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(NO.214)2007年7月27日

『広大跡地問題について(その2)〜疑惑に満ちた事業予定者選考の経緯〜』

前回のホームページで述べましたように、広大本部跡地(約11.4ha)について、最後まで残されていた約4.7haの未利用地の事業化についての最終的な方向性が示されました。

未利用地の事業化についての最終的な方向性

昭和48年、広島大学の統合移転先が決定し、その統合移転が完了したのが平成7年3月。実に移転決定後34年間、移転完了後12年もの間、民間所有地を含めた約6.9haもの広大な敷地の具体的な利用計画が宙に浮いたままの状態だったのです。

その間、広島大学跡地利用研究協議会が「遊創の杜構想」を平成7年に取りまとめたものの、広島県がんセンターの候補地や県庁建て替え誘致発言など紆余曲折もありました。

その後、平成11年3月には東千田公園が完成し、平成12年7月には広島大学東千田キャンパスが竣工。また、平成17年3月には、取得検討対象外とした約2.2haの敷地について広島市内の不動産会社が70億1千万円(坪単価:約108万円)で落札し、現在高層分譲マンションの建設が行われております。

そして、残された約4.7haの土地についての具体的な利用方法が提示されたのが平成17年2月です。これは、広島6大学の各大学長で構成される広島地域大学長有志懇談会から「世界の知の拠点構想」が市長及び県知事に提案されたものですが、同懇談会からは平成18年3月29日、「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト(仮称)」が提案されています。

続いて同年6月15日には、このプロジェクトを実現させるため、広島市都市活性化局と広島大学により「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト(仮称)」事業予定者選考事務局(以下、事務局)が設置され、10月19日には広島市都市活性化局が事務局となり、事業予定者を選考するための6名で構成する次の選考委員会が設置されています。

●委員長
白  井  克  彦早稲田大学総長
  
●委員
笠  原  壽太郎監査法人トーマツ地区代表兼経営執行社員
戸  井  佳奈子安田女子大学現代ビジネス学部准教授
牟  田  泰 三広島大学長
山  本  忠 財団法人日本不動産研究所理事・研究部長
横  堀  肇前広島大学大学院工学研究科教授

そして、同年10月29日には第1回選考委員会が行われ、事業予定者応募要項を具体的に決定し、次のような要項と選考スケジュールにより事業予定者選考が行われることとなりました。

「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト(仮称)」の計画目標

1.目的

  • 広島地域固有の課題に対応した高度な研究や課題解決のための特色ある研究拠点の形成
  • 豊かな国際性・専門性を持った人材を育成する高度人材育成拠点の形成
  • 広島地域の大学生の多様な教育と交流の機会の提供と、学生の集中による都市の活性化を図る共同教育拠点の形成
  • 広島地域の人々の多様な学習や社会的活動の欲求に応える生涯学習・市民活動拠点の形成
  • 恵まれた立地条件を活かし、多くの人々が訪れたくなる都心の賑わい拠点、地域の活性化拠点の形成【「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト(仮称)」(平成18年3月広島地域大学長有志懇談会)より抜粋】

2.主催者及び事務局

 本募集は、広島市とプロジェクトの提案者の広島地域大学長有志懇談会の代表である広島大学が共同で主催します。
事務局「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト」事業予定者募集・選定事務局
広島市都市活性化局都心活性化推進課内

3.対象地の概要と土地取得額

所在地広島市中区東千田町一丁目1番53号
土地面積46,814.96m2
取得価格70億4千万円(約49.7万円/坪)(参考価格)

4.計画条件

  • 「知の拠点」の核となるゾーンには、国際人材育成センターの機能を導入する計画としてください。国際人材育成センターには、必須施設として国際大学院及び社会人再教育センター(仮称)を導入してください。内容は、地域の特色を生かした高度・専門的な教育研究機能や、多様なニーズに対応した生涯学習機能などを含む複合施設とします。プロジェクトを提案した大学等で構成する大学コンソーシアム(仮称)が借り上げます。
  • 被爆建物である広島大学旧理学部1号館を保存・活用する方法等を併せて提案してください。
  • 「知の拠点」を支えるゾーンとして、「知の拠点」と連携し、その機能を高める施設等を導入する計画としてください。
  • 環境負荷低減に配慮した建築計画とし、周辺地域の景観との調和に配慮した計画としてください。

5.応募スケジュール

(1)応募要項の配布期間11月 2日〜11月15日
(2)応募登録申請期間11月 2日〜11月20日
(3)質疑受付期間11月 2日〜11月20日
(4)質疑回答12月 4日頃
(5)事業提案提出期限1月19日
(6)事業予定者の審査・選定2月〜3月

6.事業予定者の選考・決定

 選考委員会において、応募書類に関する総合的な評価を行い、事業予定者及び次点の者を選考します。
 主催者は、選考委員会の報告を踏まえて事業予定者及び次点の者を決定します。事業予定者と主催者は、提案された事業計画に基づき確実に本事業が実施されるよう協定を締結します。事業予定者は、独立行政法人国立大学財務・経営センターと優先交渉し、平成20年3月31日までに土地等を取得してください。

そして、平成19年4月20日に事業者予定者決定のための最終選考委員会が開かれ、アーバンコーポレイションをはじめとする事業グループが事業予定者として、また次点には章栄不動産をはじめとする事業グループが決定しています。

ただ、この選考過程には、事務局、委員会で公平さを欠く選考が行われたとの声もあり、私のところにも具体的な経緯を綴った投書が来ております。その紹介は次回以降に譲ることにしますが、公金をつぎ込む貨物ヤード跡地の新球場建設と違い、資金・運営について、すべて民間事業者で行われることになることから生じた密室の議論であったようです。新球場建設問題と同様、またしても秋葉市長を中心とした市民不在の不可解な選考過程であったものと危惧しています。

これから、少しずつ、その危惧するところを具体的に論じさせていただきますが、今回は、土地取引と選考過程に係る疑問について述べてみます。

(1)

まず、この度の選考に先立って、2.2haの土地を民間事業者に売却しておりますが、この時は一般競争入札方式で9社が参加し、広島市内の不動産業者が70億1千万円(坪単価:約108万円)で落札しています。

一方、この度の選考に当たっては、応募要項では参考価格とされてはいますが、4.7haの土地に対して、価格が70億4千万円(約49.7万円)と示されています。

確かに、今回の応募の要項には、被爆建物である旧理学部1号館の保存活用や、国際人材育成センターの建設など様々な条件が付されていますが、そうした条件があるとしても、一般的な取引相場の半額以下で提供する意味があったのでしょうか

また、民間デベロッパーに対し、国有財産、市民共通の財産を不当に安価な価格で提供することになっていないでしょうか。市民に対しては、高層マンションの価格が市価より優遇された価格であるとの保障はないのです。「利」するのは、デベロッパーだけではないでしょうか。

跡地は「公」の財産です。市民に分かりやすい方法で還元できる図式にしてほしいものですし、市民にどのような利益があるのかを分かりやすく説明してほしいものです。

 

(2)

次に、選考委員会の人選ですが、組織としては広島市都市活性化局の人選になり、これは言うまでもなく市長の人選のはずです。その人選により選考委員会が設置され、実質的に事業予定者の決定はこの有識者6名で構成される選考委員会にて選定されているのです。

これは、市議会には議案としては提出する必要のない市長の専権事項ですが、それにしても、選考委員の中に入るべきでない方がいらっしゃいました。それは、トーマツ監査法人の笠原氏という人物が選考委員の一人として名を連ねているのですが、同氏は秋葉市長と非常に懇意にしている人物であり、広島市の外部監査等を引き受けている方です。さらに、この度事業予定者として決定したアーバンコーポレイションの監査法人として同社が上場する以前から10数年間の取引先でもあります。

公平な選考を行う意味でも、事業予定候補者の中のある特定1社に利害関係が深い人物が選考委員を務めることは常識的に見てもおかしく、同氏も辞退をするべきであったのではないかと思います

また、一説には、同氏の選考委員参加を言い出したのは秋葉市長で、秋葉市長から選考委員への参加を打診された笠原氏は、「アーバンも事業提案するので、私が入っていてはおかしい」と辞退を申し出られたようですが、秋葉市長が「問題ないので」と強く就任を希望されたため、引き受けざるを得なかったという話になっているようです。

さらに、同氏をはじめ選考委員6人のうち、広島大学長である牟田氏を除いた5名全てを選考した経緯と根拠が不明確であり、秋葉市長と山田副市長、都市活性化局の意向を汲んだ、ご都合主義の人選ではないかとも考えられます。

 

(3)

さらに、この度のプロポーザルについて秋葉市長と関係の深い2名が関っていたようです。一人は、ご存知アストラムラインの中村良三氏です。彼は、この度の選考委員会発足以前から、秋葉市長の意向である専門学校をこの度の広大跡地に誘致する案を取り上げてくれそうな企業を回っていたようです。今年の1月ごろには、周囲の人に「なかなか思うように専門学校が集まらない」と、さも関係者のごとく愚痴を漏らしていたのではないでしょうか。

もう一人の秋葉市長の関係者というのは、広島大学の元学長で、現在は広島市病院事業局長をされている原田康夫氏です。現在の牟田泰三学長に代わるまで、平成13年まで第9代広島大学学長を務め、その後秋葉市長の口添えで広島市職員として現在の要職に就かれています。彼は、独自に寄付金を15億円集め、「この度の事業予定者がアーバンに決定したときのみ寄付をする」と語られていたようです。本当に広島市のことを思っているのであれば、どのグループが事業予定者に決定しても寄付をするというのが本来の寄付行為のはずですが、この発言が本当であれば、あくまでアーバンの事業提案を後押しするような活動ではないでしょうか。

 

手続き上は何の疑惑もなくコンペが成立しているような錯覚を覚えますが、選考委員会の発足経緯、秋葉市長と親しい2名の不可解な行動。全ては結果ありきの行政主導のプロポーザルであったことが推測され、秋葉市長が広島市長という役職を乱用した官製談合の疑惑も見え隠れします。果たして公明正大な選考を経た事業者決定が成されたのか、皆様はどうお考えですか。