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(No.197) 平成18年12月26日

『市長の退職金について』

秋葉市長は、12月市議会定例会に提案された第140号議案「特別職の職員の給与に関する条例の一部改正について」を撤回されました。理由は「市長・助役及び収入役の退職手当について、算定の基礎となる勤務日数の計算方法の見直しだけでなく、算出の方法を含めて、再度検討することとしたため」とのことです。

本会議で市長は、以上のような理由を述べた後、「このことは結果として、特別職の退職手当の計算方法について、広範な検討がされていなかったものであり、お詫びいたします」と発言されています。

しかし、平成15年9月定例会では次のようなやりとりがありました。公明党の西田議員の一般質問です。

   自治体首長の退職手当は一期ごとに支給されており、この制度そのものが特権的で市民感情からして不合理な感を受けるのではないでしょうか。
   「特別職の職員の給与に関する条例」の第4条の3第1項によりますと、「職員の退職手当に関する条例」の第3条1項の規定を準用して計算した額、4年間在任で、約533万円にプラスして、退職の日における給料月額に係数0.6を乗じて得た金額、約3,842万円を合計した額、4,375万円となっております。
   大阪府高石市の阪口市長は、財政難を理由に退職手当凍結を公約に挙げ初当選、新潟県や愛媛県では知事の退職手当を引き下げる条例改正がなされており、岡山県では、今9月議会で同様の条例改正が提案されています。

この質問に対して、当時の三宅企画総務局長(現助役)は次のように答弁しています。

   市長の退職手当の支給水準については、他の政令市市長との均衡を考慮して定めており、本市の支給額は、政令市の中では中位の水準にあると認識しています。
   特別職報酬等審議会での検討、議論すべきとの御意見につきましては、退職手当は対象となっていませんが、どのような方法で行うのが適切か、御提案も含め今後の対応の中で検討していきたいと存じます。

西田議員の再質問に対する秋葉市長の答弁は次のとおりです。

   財政厳しい折から、市長の給料の一部をカットしてまいりました。今度は退職金というお話ですが、額の多さ、少なさを判断するにはいろいろな基準があると思います。ほかの、例えば他の同様の例と比較するということもありますし、仕事に応じて、それが多いか少ないかという判断の仕方もあると思います。退職金、これが交付されるまでには、あと3年以上ございますので、その際に、現在の額では少なすぎるから、もっと増やしてはどうかと言われるぐらいに、立派な市長としての仕事をした上で、財政的にも立て直しを行い、そういう状態になるために努力をしたいと考えております。

市長の退職金問題に関して感想的な言葉だけの答弁ですが、皆さんはどのように感じられますか。市民や議会を軽視し、かつ自己の金銭に対する欲の深さを如実に現している発言ではないでしょうか。自己顕示欲の深さと自己過信の大きさの表れであり、日常的によく発言される「市民のため」ではなく「自分のため」という市長の本心が単純明快に表現されたものだと思います。

平成15年の12月定例会では、同じ公明党の星谷議員が再質問で次のように述べられています。

   4,300万幾らが少ないといわれるほど仕事をしたいと思いますと。退職金は額じゃなくて仕事の量なんですと。ああ、納得した、私も納得した、こんな答弁もあるのかと納得しました。その翌月、財政非常事態宣言。これをされました。非常事態宣言後も、4年後に4千数百万もらっているのは市長だけですよ。私はね、この点がどうも納得いかないんです。

この質問に対する秋葉市長の答弁です。

    退職金についての御質問ですが、退職金の額が幾らであろうとも、それは十分その退職金に値する仕事をしたという評価をいただきたい。その決意でこれからも努力をしていきたいというふうに考えております。
   ただし、経済的な状況もございますし、これまでの歴代の市長に関して、退職金についてどのような議論があったのか、そういったことも精査した上で、改めて考えてみたいと思っております。

星谷議員への答弁も、退職金の減額に対する金銭欲の深さを感じるものです。星谷議員の質問の時点は、広島市が財政非常事態宣言を発令し、それに合わせて一般職員の給与カットを発表した時であり、本人もそういった状況を認識しながらも、退職金問題だけは誰にも触れさせないとの意思が見え見えではないでしょうか。

次の星谷議員の再々質問が全てを物語っています。

   公務員の皆さんはいいですよ、何十年勤められて、その結果の退職金ですよ。4年ですよ、4年。私はどうも納得いかない。4年で1千万ならまあまあ何とか、4千数百万ですよ。もうね、私はどうもこの一点が信じられない。

星谷議員の市民感覚、金銭感覚が正常であると思われますが、市民の皆さんはいかがお感じでしょうか。このような経緯のあった退職金問題ですが、12月議会に提案された改正案は「改正」という名称にごまかされた内容であり、市民感情を逆なでするものでした。

今回の市の改正案は、月途中の就任を根拠に49ヶ月となっている延べ在籍月数を実質月計算の48ヶ月に引き下げ、78万6千円を減額するだけの内容だったのです。そのため、広島市の改正案での市長退職金は4,296万8千円とほとんど変わらず、社会常識からすると、月数をダブらせた従前の算定方法を是正しただけの、市長側近の公務員の常識を疑うものでした。

私たち議会が指摘したことは、4年間の在職年数も乗じる算定式になっていたことです。市民は一期4年はセットとして考えているわけであり、4年を乗じるという算定式そのものが常識外のことだったのです。

市議会が修正しようとした案は、「131万円×48(月数)×0.6(係数)=3,772万円8,000円」で、当初の市長の退職金との差額は602万6千円となるのです。約602万円の減額は社会常識の範囲の計算式に直せばのことであり、市長の意思としての退職金の減額ではないのです。

今回、議会の修正案が可決される見込みとなったことにより、市長は議案の撤回を申し出たのですが、何故、市長は自信を持って提案された議案を撤回されたのか、理解に苦しむものです。市長の各議案の理解度のなさの証明であり、行政は市長自身の金銭感覚への配慮で、議会がこの議案の欠点に気が付かなければ幸甚と思われたのではないでしょうか。

いずれにしても、年明けの予算議会への再提案のはずであり、市長の退職金の減額だけは明確になっているのですが、市長の平成15年9月の西田議員、12月の星谷議員への答弁からしますと、ご自分の退職金が少しでも減額になれば、4年間の「仕事宣言」に対する減点を自ら認めざるを得ない結果となるのでしょう。

他人には厳しく、ご自身には甘い評価が、初めてこの減額でご自身の仕事をマイナスに評価されることになるのではないでしょうか。4年間の秋葉市長の仕事ぶりが自身の判断で減点されたことは三選を目指す市長にとっては大きな痛手になると思います。

(※参考:「秋葉市政における否決・修正可決等の議案一覧」)秋葉市政における否決・修正可決等の議案一覧

クリックすると別ウインドウでpdfにてご覧になれます。

(※追伸(拉致問題への対応))

日本国には「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」があります。

目的
第1条    この法律は、2005年12月16日の国際連合総会において採択され北朝鮮の人権状況に関する決議を踏まえ、我が国の喫緊の国民的な課題である拉致問題の解決をはじめとする北朝鮮当局による人権侵害問題への対処が国際社会を挙げて取り組むべき課題であることにかんがみ、北朝鮮当局による人権侵害問題に関する国民の認識を深めるとともに、国際社会と連携しつつ北朝鮮当局による人権侵害問題の実態を解明し、及びその抑止を図ることを目的とする。
第2条は「国の責務」、第3条は「地方公共団体の責務」
  地方公共団体は、国と連携を図りつつ、拉致問題その他。
第4条は「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」
     国民の間に広く拉致問題についての関心と認識を深めるため、北朝鮮人権侵害問題啓発週間を設ける。
 
(2) 北朝鮮人権侵害問題啓発週間は12月10日から同月16日までとする
(3) 国及び地方公共団体は、北朝鮮人権侵害問題啓発週間の趣旨にふさわしい事業が実施されるよう努めるものとする。
以下、第7条までの法律です。

平成18年10月19日には、内閣官房拉致問題対策本部から各都道府県、政令指定都市拉致問題担当部局長宛に「北朝鮮人権侵害問題啓発週間における地方公共団体の拉致問題に関する対応について」という指示と協力・支援の指針を送付されています。 具体的には、(1)「啓発事業の例示」(2)「拉致問題関連民間団体への支援の要請」であり、参考として、(1)内閣官房の対応、(2)関係省庁の対応、の例示があります。

私が申し上げたいのは、広島市役所はこの拉致問題に対する啓発週間に何をしたかということです。このような法律が制定されているのに広島市には担当窓口がないのです。主管局さえ定めていません。

秋葉市長は市民に向けては、平和や人権とかの言葉はよく発せられますが、ご自身の意識の中には拉致も人権も平和も身体に実感としては何もお持ちではないのではないでしょうか。日本国の国民として、悲しく、情けないものです。

広島市役所には主管局もなく、人権との名目だけで、とりあえず窓口として、市民局人権啓発部が啓発期間中(12月10日〜16日)に本庁と区役所に政府作成の啓発ポスターを掲示しただけでした。他に一部の公民館だより(例:白木公民館だより12月号)に『北朝鮮人権侵害問題週間』を知らせる情報を掲示しただけです。

世界平和を希求する『ヒロシマ』として、安心と安全を標榜している『広島行政』として、誠に悲しく情けない状態ではないでしょうか。市長は人権、拉致問題にもっともっと真剣に取り組んでほしいものです。

その第一歩は、拉致問題の窓口となる担当局、部、課の設置を望むものです。国は法律として地方公共団体の活動を義務付けてしているはずです。市民の皆さんはいかがお感じですか。


(※12月27日追加(リーダー不在))
   少し古い中国新聞の記事ですが、時宜を得た記事なので、平成18年12月18日の『天風録』を読まれなかった人のために紹介させていただきます。広島出身の実業家で政治家であった永野譲氏(広島県知事 永野巌雄氏の実父)が敗戦1ヶ月後の1945年9月に広島市で講演した内容です。
   「大人物」とは戦略を持ち、民衆に方向を示し、自ら果敢に先頭に立つリーダーといえよう。そこには意気に感じて、能力を発揮する人が集まり物事が成っていく。そんなリーダーが現れず、誤った現状がずるずると追認され、破綻したのがかつての日本だった。

「日本」を「広島市」と置き換えれば広島市の現状を示唆しているのではないでしょうか。

   永野が「人物飢饉」とまで言ったリーダーシップの不在。それが今の広島市に重なるのが情けない。県は藤田雄山知事がもはや死に体状態だ。

これは、12月18日の県議会本会議で知事の辞職勧告決議案が賛成多数で決議された日の中国新聞の天風録ですが、最後に次のように締めくくられています。

   片や広島市、世界への平和発信の基盤づくりや将来像についての思い、そして実行への気迫が伝わってこない。職員から「先送りの市長」との声が漏れるようで士気が高まるだろうか。
   分権や道州制をにらんで必死で生き残りを考えなければならない時代。しかし広島を覆うのはリーダーシップ不在による閉塞感だ。このままでは「地域の敗戦」につながるぞ、という永野の声が泉下から聞こえるようだ。

まさに今の「広島」を言葉であらわせばこの通りだと感じます。私のホームページでも紹介した竹下虎之助元広島県知事の県政回顧録では、広島県と広島市が共同歩調がとれて、すべての面で発展・躍進できた時代が永野巌雄県知事と山田節夫市長の時代であったはずです。県・市の歯車の噛み合わない時代を一日も早く卒業し、躍進と発展の時代に移行する時が統一地方選挙が挙行される平成19年ではないでしょうか。

知事も市長も一期生で仲良く広島県・広島市の将来が語り合える環境になることを心から望むものです。市民のみなさんはいかがお感じですか。