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(No181) 平成18年8月1日

『新球場設計コンペについて』

「二度あることは三度ある」の諺があります。「三度目の正直」という諺もあります。どちらの諺も直接市民生活に響く政治や行政の現場では有り難くない諺だと思います。

この諺に当てはまるのが、新球場建設のためのコンペです。秋葉市長になって、新球場に関するコンペが今回で三回目です。市民に夢と希望を持たせながら、ズルズルと来年の2月に施行される市長選挙まで引きずるのでしょうか。

この引き伸ばし作戦は、市長と行政の見事な連携プレーだと感心させられます。市長選挙のための公約が、連続二度も新球場建設とは広島市民としては残念でなりません。前回の市長選挙時の公約は『新球場建設とサッカー専用球場建設』であったわけです。

一度目の新球場建設のコンペは、サイモン・プロパティ・グループ(米国)、鹿島建設梶A電通西日本と広島東洋カープとの共同企業体であるエンティアム案を採用され、行政と事業者での最後の詰めの段階で、広島市側の約束条件の変更を理由に事業者側からキャンセルされました。市長は公式の場では裁判も辞さないとの表明もされましたが、最後には行政側に勝ち目はないとの判断で損害賠償を求める訴訟も起こさないという行政の惨敗の結果であったわけです。

この一度目のコンペ方式が広島市にとっては一番有益なものであったはずです。その理由は貨物ヤード跡地全てを使用した民設民営の施設コンペであったからであり、このコンペでは球場施設にもその他の施設にも広島市からの直接出費は「ゼロ」であったはずです。「逃げた魚」ではなく為政者の決断力のなさのために「逃した魚」であり、広島市民にとっては本当に大きな魚を逃したと思います。

二度目のコンペは、まだ市民の皆さんには記憶に新しいところであり、「何で?」「何故?」と多くの疑問の残る手法のコンペでした。今は三度目のコンペを開催していますが、コンペの規模も回を追うごとに小さくなり、何が何でもコンペを開催しなくてはならないとのトラウマに市長も行政も落ち入り、夢も希望もなく、ただコンペをやればいい、そのことが「市長選挙の目玉」になるだけの発想しか残っていないのではないでしょうか。

一回目のコンペ

貨物ヤード跡地全体の民設民営のコンペ

二回目のコンペ

設計者とゼネコンの共同企業体のコンペ

三回目のコンペ

設計者のみのコンペ

出来上がる新球場は同じようなものかもしれませんが、対価に見合う施策しか出来ないのが当たり前で、市長の口癖の『世界に誇れる』ものにはならないと思います。トラブった時には初心に返るか、原点に返って素直に基本からもう一度、見直すべきではないでしょうか。

「建設業界」の7月号に気になる文章がありました。


国土交通省が設けた「発注者責任に関する懇談会」は、調査・設計段階における「設計者への施行者の汗かき(協力)」については、日本土木工業協会も談合、調整行為発生の一因として問題提起している。

設計業務が設計・コンサルタント事務所と契約締結され、その成果物をもとに施行者が選定されるからである。換言すれば、設計段階で施行者が設計協力することは、国交省直轄事業の生産システムから逸脱するルール違反なのである。「設計・コンサルタント業界の技術・知識不足が要因」とする声もあるが、だからといってルール違反が認められるものではない。

これは現在、広島市で行われている新球場設計コンぺにも『汗かき』が発生しているのではないかと言われても過言ではないのではないでしょうか。51社も、設計コンペに応募があったと誇らしく発言されておりますが、このコンペに正面から忠実に条件に適した作品を作るとするとその経費は約300万円はかかるであろうとの話があります。

設計者と限定されれば資本金と成果に対する請負金額の少額さに比べると、コンペ参加者の投資金額は大きすぎるのではないでしょうか。ここで懸念されている『汗かき』の排除を施行者決定の時まで引きずらない配慮が行政にはほしいものです。市民の皆さんはいかがお感じですか。


(※追伸1(第11回広島国際アニメーションフェスティバル))

   2年に1回のアニメーションフェスティバルが8月24日からアステールプラザで開催されるようです。2年に1回の開催となると約20年続いているわけですが、事業存続のために躍起になっているとしか思えない節があります。

目標の入場券販売枚数は1万5千枚ということのようですが、このうち4千枚は市職員の分担のようです。部長級以上は1人6枚以上、課長級は4枚以上というように割り当てがあり、会場に行こうが行くまいが半ば強制的に買わされるのです。

また、開催年には市補助だけで4300万円以上要するという経費的な問題も抱えているようです。補助金カットの対象にすることもできず、財政逼迫の中で支出し続けているわけですが、驚くなかれ、毎年それ以外に特定人物に2000万円もの大金を支出されているのです。

同じような施策『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』を毎年実施している夕張市は本年9月に財政再建団体の指定を申請し、平成19年2月には国の同意を得られるはずです。この夕張市では2006年度事業のうち『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』をはじめ、老人福祉会館整備費等17事業で2〜3億円の予算削減がされるようです。

多くの入場券を強制的に購入させ、特定人物には特別の報酬を与え、そこまでして、この事業を存続しなければならないのでしょうか。文化振興の枠を越えて、原点に立ち返って考えてみるべきではないですか。


(※追伸2(郵便貯金会館と厚生年金会館の存続))
   7月29日の中国新聞に「郵貯ホールを広島県が購入へ」との見出しがありました。文化・芸術向上のため県が買い取る方針を固めたようです。

「郵便貯金会館は県、厚生年金会館は市」という役割分担で進められているようですが、厚生年金会館は売却先を一般競争入札で決定するそうです。竣工当時(昭和60年10月)の価額(土地代40億円、建設費48億円)とは随分異なっているでしょうが、財政逼迫の折、公共(広島市)が民間のマンション建設と競争するのは至難の業です。

文化の殿堂を守ることの必要性は言うまでもありませんが、「市長選を睨んだリップサービスに終わるのでは…」と危惧するのは私だけでしょうか。