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(No.196) 平成18年12月8日

『新球場建設について(Part5)』

12月3日(日)に広島市民球場で第4回広島県親善小学生ソフトボール大会が開催されました。大会要綱には「6年生の最後に憧れの広島市民球場で思い切りプレーし、他地区との交流を図ること」とありますが、毎年感じることは、市民球場のグランドでプレーできる子どもたちの輝きがいつもと違うことです。市民球場でソフトボールができることの心からの喜びが、身体じゅうから滲み出ているからではないでしょうか。

ソフトボール大会1

その純粋な喜びを、一方的に行政や政治、経済の効率性だけで奪い取るような新球場移転計画が進展しています。少し厳しい言い方ですが、これは「広島東洋カープが使用するため」という議論しかないためではないでしょうか。行政や政治、経済界は、まず市民のために何をすべきかを考えるべきであり、広島東洋カープのために何をすべきかは二次的な要素だと思います。

平成17年度の広島市民球場の使用日数の内訳は、一般使用が79日で学生使用が45日の合計124日です。市民、県民は、安い使用料金でお互いのコミュニケーションとスポーツ振興が深められ、また、子どもたちは未来へ向けて大きな夢が実現することを願って、その第一歩を踏み出すのが広島市民球場のグランド上にあるのではないでしょうか。因みに広島東洋カープの使用日数はわずか77日です。

新しく建設する市民球場は、わずか77日の広島東洋カープのためだけでなく、広く市民・県民のスポーツ振興や交流のため、あるいは青少年健全育成のために必要なことを議論すべきであり、基本はそのために使用される現在の124日を増やすことにあるのではないでしょうか。

県も県民のための大義がなければ、補助金・助成金として予算計上することもできず、経済界も広島東洋カープのためだけで多額の寄付金を出すことはできかねると思います。広島商工会議所の宇田会頭は、「財界はアジア競技大会時の財政支援をベースに」と発言されていましたが、広島アジア競技大会もアジア各国の相互理解と親睦と地元広島地域の振興のためにと、財界にお願いし、その結果、多くの寄付金が集まったわけです。

広島市も広島県も国も財界も、新しい市民球場を90億円で建設するという大義は何なのか、もう一度考え直してみるべきではないでしょうか。

現市民球場は、当時の東洋工業且ミ主の松田恒次社長の熱い思いで出来たことは誰しも認めるものですが、現在、議論されている新球場は市民のお金(税)でほとんどを賄う計画です。広島東洋カープのための新球場ではないはずです。市民、県民、特に青少年のためという「大義」が、まず正面に出てきて初めて市民のお金が使えるのではないでしょうか。

そもそも新球場を貨物ヤード跡地へという議論のもとは民設民営であったはずです。そのことは、広島市の都市活性化に繋がる一番の施策であったはずです。そのため広島市は土地の借地料でもよく、カープ専用の球場であっても何も不思議ではなかったのです。

しかし、今回の新球場建設は公金出費、つまり税金を使用してつくる市民球場です。民設民営とは根本的に違うわけであり、このことを踏まえた理論が求められるのは必然です。建設することの議論ばかりで、使用目的・使用形態は後回しというのではとても行政の仕事とは言えません。

財界も、アジア競技大会の寄付目的と照らし合わせて、カープありきの議論だけでは寄付するための本当の理由にはならないことはお分かりだと思います。広島県も、広島市域外の人々の使用機会がどれだけあるのかという議論がない限り、他の市町村との整合性や施策の重要性の兼ね合いが崩れるのではないでしょうか。

第4回広島県親善少年ソフトボール大会の様子をもう一度見ていただき、何故、市民の親善の場であり、最も重要なコミュニケーションの場のはずなのに、青少年健全育成やスポーツ振興の議論が忘れられているのか、ということを考えていただきたいと思います。

ソフトボール大会2

この大会が開催された4年の間には、大雨が降り、グランドの水を広島東洋カープのグランドキーパーの人たちが大変な努力で作業され、開会時間が遅れながらも無事に開催できたこともありました。子どもたちにとって、憧れの選手たちがプレーしているのと同じグランドで一日プレー出来ることの喜び、プロとアマ、プロと青少年の関わりを大切に、市民、県民の喜ばれる球場ができるよう、もう一度見直さなければならないのではないでしょうか。考え方を原点に返す勇気を望むものです。


(※12月18日追加1(現市民球場の発祥))

12月6日の中国新聞に講談社出版部長上田哲之さん(広島県府中市出身。スポーツジャーナリストの二宮清純さんや、元選手で野球解説者の川口和久さんと交友あり)の対談記事がありました。その結びの項で次のようなことを述べられています。

「広島の新球場は、やはり今の場所に建ててほしい。原爆ドーム、原爆慰霊碑、宮島の厳島神社を結ぶ線は広島の「聖なる線」。その延長線上に球場がある意味は大きいと思うんですが…」

皆さんは、広島市民球場が何故現在の地にあるのか、考えられたことはありますか? 広島市の戦後復興の歴史を考え、永遠の平和を希求する「ヒロシマ」の心を想い、この地を次世代に継ぐ聖地にしようとしたからではないでしょうか。

また、現球場は広島護国神社があった場所だということも覚えておいてほしいのです。現球場は、当時、建設された先人の皆さんの戦後復興にかける並々ならぬ熱意と努力の積み重ねだったのです。スポーツで市民に平和の喜びの灯をともし続ける証しであることを広島市民は絶対に忘れないでほしいのです。



(※12月18日追加2(人材の育成・活用))

南々社発行の書籍「『中国電力陸上部』は、なぜ強くなったのか」(高橋敏行/中国電力エネルギアマネージメントスクールの共著)に、広島県スポーツ協会会長(中国電力相談役)多田公熙氏が創部にあたって指示されたことが書いてあります。

<「会社の考え」の項>

「創部に当たって、多田が出した指示は二つあった。まず、素人集団では強いチームはつくれないから専門的な指導者を招聘すること。もう一つは、契約選手を入れないということだった。多田の出した指示は短く明確であった。あとは口を挟まず「困ったことがあったら言ってほしい。対応は考える」というものだった。

多田が当時考えたことで、唯一誤算があったとすれば、中国電力陸上部が強くなりすぎたことであろう。「日本一になるのはおろか、まさかオリンピック選手が出るとは夢にも思わなかった」という。

多田公熙氏が言われたことは、今の広島市役所の組織の活性化に当てはまるのではないでしょうか。専門的な指導者の招聘は広島市行政にも必要です。指導者や教育者のいない組織は崩壊、壊滅するはずです。

秋葉市政の2期8年間は行政のプロフェッショナルやシンクタンクになり得る人材の投入はなかったのです。国から一流の人材の派遣はなく、中央官庁という政策立案のためのシンクタンクの活用もできていないのが現状ではないでしょぅか。

現在、都市間の大きな格差が生じつつありますが、広島市と他の政令市との間には、全ての面で格差が拡大する傾向にあります。これを物語っているのが近隣市町村との協調・融和政策の欠如であり、広島広域都市圏が構成できない状態になっていることが大きな心配の種なのです。

もう一つ、「契約選手を入れない」という発想については、「選手を特別扱いせず仕事もこなす正社員として採用する」ということのようですが、秋葉市政においては、責任転嫁のため116もの委員会や審議会を立ち上げ、委員の総数は1300人以上にもなっているのです。

2期8年の間には、秋葉市長の学友や友人たちの顧問招聘があり(議会で選任同意案を否決されたものもあります)、特別職として優遇採用した変則的な人事もあります。これらは、職員の区別、差別の発生の源ともなっており、職員の無気力さに繋がっているのではないでしょうか。

例えば、責任感の強い有能な職員が一生懸命仕事をしたにも関わらず、何かの手違いで責任を取らされることになり、これを見ていた周辺の者には、仕事を先延ばしにしようという無責任さが蔓延しているのです。そして、どうしても結論を出さなければならない立場に居合わせた人が不幸になる、という構図を作り上げてきたのではないでしょうか。

責任者、権力者に対して、「困ったことがあったら言ってほしい。対応は考える」といったことを職員は求めているのではないでしょうか。それができるような責任者が広島市役者に存在すれば、広島市職員は市民に愛される有能な人材がそろっているはずです。活力ある広島を創るためにも人材の育成、活用を心がけてほしいものです。


(※12月18日追加3(政党本位の選挙))

平成18年12月12日の中国新聞に、鳥取県片山知事が県議会一般質問で答弁されたことが載っています。私たち広島市も平成19年4月8日が投票日になるであろう統一地方選挙にも当てはまる記事ですので紹介します。見出しは「首長選も政党本位に」で、内容は、福島県、和歌山県、宮崎県で続いている首長の不祥事に関する選挙のあり方の問題です。

「政党が必要な資金を集めて(首長の)選挙をすれば、選挙をめぐる不明解な関係はなくなると思う」と述べ、首長選も政党本位になっていくとの考えを示した。

「不明解な支援を受け、後々見返りを求められることが一連の不祥事に繋がっており、たださないといけない」と主張。

「都道府県レベルの自治体の選挙は、それなりの資金が必要になっている。今の政治資金規正法は政党本位。法が政党本位なら、選挙形態も政治本位に変わらざるを得ない」と述べた。

これは、政令指定都市の首長選挙も県と同じように政党本位の選挙を行うことが最良の策であるとの示唆ではないでしょうか。政党政治の基本である住民本位、選挙民本位の政治・行政に移行しやすく、地方分権を加速させる大きな要因になると思います。

政策に対し保障と責任が持てる選挙を行うことが、現在の広島県民・市民の政治と選挙に対する暗く汚い雰囲気を払拭するひとつの手段ではないでしょうか。欧米並みの政党本位の民主的な選挙制度と選挙体制に一日も早く移行できることを望むものです。