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(No.179) 平成18年7月20日

『自治体の財政悪化指標と新球場建設』


   7月5日の日本経済新聞に「『自治体の財政悪化指標』、2002〜2004年度、『隠れ借金』加え試算」という記事がありました。

   内容は、総務省が自治体の財政健全度の指標として新たに採用する「実質公債費比率」の試算値について、各自治体の収入に対する借金の負担割合を示したもので、財政力の格差が鮮明になり、抜本的な財政改革を迫られる自治体が増えるはず、とのコメントが付けられていました。

   この「実質公債費比率」は、地方税収や交付税などの収入を分母に、借金の元利返済額を分子として算出するもので、その分子の借金には、隠れ借金ともされる各自治体傘下の公営企業の借金も加える、とのことです。

   総務省はこの4月から地方債の起債を原則自由にしているのですが、2003−2005年度の同比率が18%以上の自治体は「財政状況が悪い」と見なし、起債するにはこれまで通り国の許可が必要となるとのことです。

   政令市における財政悪化指標の最高は、オリンピック候補地に名乗りを挙げている福岡市の22.8%で地下鉄や下水道事業などの負債が膨らんだためとみられています。阪神大震災の復興事業で財政負担がかさんだ神戸市は22%、第3位が広島市の20.8%です

   広島市の施策として特に注目する投資もないのに、これだけの財政悪化を改善出来ないのでいるのは、為政者が無策であるとしか言いようのないものです。「実質公債費比率」のいい都市はさいたま市と北九州市の11.2%です。

   丁度、同じ時期の「週間ダイヤモンド」2006.7月8日号には、広島市の記事として「カネもなければプランもない/市が抱える跡地利用問題」との見出しで、新球場建設に伴う現球場の跡地をどうするか、という問題が取り上げられていました。

   この記事の中に、「『広島市は「カネがない」と言うばかりで、民間任せの姿勢だ。市としてのまちづくりのプランを示してもらいたい』こう不満を口にするのは、広島市の経済団体の関係者だ」という記述がありました。

   大多数の市民も各種団体も同じ思いであろうと思われます。現在の為政者の行政への指示は「話題になるだけでいい施策」であり、「一過性の華やかに見えるだけの施策」です。責任の持てる都市の在りかた像の構築ではないのです。基本になる都市ビジョンは示されないで瞬間の言葉遊びの施策がまかり通っているだけです。

   現在展開中の施策で、一番市民に分かりやすい例が、新市民球場建設のためのコンセプトです。ただ一言「世界に誇れる」の修飾語だけで、その言葉が何を意味するのか誰にも正確には理解出来ない言葉です。

   広島市民にとっては耳に入りやすい、耳障りの良い言葉かもしれませんが、実像として、具現化するのは大変難しいと思われます。無責任に解釈すれば実体は何もなく、単にどんな構造物になっても理屈は付くものではないでしょうか。無責任極まりない言葉です。

   また、「週間ダイヤモンド」の記事には、現球場跡地利用の一次コンペについて次のような記述がありました。

   「だが『これはというものはなく、いずれも赤点ではなかったという程度』(市担当者)で、それぞれ難点を抱えていた。あらためて詳細な事業計画の提出を求め、今年度中に市は事業予定者や利用計画を決定する方針だ」

   「こうした市の姿勢に対し、民間から疑問の声が上がっている。一次コンペ案を作成する時間が少なく、各社とも『とりあえず手を挙げておこう』と提案したのが実態で、民間事業者として譲れない収益性についても、十分検討されたわけではない。民間側には市への不信感が漂っている」

   「跡地利用をめぐり、ダッチロール状態となっている事例がほかにもあった。広島大学の本部跡地問題であり、市と県は回答期限が迫ると、延期を申し入れ、4回にわたって「待った」を繰り返している。市はいまだに明確な方針を示せずにいる。市にカネがないことが足かせとなっているそうだ。広島市の指導力の欠如が問題を長引かせいているといえる。跡地問題はズルズルと後を引くことになりそうだ」

    以上の記述を見ると、完全に現在の広島市政、為政者の無責任を指摘している記事であると思われます。

    同じような記事が経済レポートの6月27日号にもありました。『新球場建設の設計コンペ始まる/要項変更、不透明感漂う』という見出しで、前回のコンペから条件が厳しくなったことや、それに伴いどれだけの応募があるのか、といったことについての言及がなされていました。

    また、広島テレビは6月23日の「テレビ宣言」で、「妥当か?新球場建設予算90億で」と題し、広島市にコンペ参加条件が不適格として拒否された「アラップ社案」を公開し、広島市の対応のまずさを指摘しています。

    それというのも、この「アラップ社案」は画像で見る限りでは、前回の竹中工務店案と同じように完成された作品で存在感が示されたものです。今回の新市民球場設計コンペでも、責任の持てる設計案を製作するとすれば、その制作費は約500万円はかかるはずだと専門家の指摘もあります。コンペ参加者の数の多さだけが為政者の自己満足かもしれませんが、時間がかかっても本当に市民が納得出来る新市民球場が出来上がることを願うものです。


(追伸(市税等の収納率))
    広島市の財政が逼迫していることは、先に財政悪化指標で示しましたが、広島市の市税等の収納率が秋葉市政の過去5年間の推移でも、一向に改善されていません。

    為政者は口を開けば「金がない」との言葉が返ってきますが、この状態からすると完全収納者と未収納者の不公平な格差は解消される気配もなく、収納率改善への努力は何もしていないのと同じです。




    数字だけを追いかけている為政者にしては、なぜ改善への努力がないのでしょうか、疑問に思います。

    しかし、7月1日からの事業ゴミの対応では、指定袋制度施行から、まだ8ヶ月しか経たない事業ゴミには100%順守の強権的施策を打ち出されました。その施策の基本方針は「処分手数料を上乗せした指定袋を使っている事業主に対して、公平性を欠く」とあります。

    「取り残しによる環境悪化を招かないよう、事業主への指導を徹底する」とありますが、事業ゴミは指定袋制に移行しまだ8ヶ月です。下表にあるように5月現在で96%の完成率です。残りの4%を100%に近づける努力は日々するべきではありますが、行政では試行とか学習期間の設定とかで一つずつ無理なく市民と対話しながらの施策の認知が行政の手法ではないでしょうか。7月1日からの市の施設への指定袋以外のゴミの搬入拒否は、まさに現為政者の強権性と独裁制の現われではないでしょうか。

    市民生活を巻き込んだゴミ行政の100%の施行率を強く望まれるなら、市税等収納率の向上の100%達成を望まれ、その改善が少しでも出来ることが為政者の市民に対する平等と公平性の確保ではないでしょうか。その場あたりの都合主義は市民も行政も各種団体も経済界も、全ての広島市の迷惑ではないでしょうか。






(※7月24日追加1(助役選任同意案に対する質疑))
   6月29日の広島市議会定例会(本会議)で、桑田議員が助役選任同意案に対して質疑されました。そのときの秋葉市長の答弁の一部を紹介します。

市長答弁
   具体的なことを申し上げますと、朝7時には、ほかの職員よりも早く、登庁し、夜はしばしば12時過ぎまで仕事をしている、こういった仕事ぶりでございます。この激務に耐えるというよりは、職員を引っ張って仕事を叱咤激励してやってこられた、体力の点だけでも年齢についての懸念は一切もっておりません。あえてつけ加えさせていただければ、私個人の感情としては、歴代助役、たくさんの方がおられますけれども、私の考えでは、山田助役がピカ一と推し通されても全く不思議ではないと考えております。

   女性幹部を育てて助役へ登用できなかったかとの御質問ですが、残念なことですけれども、助役の重責を担うことができる人材を短期間のうちに育成することは大変困難であると考えております。

この市長の答弁は、広島市民を少々愚弄したような感じを抱かれませんか。「朝7時から夜は12時過ぎまで」とあります。市長も助役も特別職の公務員であり、24時間の拘束であり、1年365日の拘束です。体力も気力も精神力もあって当たり前です。そのために法外な高給と権力を貰っているのです。

助役任期を全うされると70歳を越える年齢になりますが、改革路線を踏襲されて来た秋葉市政では、若さも、未来に掛けた活力も生まれないのですね。老人社会そのものの行政になるのですね。広島市は世界の流れに逆行するのですね、と問いかけられているのではないでしょうか。

「山田助役が歴代助役の中でもピカ一と推しても全く不思議ではない」とのことですが、最終決裁者の首長が部下をここまで持ち上げなくてはならないのは何の理由ですか。部下はあくまで貴殿の部下ですし、選挙で選ばれた特別職ではなく貴殿が任命権者なのです。このままだと従業員に媚をうる社長の姿ではないでしょうか。助役就任期間が長すぎて、首長の長所も短所も全て知り尽くされた弱味でもあるのでしょうか。

女性助役登用の項ですが、何も職員からだけではないはずでした。何度、外部からの招聘を失敗されましたか。女性助役は市長の選挙公約です。公約放棄ですか、破棄ですか。

次に「人材を短期間のうちに・・・」とありますが、市長、貴殿は、市長職に丸々7年、もう8年目に入っています。その気になれば長い期間です。ここでも無責任に人材がないとの発言であり、8年もの間広島市の男性職員も女性職員も人材不足で、教育しても、訓練しても、学習効果のない職員ばかりですか。だから、自身の友人や身の回りにいる使いやすい人材だけを外から招聘する形をとっているのでしょうか。

広島市の行政職員にも人材は沢山いるはずです。暖かい血の流れる行政を目指した指導をされてはいかがでしょうか。


(※7月24日追加2(市長の海外出張と財政再建))
   6月28日の総務委員会での山本誠委員の質疑の一部を紹介させていただきます。

山本委員
   「広島市以外に12都市とおっしゃいましたね。それをおしえていただきたいのと、長崎市はどうなっておるのでしょうか」

課長答弁
   「長崎市は、メンバーに入っておりません。今回のオランダ出張につきましては、広島市長が日本国内都市を代表して出張することにいたしております」

山本委員
   「長崎市との役割分担があるということですから、どういうときには広島、どういうときには長崎という書いたものがあったら出してください。12都市も行くのに、長崎も行かんというような会議にいかがかなと」

課長答弁
   「平和市長会議における長崎との分担ということにつきましては、特別の文書があるわけではなくって、当初予算を組む中でですね、翌年度どういった事業を市長会議で取り組むか。その中で、ここの部分については広島市が、ここの部分については長崎市がというふうな形で、随時、決定しております」

総務委員会での発言と答弁の一部ですが、この質疑応答で市民の皆さんもおわかりのように市長の海外出張は、何の基準もないのです。海外での会議の中で、市長好みの会議と年間3〜4度の海外出張の時期に合致するものを選び理由は後から付ければ合法的に海外出張出来る仕組みになっているのです。

今回の海外出張も日本代表とは、よく言えるもので会長であるので会長が行くのがあたりまえとの判断のはずですし、代表を決める会議も開かれた形跡はないと思いますし、別表で判断する限り、初めから海外出張ありきの出張のようです。



山本委員
   「市の予算もがっぽりカットされまして、みんなボランティアでやっておるわけですけど、そういう50万、10万という補助でさえカットされていくわけですから、もっともっと市民感情というものに配慮した・・・」

広島市の財政健全化施策はかけ声だけで何の実績も上がってないのが現状です。そのことは、公共工事だけでなく、不必要な人件費をはじめ日常の行政施策の改善が何一つなされていないのが現状だからです。職員ひとり一人は有能な人材ばかりですが、その活用システムができていないのです。

今日の広島市の行政施策は、職員をはじめ各種団体への少しずつのバラマキ予算が大きな落とし穴となり、不必要な予算が膨らみ、行政組織として改善する気がなくなっているのが現状ではないでしょうか。

過去の事例ではありますが、東京都の財政に大きな穴を開けた「美濃部都政」の時代を思い起こしてみてください。広島市が必要としている施策は人気取りだけのバラマキ補助金やバラマキ福祉ではなく、財政再建で本当に必要なのは小さな数字の積み重ねの節約の実績であり、実践ではないでしょうか。空理空論の繰り返しではないのです。

市長は自分の身の回りの海外・国内出張をはじめとする市長経費の節約から財政再建の見本を職員と市民に示す時ではないのでしょうか。皆さんはいかがお感じですか。