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(No.167) 平成18年2月23日

『広島地下街開発(株)について』

   市長は過去の自らの発言を記憶されておられるのでしょうか。平成11年3月18日の中国新聞朝刊に「地下街『全て推進』広島市議会予算特別委員会秋葉市長が強調」との見出しで、地下街に対する決意を述べられておられます。

   内容は、「広島地下街開発(株)に対する75億円の貸付議案の賛否などを巡って会派間の調整が長引いた。このため、秋葉市長が委員会の冒頭で『紙屋町地下街建設については、政治生命をかけて市の魅力と活力向上に向けて取り組みたい』と発言。これに対して、追加支援には市民の納得が得られないと貸付を見送る修正案が共産から出され、市政改革連合も同調したが、否決された」といったものです。

   7年前に「政治生命をかけて」との強い意思を表明されたはずですが、その後7年間何の手立てもなく、今議会には、総務省自治財政局長通達(第三セクターに関する指針の改定)で「絶対にこの行為だけはしてはいけませんよ」と示されている『損失補償』の議案を出してきているわけです。

   市民にも分かり得るような地下街シャレオの改革、改善施策はほとんど施さず、単に「バブルがはじけた」「時代が悪かった」との言い訳だけで、「このままでは会社が潰れる」との危機感をあおり、金融機関融資に対する損失補償(限度額173億円)を行うということです。この損失補償は平成71年度まで続くものであり、私たちの孫の代まで危険負担を強いる議案です。「プライマリーバランスの黒字化」を叫びながら、一方では「子・孫の代まで続く負担」を強いる議案を平然と提出するのはいかがなものでしょうか。

   ここで総務省が示した「第三セクターに関する指針の改定」の要点を紹介します。

1 改定の背景
   (1)第三セクターを取り巻く社会経済情勢が大きく変化していること。
      ア 不良債権問題の解決、企業及び産業の再生、規制改革の推進
      イ 国及び地方公共団体における財政状況が一段と悪化
   (2)三セクターの経営は一段と厳しさを増していること。
      ア 解散、倒産件数
         (H12年 28法人→H14年68法人(143%増))
      イ 赤字法人数
         (H12年 2,364法人→H14年2,470法人(4%増))
      ウ 赤字法人における赤字金額
         (H12年 1,602億円 →H14年1,756億円(10%増))

2 改定のポイント
   (1) 外部の専門家による監査を活用する等監査体制の強化を図ること。
   (2) 政策評価の視点も踏まえ、点検評価の充実、強化を図ること。
   (3) 情報公開様式例を参考に積極的かつ分かりやすい情報公開に努めること。
   (4) 完全民営化を含めた既存団体の見直しを一層積極的に進めること。


   以下、総務省自治財政局長の通知内容を紹介します。まず、前文の抜粋です。
   ○    第三セクターを取り巻く状況もバブル崩壊後経済環境が変化する中で、経営が深刻化するなど一段と厳しさを増しおり、地方公共団体においては、このような社会経済情勢の変化等に的確に対応し、関係する第三セクターについて、その運営改善等に積極的に取り組むことが求められています。

   ○    第三セクターの活用に当たっては、(中略)民間の資本や人材の参画を推進する等その経営ノウハウを積極的に活用する必要があります。

   ○    地方公共団体は第三セクターの健全な運営の確保に万全を期し、もって住民の信頼に応えていくことが不可欠であり、点検評価の結果を踏まえつつ、必要に応じて、事業の見直し、廃止、民間譲渡、完全民営化等を行うことが望まれます。

   ○    経営悪化が深刻化し第三セクターの存続が危ぶまれる場合には、問題解決を先送りすることなく、法的整理を含め抜本的な対応を行う必要があります。

   「第三セクターに関する指針」の抜粋です。
第1 一般的留意事項
   (2) (中略)赤字の累積等により経営が深刻化しているものが見受けられること等にかんがみ、地方公共団体は外部の専門家を活用する等監査体制を強化するとともに、政策評価の視点も踏まえた第三セクターの点検評価の充実、強化を図る必要があること。また、事業内容、経済状況、公的支援等について積極的かつ分かりやすい情報公開に努める必要があること。

   (3) 他の団体と類似の事務を行うもの、既に目的を達成したと思われるもの、事業の存続が困難と思われるものなどの統廃合や完全民営化等を積極的に進める必要があること。

第2 第三セクター方式を選択するに当たっての留意事項
   (2) 第三セクターの資金調達方式としては、事業自体の収益性に着目したプロジェクト・ファイナンスの考え方を基本とすべきであり、これに基づく資金調達が困難である場合には、第三セクター方式による事業化を原則として断念すべきであること。
   こうした事業であっても公共性、公益性の観点からなお実施する必要がある場合には、補助又は貸付け等により、財務の安全性を高めることを通じて資金調達が可能となるようにすることが適当であり、将来の新たな支出負担リスクを回避する観点から、第三セクターの資金調達に関する損失補償は、原則行わないこととすべきであること
   真にやむを得ず損失補償を行う場合にあっては、その内容及び必要性、更には対象となる責務についての返済の見通しとその確実性について、議会及び住民に対して十分説明し、理解を得ておくとともに、他の出資者等との関係でこれを越えた負担は存在しないことを対外的にも明確にしておくべきであること
4 議会への説明と住民への情報公開
   (1) 議会に対しては、地方公共団体は、事業及び行政関与の必要性、第三セクター方式を選択することの妥当性、公的支援の必要性及び内容、運営体制等に関する事前の検討結果に加え、設立団体の財政運営に及ぼす影響についてもあらかじめ十分説明しておくべきであること
   (2) 地域住民に対しても、議会に説明した内容について、より分かりやすい形で積極的に広報等を行うなどにより、十分な理解を得るよう努める必要があること。

第4 経営悪化時の対応に当たっての留意事項
1 経営悪化時における速やかな対応
   (1) 第三セクターにおける監査や点検評価の結果、累積赤字の大幅な増加や改善の見込みのない責務の累積等により経営状況が深刻である場合はもとより、需要実績が予測を大きく下回る等により経営が悪化しつつある場合には、問題を先送りすることなく、経営悪化の原因を検証し、抜本的な経営改善策の検討を行うこと。その際には専門家の意見も踏まえつつ、債権者等関係者と十分に協議し、経営実態に対する認識を共有するよう努めること。その上で、その改善が極めて困難である場合には、法的整理の実施等についての判断をすべきであること

2 経営改善を実施する場合の留意点
   (1) 点検評価の結果などから、経営の改善により事業を存続させることとした第三セクターに対しては、速やかに経営改善計画を策定するよう指導監督等を行うこと。この場合、当該計画は、客観性および専門性を確保する観点から点検評価を行うための委員会等に諮り審査することが適当であること
   なお、当該計画の策定に当たっては、通常の経営改善作だけてなく、合併、事業の一部譲渡等を含めた幅広い手法を検討すべきであること


   以上が国の示した指針の内容です。。
   ここで言えるのは、本来すべきことはこの指針に照らし合わせて十分な検討を行うことであり、性急に損失補償案を提出されるべきものではないということです。指針にある「全ての面からの検討議案を公表され、議会や市民にその成果を議論したうえでの賛否でなければならない」がそれを示しているのです。

   アストラムラインの場合は、専門家で構成された委員会を設置し詳細な経営健全化計画を策定していますが、地下街開発で委員会が設置され点検評価されたことは聞いておりません。「2月議会で可決しなければ地下街開発(株)が潰れる」との発信だけでは行政の責任は果たせません。公認会計士、企業コンサルタントの意見や行政独自の案等を公表した上で損失補償の賛否を問うべきものなのです。以前の説明では、広島地下街開発(株)は少なくとも本年6月や9月までは資金ショートをする心配はなかったはずです。

   秋葉市長の公約の中にある「プライマリーバランスの黒字化」は次世代の子供達に過度な財政的負担をかけてはいけないとの配慮ではなかったのでしょうか。この損失補償はすでに倒産しているような会社への白地手形か、際限のない融通手形を与えるのと同じことです。次世代の市民に対し、大きな負債・負担を残すことはできません。財政の健全化を願う市民の心を大切にしてほしいものです。行政の再考を願うものです。

(追伸(地下街についての市長答弁))
   2月21日公明党の西田議員の質問に対する市長の答弁は、活字にすれば自己中心で議論の余地もない開き直りと、恫喝としか思いようのない答弁です。広島地下街開発(株)は6月市議会までに倒産することはなかったはずです。行政と地下街開発(株)は出資株主も含め総務省自治財政局の指針に沿ってもう一度、市議会や市民に分かるような再建策を考えてはいかがですか。

   市長の答弁です。
   本市が損失補償を行わないこととした場合の影響についてです。損失補償を行わない場合、会社の信用不安が広がり、テナントが会社への売上金の預託を控えたり、売上の低下によりテナントの退店の動きが表面化する恐れがあります。

   最悪の場合には、会社は破産に至る可能性さえもあり、そうなれば、施設は競売され、新たな落札者に地下街の運営は委ねられることになります。利益のみを優先して経営する企業が仮に地下街を取得した場合には、必ずしも公共的役割は期待できず、また、地下街が統一性のない雑居ビルのようになりかねません。そういった事態になれば、周辺商業施設への悪影響とともに、都心の活性化を進める上でも大きな支障となることが懸念されます。

   この様な答弁は「私の指示どおりに賛成しなければ会社は潰れますよ。私は改善案を提示したのですが、議会がクレームをつけた。悪いのは議会で、私は善良な市長です」との恫喝です。

   私たち議員は行政の提案を議論して採決するのが議会の主な役割です。そのうえ行政のお目付け役が議会の役割であり、議会と行政は時間をかけて、可能性のある方法は全て議論して、市民に分かりやすく説明するべきではないでしょうか。議会が市長、行政に対し、いじわるをしているのではなく、市民の生命と財産を守り、行政を監視・監督しているのです。これも議会の役割です。

   行政が行うことが全て「善」で、議会は議論もしないで黙認しろとの発信は絶対すべきではなく、議論する時間がない提案を行政は絶対に行ってはならないのです。議会での議員は「品格」と「自覚」を持っております。市長としての「品格」を示して欲しいものです。
   皆さんはいかかお感じですか。