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(NO.227)2007年12月28日

『現球場跡地の利用について(その3)
              〜モニュメントの行方とインフラ整備〜』

市民球場の周辺には、カープの輝かしい歴史を刻んだ栄光のモニュメントが沢山あります。市民球場横の基町下水ポンプ場の上にはカープの優勝の歴史を示す記念碑があり、緑の樹に囲まれた一体を「勝鯉の森」として管理しています。













広島市は、この「勝鯉の森」をどのような形で残すのでしょうか。それとも、市民の誇りでもあるカープの栄光の歴史をも取り壊すつもりなのでしょうか。この問題ひとつにしても、広島市は明確な方針も理念も何もないのが現在の姿なのです。





また、この写真は「勝鯉の森」にある、平成3年に広島東洋カープがセントラルリーグで優勝した時の記念のモミジの木です。小さかった木も16年も経過すれば、ご覧のように大きく見事な樹木に成長しています。しかし、それは逆に優勝から遠ざかっている歳月を示しているわけですから、市民も全国のカープファンも優勝の感激を少しでも早い時期に味わいたいと心から望まれているものと思われます。

秋葉市長の現球場跡地利用構想の中には、この「勝鯉の森」は過去の市長が造ったものであるから、過去の遺産は壊せばいいといった思いがあるのかもしれません。しかし、ここには、秋葉市長になって許可、設置された「世界の子どもの平和像」もあります。





この「子どもの平和像」は、どのようにされるお考えなのでしょうか。ここにも、秋葉市長の広島市の都市建設に対する基本的な思想は何ら感じ取ることはできません。

ただ目先の、世論受けする事案だけを、無差別に、しかも瞬間的に思いついたまま飛びつき、前後左右の見境もなく、過去からの経過との調整もなく、突っ走るだけの、しかも、理屈は後から付けていくという、まるでアメリカの『勝』か『負』かのディベートの世界でしかないのです。それが今の広島市政の姿ではないでしょうか。

そうした広島の都市建設の姿とは全く対照的で分かりやすい事例がありますので、市民やカープファンの皆さんに紹介したいと思います。

次の写真は、JR仙台駅と仙台空港を結ぶ仙台空港アクセス鉄道「仙台空港線」を撮ったものです。









この路線はJR仙台駅から空港まで八駅ですが、その中間付近の「杜せきのした駅」には、新しい市街地が計画的に造成され、広島市の西風新都のような新しい街が美しく出来上がっています。行政の本気でのやる気の現れです。

この新しい街の中核は、広島と同じダイヤモンドシティであり、その中にはデパート、量販、超大型スーパーマーケットやアミューズメント施設等々、多様な都市機能が集積されています。そして、その基盤となるものがインフラの整備、軌道系交通の整備なのです。仙台空港アクセス鉄道「杜せきのした駅」がいかに重要であるかなのです。

広島市の場合、貨物ヤード跡地に新球場を建設する思いが、初めから秋葉市長の頭の中にあったのであれば、仙台と同じ「ダイヤモンドシティ」が必要とした軌道系交通のJR「天神川駅」を民間デベロッパーであるダイヤモンドシティだけに設置・施行をさせず、新球場とダイヤモンドシティの両方に折り合いのいい場所へ、金銭面を含み、共同で設置するべきであったと思います。

貨物ヤード跡地を、ドーム球場建設、それが不可能なら市民球場移転を計画して、国鉄清算事業団から買い取った時の計画では、軌道系の「JR新駅」を造り、利便性を図る、それがインフラ整備の目玉であったはずです。

しかし、残念ながら、今の広島市には、新球場を造るだけが至上命令であり、ほかには何もないのが現状なのです。これでは、「札幌、仙台、広島、福岡」と行政がよく使われる類似の政令指定都市の中でも、他都市との「格差」が際立つだけでなく、世間からも、将来ビジョンのない都市「広島」として評価されているのではないでしょうか。

「格差」は人だけでなく、都市にもあり、為政者の力量の差により、如実に生じてくるものなのです。市民の皆さんはどのように思われますか。



(※追伸(日本球界の『広島化』))

12月24日付の『AERA』に興味深い記事が掲載されていましたので、紹介してみたいと思います。それは、「大リーグの攻勢で日本球界『広島化』」と銘打たれたものです。

内容は、人気とカネにものをいわせて主力選手を強奪してきた巨人も及ばない、人材難の大リーグがFA市場に本格参入して、日本球界が草刈り場になることを、主力選手をFAで次々と引き抜かれていった広島を例に、警鐘を鳴らしているものでした。

今の広島市では、「新球場の建設」だけを市長の至上命令として取り組んでいます。こうしたハード部門だけを何とか繕いながら進めている市行政に対して、それと並行して球団経営の在り方、つまり、ソフト面についても、十分検討しなければならないことを指摘してきました。しかし、そうした指摘に対して、市行政は一向に動こうとはしませんでした。

今年は4番の新井が阪神へ、エースの黒田が大リーグへと移ります。つまり、エースと4番が同時に抜けるわけです。こうした広島の状況について、今回の記事の中で、衣笠祥雄氏は「優勝から遠ざかるから主力が抜け、それでまた優勝が遠のく。まさに悪循環。球団として手を打つべき時期だが、容易なことではない」と広島OBとして嘆かれていますし、江本孟紀氏は「日本の野球界は、足元に火がついている極めて深刻な事態です。このままでは球界全体が広島みたいになる。球団経営のあり方を球界全体で見直すことが急務だ」と指摘されているのです。

このように、今、プロ野球界全体として大きな曲がり角に差し掛かっているのです。そうした現状を踏まえますと、ただ単にハードだけ整備すれば、それも決して十分なものではありませんが、それでいいという安易な考えは到底できないと思いますが、皆さん、どのように思われますか。



本年は皆さんには大変お世話になりました。私も市議会議員として7期目を踏み出し、新たな気持ちで、よりよい市政推進のため邁進してまいりました。
 新しい年が皆様にとりましてより良い年になりますよう、心からお祈り申し上げます。