによって破壊された道路その他の交通施設、橋梁、河川施設、港湾整備など市民生活にもかかせない内容を持っていた。

戦後すぐの、最も厳しい時代においても、都市を建設する上で、また、安心・安全な市民生活を確保する上でも根幹となるべきインフラ整備に知恵を出し合った先人たちの努力によって、今日の広島市があるのです。そうした先人たちの知恵と努力に感謝したいと思いますし、そうしたノウハウは市行政には確実に根付いていると思うのです。それが、試練や苦難を乗り越えた歴史の重みではないでしょうか。

広島市職員の皆さんには、広島市の財政の歴史と今日まで脈々と受け継がれている広島市の職員魂を認識してほしいと思いますし、困難な時代ではありますが、自信を持って、この窮状に臨んでいただければと思います。




(※追伸(G8下院議長サミット))

今年の9月2日には、主要国(G8)下院議長会議(議長サミット)が、原爆資料館に隣接する広島国際会議場で開催されますが、このことは、広島市の国際化を進める上で、大変有意義なことだと思っております。


市民の一人としても、また被爆者の一人としても、平和記念公園内の施設で開催されることの重さをひしひしと肌で感じておりますし、この議長サミットの開催が、広島市の国際化の真の「元年」となり、負の遺産を発信するだけの広島市ではない、広島の底力が発揮できる節目になることに繋げていくことができればと考えております。