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(No192) 平成18年10月31日

『新球場建設について(Part2)』

「ひろしま市民と市政」10月15日号に「鯉心が躍る新球場…」のタイトルで、2009年春オープンに向け新球場の設計案が決まったことや、新球場の完成イメージ図が掲載されています。10月19日に開催された市議会都市活性化対策特別委員会では、この新球場についての数多くの問題点が指摘されましたが、ここでは、私なりに新球場建設費90億円についての分析結果を述べたいと思います。

まずは、『広島市新球場設計提案競技当選作品』のパースを掲げます。このうち、図面の下半分の切り取った部分のみが、新球場建設の90億円分の範囲です。


次は、当選作品のヤード跡地全体の利用計画図です。今回、提案された90億円分の新球場用地は、やはり図面の下半分の切り取った部分のみです。

市民の皆さんは発表された新球場の完成イメージ全てが90億円で完成すると信じておられるのではないでしょうか。実際は90億円では図面で示した部分しか建設できず、残りの全施設と貨物ヤード跡地の土地については何らかの資金計画が必要なわけです。

球場本体以外の施設については、これから事業性等を検討の上、細かな積算作業が行われるものであり、また、球場建設に必要な土地については、これから広島市が広島市土地開発会社から買い取らなくてはならないものです。その土地代だけでも総額は金利分を含め120億円を超えるはずです。

濱本都市活性化局長は、公明党の渡辺委員の質問に対し、「理想的には2009年春の球場オープンまでに球場本体はもちろんですが、その周辺施設も含めて整備できる。これが理想でございます」「今回の設計競技では周辺施設のいわゆる集客施設については、あくまでも整備イメージを出してくださいということで、例えば事業の実施主体であるとかその整備手法であるとか、あるいはその後の運営主体であるとか、そういったところまで、この短期間の中で十分詰めて提案していただくということは、これは最初から無理なことでしたので、そこまでは求めてはおりませんでした」と答弁されています。

最初から無理なこととわかっているものを急いで提案させ、何が何でも市長の発言どおりの図式で無理やり新球場建設のコンペを実施させなければならないというのは、市民不在の形で公金の無駄づかいをしていることにならないでしょうか。市民の夢を実現させるためには時間をかけ、コンペの応募から選考に至る条件一つひとつを初めから明確に提示したコンペをやるべきであり、2009年春のオープンだけに固執する必要性がどこにあるのでしょうか。

例えば、観客席のイスも以前、市が提示したものから小さくなり、スコアボードの大型マルチビジョンも市民の思い描いているようなものではなく、小さなものになっているのではないでしょうか。

そのうえ、今回の当選作品のイメージ図は90億円に算入されていない部分が美しく描かれており、一般市民にはこのようなことは事業着手をする時点までわかるはずがないので知らせる必要はなく、そのうえ担当職員にとっては、市長発言の90億円以内で事業化すべきとの大きなトラウマにかかり、本体工事以外の内訳は工事着手のメドが立つまでは市民には「絶対に知らせるな」との命令が下っているのではないでしょうか。

先ほどのパースをもう一度見てください。
   濱本局長は、「今回の提案をしていただいて採用となった案は、駅の方から入ってくる部分と球場ができた後の東側部分の駐車スペース、それから駅前大洲線に隣接したところの集客施設、大きくは三つの部分に分けて提案がございました。実際にそれをどういうふうに誰が整備していくのか、あるいは土地は取得なのか、借りるのかといったことについては、具体的に決まったものはございません」との答弁です。

うがった見方をすれば、この当選作品は今回のコンペを開催する以前からあった案ではないですか。あまりにも不可解な答弁が多すぎますし、公金で施行する公共事業にしてはあまりにも不透明な部分が多すぎませんか。

濱本局長は最後に「2009年までに全てをやるというのは、実際にはそういう状況でありますし、難しいだろうと思っております」と答弁されています。インフラが未整備の貨物ヤード跡地に観客は高額の観戦代金を支払ってどのような交通手段で広島東洋カープの応援に行くのですか。

行政のやるべき仕事は球場を造ることはもちろん、そこに行く市民が安心、安全にそして楽しく観戦できるインフラを整備することであり、どんなに立派な球場が出来あがろうと、インフラ整備のない施設は迷惑施設になりかねないのではないでしょうか。

また、宮本副委員長は「ちょっと、話がちぐはぐになっているよ。というのは、この球場を造るのに90億でしょう。このスロープがなかったら、球場の機能は成り立たんのじゃないの」と質問され、藤本新球場担当部長は「すみません。説明が悪かったです。スロープも含めて、――アプローチの進路、周辺の道路といいましたけども、――グランドスロープというデッキがございますね。球場敷地外の。それも含めて、公共で整備すると、その整備費がヤード周辺の道路・道路整備として31億円今予定していると。それから、水道等の負担金で5億予定している。90億円以外に、36億の整備費を予定しておる。という分の中で、当然、今のグランドスロープというところも整備していくということでございます」との答弁です。

宮本副委員長は「最初の時に31億かかりますよというのは、前から聞いております。それは聞いているんですが、今度のスロープつくって、31億で、また上がる。そこらが私信じられん」と指摘されています。

このことは今回のコンペの当選作で初めて提案されたはずのグランドスロープの予算が、当初から説明されている31億円のインフラ整備費の中に入っていることが「信じられない」のであって、このグランドスロープが当初からわかっているとすれば、今回のコンペは最初からこの当選作品ありきのコンペであったのではないでしょうか。

また今回の当選作品は強引に89億1千万円として帳尻をあわせていますが、以前から市民の皆さんに個々に説明していた観戦用のイスのサイズも小さくグレードを下げていますし、大型のスクリーンが付いていたはずのスコアボードも縮小していますし、市民の夢の実現のために市長が初めに説明した「世界に誇れる施設」からは段々と遠のいています。


新球場本体工事だけの建築費(89億1,000万円の内訳)
設計監理費(消費税込み) 315,000千円
直接工事費 8,185,700千円
工事費に計する消費税 409,300千円
8,910,000千円

設備費も含めて約82億円での新球場建設工事費です。この金額で本当に市長発言の世界に誇れる新球場が造れますか。現球場の改修も含め現球場跡地では球場建設が出来ないとの発言と、貨物ヤード跡地での建設は建設費が安く済むとの発言で貨物跡地に強引に舵を切らせる発言をされた広島市の経済人は、どのような責任を取られるのでしょうか。

約90億円+36億円(インフラ整備費)+120億円(今回の当選作品に必要な土地代)=246億円です。現在の広島市が必要とする新球場を建設するために必要となる総予算は246億円であり、これに当選作品の提案施設の負担金を加え、さらに付帯施設への協力資金も必要になれば300億円は優に超えるのではないでしょうか。これだけの経費が必要になる事業を2009年春までにどうしても完成させなければならない理由はないはずです。市民にわかりやすく説明できる事業にするため、もう一度考え直すべきです。

仙台の宮城県営グランドは室内練習場まで含めて、2年間のシーズンオフを利用して70億円で改修され立派に楽天ファンが集まっています。札幌でも同様に地方の活力がみなぎっています。お金に頼らず、知恵を使うことにより、広島市の限りない活力が生まれるのではないでしょうか。
   市民の皆さんはいかがお感じですか。




(※11月4日追加1(市長の海外出張)

平成18年11月7日には市議会臨時会が開会され、平成17年度歳入歳出決算特別委員会を設置し、本格的な決算審査の第一歩が踏み出されます。

私が議員になり始めの頃は、「決算は予算を使った後だから適当に議論しておけばいいんだよ」と当時の先輩議員から言われたことを今でも覚えています。

しかし、市議会の体質も大きく変化し、当然のことながら市民の目線も感覚も今日では厳しくなり、私たち市議会議員は公金の使い方、例えば、無駄使いはないか、有効に公金を使っているか、この事業が本当に市民のためになっているのか等々真剣に議論に取り組んでいるのが現状です。国会でも地方議会でも、予算特別委員会と決算特別委員会は別格の委員会で、最も重要な委員会のはずです。

こうした中、秋葉市長はこれまでにも、議会の開会直前、直後によく海外出張をされており、9月市議会開会直前までは北欧(フィンランド、ノルウェー)へ、議会直後の10月には中華人民共和国、重慶市を親善訪問されていますが、今回も臨時会直前、11月1日から5日までカナダ(カルガリー)へ、そして特別委員会開催真っ只中の16日から20日までイタリア(ローマ)へ海外出張の予定となっています。

カナダの旅費は先方が持つということですが、それにしても市財政の厳しい時、その上、全ての施策が八方塞がりの時に何のためにこのように頻繁に海外出張を繰り返さなければならないのでしょうか?

平和活動は将来に向けての秋葉市長個人のための資格と実績づくりですか?

厳しい財政の中での、市長の職責は安全で安心して暮らせる広島市づくりのため、1年365日、1日24時間の緊張の連続のはずです。休養のための海外出張ですか?

個人のためでなく広島市民のために働く市長であってほしいものです。平和であること、核保有国にならないことは私たち広島市民にとっては当たり前のことです。市長の仕事は広島市民のために「何を、いつ、どこに、どのようにするべきなのか」の適切な指示と決断です。

次表は、本年5月から11月までで6度の海外出張の一覧です。

市民の皆さんはどのようにお感じですか。市長の海外出張




(※11月4日追加2(広島ドッグパーク))

広島市湯来町の広島ドッグパークの事件が新聞、テレビ等で全国に発信されました。伝聞ですが、秋葉市長は大変不機嫌で担当職員はずいぶん怒られたようです。湯来のドッグ・パーク事件が、平和都市広島のお粗末な行政対応の実態を世間にさらけ出し、広島市行政に対する悪いイメージが全国へ発信されたことが気に障ったようです。

この事件の何が善で、何が悪なのか、判断は市民の皆さんにお任せすることとして、大阪の市民団体はドッグパークの責任者を告訴しましたが、広島市が何の法的手続きも取らなかったことと、何の行政指導もなされなかったことが事件を大きくしたのです。

ここまで大事件になるには長い時間がかかったはずです。行政の責任ある行動と指導がほしかったわけですが、この事件の顛末としてどのような話が世間に流れているかご存知ですか?

それは、秋葉市長が担当職員に発したとされている「私を落とすつもりですか!」の言葉です。職員は、議会や市民に対しては何も発言されていない三選出馬について、いち早く立候補宣言を聞かせてもらったとのことです。

確かに「私を落とすつもりですか!」の言葉は、気に入らない回答の時に職員は何度か聞かされているようです。この言葉が本当なら、市長は真剣に議会と市民に対して答弁をしてほしいものです。

皆さんはどのようにお感じですか。

 


(※11月7日追加3(人事評価))

広島市職労教宣部発行の「しぶき(11月1日号)」に「なぜ、人事評価の改正? ――職場から疑問の声」の大見出しの記事がありました。その下の小さな見出しには「上からの方針に異を唱えたら評価されないのか」「ますます現場の声が届けにくくなってしまう」「すべての職員が自由に意見が表明できる民主的な職場こそ必要ではないでしょうか」との記述です。

主義主張と思想信条は職労の皆さんとは少し違うかもしれませんが、人間として、市民の一人として、公務員である広島市の職員としての個々の人格を尊重することに関しては同感です。

この『職員人事評価実施要領(案)』には、『第1 評価に当たって注意すべき事項』として、『(1) 評価は、市民のために、市長の市政運営方針を着実に実行する観点から行うこと』となっています。

この文語の中で、「市長の市政運営方針を着実に実行」との件ですが、このことは現場をあずかる職員の考え(現場主義)や職員の意思(公僕としての個人の裁量権)や職員の人格も全て否定した独裁政治か、恐怖政治ではないでしょうか。個々の現場の実態が正確に理解できていない市長が的確な指揮、命令を下す組織にはなっていないと思います。

市民のためにはその状況に合った現場主義が最良の選択ではないでしょうか。そのために日頃から職員教育を行い、事情や現状が正確・適切に判断できる直属の上司がいるはずです。公序良俗に反しないよう、公務員の枠をはみ出さないよう、市民に奉仕することを考えるのが広島市の職員教育ではないでしょうか。

海外出張ばかり重ねられている市長には市民の生活の現場と、職員の日々の苦労が理解できていますか? 不祥事が起こらないようにするのは、日頃からの気配りと市民生活の現場を身体で理解することではないかと思います。

『責任感』の項でも『市長の市政運営方針を正しく理解し、』とあり、この『職員人事評価実施要領(案)』は、「力ずく」でも市長の思いどおりに従わせるとの意思の表示が見られ、この延長線上にあるのは、秋葉市長に完全忠誠を誓わせるための評価作業にしかすぎないのではないでしょうか。

海外出張では世界平和を唱えて歩かれている市長は、その基にある広島市行政での方針は市長への完全服従の独裁市役所に変貌させるつもりでしょうか。市長がよく口にされる「市民による、市民のための、市民の政治」であるはずのものが、「市長による、市長のための、市長の政治」に変身していませんか?

この「しぶき」の最後には、「職員が自由に意見が表明できる民主的な職場こそ必要」とのタイトルで、「広島市の政策立案、決定及び執行過程にあたって、すべての職員が自由に意見を表明できることが大事ではないでしょうか。上から下りてきた仕事を忠実にこなすのではなく、市民の目線で『仕事のあり方』を検証できる民主的な職場こそ必要です」と記述されています。

まさにそのとおりだと思います。開かれた明るい職場で市民が安全に安心して暮らせる広島市づくりをしてほしいものです。
   市民の皆さんはいかがお感じですか。