私の思い まちづくり・経済・交通 総務・人事 議  会 教育・文化
福祉・医療 平和・交流 その他 総合メニュー

(No.171) 平成18年3月10日

『新球場建設への過去からの思いPart2』

   今般の貨物ヤード跡地への新球場建設案が唐突に再浮上した背景には、平成14年の「エンティアム」案を採用時のいきさつと大きな関わりがあるのではないでしょうか。

   当時、エンティアムから提案された時の企業形態を含め、それを取り巻く組織や構図が再浮上し、過去のしがらみをそのまま引き継ぐことで、短時間のうちに膨大な予算が必要な新球場建設へと誘導されているのです。そして、多くの市民、県民、カープファンや多額な出資を要請するであろう広島県や財界等への説明不足のまま、強引に広島市の案としての流れを作ったのではないでしょうか。

   平成14年のエンティアム案を広島市が決めた時の球場建設の形態は「民設・民営」でした。これに対し今回のコンペは「公設・民営」です。議会も経済界も市民も、この違いがどんなに大きいことなのか、原点に戻り再考しなくてはならないはずです。

   エンティアム案の中から球場とホテルだけを取り出したものが今回の案と言えます。そして、エンティアム案全体から単純に球場建設費用だけを取り出せば、それが90億円であったのでしょう。こうしたことからすると、エンティアム案にあった市営の自走式駐車場(400台)建設は、いつ頃提案されるのでしょうか。駐車場確保はこの事業の大きな課題の一つだったはずです。

   これらに加え、貨物ヤード跡地の新球場建設位置も前回のコンペと同じです。分割購入する土地の形状もエンティアム案の形状と同じだと思われます。また、エンティアム案の構成企業は鹿島建設、電通、広島東洋カープ、サイモンプロパティーであり、この時の球場建設案がそのまま今回の新球場建設コンペに通用するような形にされたような気がしてなりません。


   そのため、付属施設(ホテル等)の建設も含め短時間での提案が可能であり、コンペ案の球場周辺の構成事業もほとんど前回の応募と同じ形態での提案参加になっているのではないでしょうか。

   
このような私の危惧が的中していないことを望むものですが、エンティアムが広島市での新球場建設から撤退を決めた時、秋葉市長は「訴訟をしてでも広島市の名誉を守る」と発信され、その後、時間をかけ方向転換され、時が経ち市民の関心が薄れた頃を見計らい、弁護士と相談の結果、この訴訟は勝ち目がない(利益がない)ので訴訟を取りやめた経緯もあります。

   当時のエンティアムの社員は各企業からの出向職員であり、その出向職員の間では、当時の西武建設鰹務(現在は広島高速交通且ミ長)の中村氏が足繁く「広島市長の代理です」と市長の意向を伝えに行かれていたのではないでしょうか。

   あれやこれやで訴訟には勝てる見込みがなくなったわけですが、当時のエンティアムの職員が「約束事がたびたび変わり、変更され、最後には反古にされ、事業の進展に大変な支障を来たしている」と何度も何度もこぼしていたような気がします。

   このエンティアム案での前回の失敗を今回は絶対に繰り返さないようにとの思いで、新球場建設の施行方法は「公設・民営」の形態なのに、強引に「民設・民営」での施行方法を当てはめ、企画、設計、施行業者まで一体化させているのでしょう。そして、エンティアム案と同じ構想で、施行業者が当時と同じような付属施設(噂によればヒルトンホテル)との合併施行にし、コンペ条件を途中で一部変更までして、他社との間に初めから格差をつけ、特定の案が絶対に当選するような仕掛けを作りあげたのではないでしょうか。

   このコンペが広島市民のためには本当に何であったのかとの疑問だけが残ります。議会からも市民からもクレームは付けられず、修正することも改良することも出来ないシステムが「一人歩き」することは、初めから無責任に引かれたレールの上を真っ直ぐに高速で走っているブレーキの利かない乗り物のような気がしてなりません。
   怪我なく目的地に着けることを、そして将来の広島市にとって大きな汚点にならないことを心から望むものです。



(※3月12日追加(競輪事務局の事件))
   3月11日の中国新聞を見ると、『競輪事務局職員が自殺』との衝撃的な見出しが飛び込んできました。亡くなられたのは偽計入札妨害事件に直接関わりのない係の職員のようですが、経済局長は「詳しい事情や背景が分からないので、事件の全容解明に全力を尽くすとしか申し上げようがない」とコメントされていました。

   「入札妨害で事情聴取」→「職員の自殺」→「詳しい事情や背景が分からないので…」とのことですが、果たしてこういう認識でいいのでしょうか。確かに、事件との因果関係がはっきりしているわけではありませんが、何故「自殺に追い込まれた背景」を問題視しようとしないのでしょうか。

   最近この種の事件が多発していますが、これまで秋葉市長が行っていることは端的に言うと「真偽の程は二の次でともかく垂れ込みを推奨」していることです。これにより職員間に信頼関係がなくなり、意思疎通のない冷たい職場雰囲気となっているのです。こういった職場風土が職員を自殺に追い込んでいると考えられませんか。

   法に触れることを見逃せと言っているのではありません。偽計入札妨害は大きな罪であり、その疑いがあるのであれば全容解明と再発防止策に力を注がなければなりません。しかし、今回の場合、職員が自殺に追い込まれるような環境があったことが重大な問題であることをトップとして強く認識する必要があるのではないでしょうか。

   秋葉市長は、3月9日の予算特別委員会(経済環境関係)で、一連の不祥事について長々と答弁されていました。電子入札の前倒しなど制度的な整備を述べられたのですが、最後に「これまで捜査に非協力的であった職員がいた」「情報漏洩という事実があるが、その職員およびその周辺の環境が不祥事を生み出す温床をつくっている」とも述べられていました。

   何をか言わんやです。むしろ自分自身に置き換えてみたらいかがですか。ある幹部職員が自殺者の新聞記事を見て「かばう者がいなくなった」と漏らしていました。この幹部職員は、罪を否定しているのではありません。捜査を否定しているのでもありません。もちろん「見逃せ」と言っているのでもありません。死に至らしめた職場環境となっていることに大きな憤りをおぼえているのです。新聞記事を見ても、市長や経済局長のコメントを聞いても、冷たさだけが心に残るのですが、皆さんはいかが感じられますか。


(※3月14日追加(エンティアム案と今回のコンペ))
   行政でも企業でも新規事業を始める時、一番初めに調査研究することは、まずインフラの状況と整備の必要性です。将来どのようにしてインフラが構築されるのかを見極めることが、事業が成功するか否かの別れ路です。

   貨物ヤード跡地を取得し球場建設計画を作成する時、一番初めに計画したのが鉄道の引き込みであり、当時から計画のあったキリンビール跡地の商業モール「ソレイユ」との共同施行、共同利用の計画があったはずです。

   その後、平成14年にエンティアム案が浮上した時、新球場建設計画におけるインフラ整備はエンティアムの母体であるサイモン・プロパティー・グループの指示で、米国流の発想による段原からの高規格道路の整備でした。この道路に南道路からも国道2号からも流入させるという計画であり、サイモンの要求であったはずです。

   このエンティアム案は、貨物ヤード跡地全体の1階部分が駐車場で、2階部分には人工地盤をつくりその上に商業モールを建設し、モールの一部がホテルと野球場になっていました。

   しかし、この度のコンペでは広島市は公設民営を謳いながら、「公」の役割としてのインフラ整備の計画は全くなく、既存の道路の単なる拡幅だけでごまかしています。これでは単に思いつきだけの事業としてしか市民の目に映らないのではないでしょうか。

   平成14年の時は、市長は、コンペの当選をエンティアムとし、その後の行政手続を何もとらず全て完了したと思い込んでいたわけです。そのエンティアム案が撤退で反古になり、一旦は訴訟をしてでもと頑張ってはみたが結局は上手くいかず、反古にされた悔しさだけが残る貨物ヤード跡地で同じようなコンペを再度挙行したわけです。

   傷つけられたプライドの復活をかけたのが、今回の思いつきのコンペなのです。それだけに前回のコンペの都合のいい所だけをとった自己満足型のコンペではないでしょうか。

   今の広島市の構想には新球場の繁栄、発展のインフラ整備の理念は全くありません。短時間で2万人、3万人もの観客が動く導線の構想が多くの市民や観客が安心、安全に動くためには絶対必要であり、新球場が建設される地域にとっては大変迷惑なものになりかねない危険もあります。双方が納得するインフラ構想を時間をかけてでも構築しなければならないのではないでしょうか。

   広島市の職員は構想を練る時には何が一番初めに必要なのかの判断は出来たはずです。この事業にかかわっている人達は、何故、必要な手順を順序よく構築しないのか疑問に思います。単純に上から指示されたことだけの仕事しかないのでしょうか。

   職員は広島市民のための奉仕者です。市民のために無駄づかいをせず、効率よく仕事をするためにはどのような手順で仕事をするべきか、もう一度研究し、自信を持って作業をすべきであり、上司のひらめきだけの指示だけではなく、人の意見をよく聞き、胸を張って市民のために奉仕してほしいものです。
   皆様はいかが思われますか。