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(No.160) 平成17年11月25日

『第三原爆特養ホームの整備・運営法人の選考について』

   平成17年11月15日の決算特別委員会の総括質疑で、大原委員と桑田委員が「第三原爆特別養護ホーム(仮称)」整備・運営法人の選考基準の不透明さを指摘されました。両委員の指摘は的を射ており、全てを明確に市民に開示されるべき問題です。行政側は、不祥事再発防止策として『外なる圧力』の排除を公表されましたが、もし両委員の指摘が完全に正当化されなければ、この件は『内なる圧力』の介在ではないかと大きな疑いが生じるものです。

   ここで、皆さんに「整備・運営法人の評価結果表」を提示します。




@   「被爆者に対する配慮や被爆体験の継承等が計画に十分組み込まれている」の項ですが、10点満点の10点を得ています。選考委員会の構成は、社会局次長(委員長)、社会局福祉担当部長(副委員長)、企画総務局次長、財政局次長、都市計画局指導部長、社会局保健部長、社会局社会企画課長、社会局高齢福祉課長の8名です。この10点の重みは全ての委員が10点の表示をしない限り10点にはならないのです。8人全員が満点の表示がなされることが第一の大きな疑問です。

A   整備・運営計画の施設面での事業計画「45点」では「C会」の42点が最高であり、処遇面の事業計画「35」点でも「C会」の29点が最高点です。しかし、両計画のヒアリング点(10点)は、「広島常光福祉会」の8点が最高点です。

   @の項もAのヒアリング点も人間の感性で決めることであり、「情実」とか「圧力」とかもろもろの目に見えない判断の基準のないもので、公正な得点と言えるものではないのです。このような基準のない点数が最高であれば、おのずと第1位の得点になるはずです。その上、本来なら、日本人の感覚からすると満点は100点が主流だと思いますが、この項だけで110点です。作為が感じられませんか。

   この10点が公募基準にはなかった10点です。選考基準の考え方の中に「また、特に、原爆特別養護ホームは原爆被爆者のみを対象とした公共性の高い施設であることから、理事者以下全職員が原爆被爆者に十分な理解を持って介護に取り組むことが必要であると考え、選考にあたっては、事業計画の中で整備・運営の主旨においてのことが検討されていること、施設面、処遇面や被爆体験の継承などにおいて具体的な取り組みが考えられているかという点に着目し、選考基準の項目に加えた」とあります。

   当局の重大な過失は、初めにはなかった項目を「選考基準の項目に加えた」との記述です。最初は100点で全てを計画していたが、@の10点の項目を加え110点満点にしたとしか解釈できないのです。

   「理事者以下全職員が原爆被爆者に十分な理解」とあるこの文章ですが、このことは応募の必要事項であり、市が申請書を受理した時点でこの項目はクリアしたと以下のように考えるべきものではないでしょうか。

   原爆特養ではない福祉会の職員が、現在、原爆養護の教育を受けているはずはないのです。あまりにも常識に欠けた発想ではないでしょうか。現在活動している老人養護施設に現時点で職員まで教育している施設はないと思います。行政の思い上がりではないでしょうか。

   そのうえ「理事者全職員」との項ですが、第3特養の認可決定を受けた後、責任者と行政が相談しながら、職員の教育をすることではないでしょうか。

   「広島常光福祉会」を勝者にするための作業としか考えられないのです。そのうえ、公募した時点での選考基準にない点数、5点を3項目設け、(表下段)加点している点、行政としての公平性、公正性からは欠けていると思われます。例えば、4月8日の説明会の折には「土地の買収については、あくまでも希望があればという程度と考えてください。ここだけの話ですが、そのようなお金があれば、入所者の処遇面の向上のために建物整備に使うべきと思いますので、最優先事項とは考えません」との発言もあります。

このことも後からどこかの『内圧』『外圧』で意識的に加えられ「広島常光福祉会」に有利になるような点数配分のシステムを作成したとしか考えられません。公募した時点の基準が選考時の基準と大きく変わることは「どこかに有利にとの発想であり、このことは『官製談合』の疑いがあると言われても、仕方のないことではないですか?
  ――「私の思いです。」――


   現在の広島市の行政、市長の政治姿勢を如実に物語っている権限のない責任転嫁のためだけに部局内に作られた「社会福祉法人審査会」で「会議の結果、出席委員の全員一致により整備・運営法人については、原案どおり承認された」とあります。この審査会は「社会福祉施設の整備等について、妥当性、公平性等を審査するために設置されたものである」とありますが、市長と、行政の責任転嫁の審査会にしか過ぎず、何の権限もないものです。

   この構成委員が、弁護士、公認会計士、医師、学識経験者、福祉関係者等(7名)だそうですが、広島市民が最も重大な関心を寄せる『原爆被爆』を基にした国の事業(税)に対し、『全員一致により』可としたとのことですが、単なる行政の追認者だけが委員であれば、委員の皆さんの良識を疑いたくなります。そのうち全員の氏名は公表されるはずですが、「官製談合」への加担者とみなされても、おかしくないのではないでしょうか。

   このことの最大の問題点は、市長が『可』と決裁して、国、厚生労働省、「健康局総務課」へ上申すれば、市民も議会も何人も異論が挟めないことです。市長は公平、公正な決裁をする者しか選任されていないとの国民、市民の良心なのです。市長はいかがお考えですか。

   加えて、施設整備経費は平成17年度は約1.8億円、平成18年度には7.4億円で総計約9.2億円が支出されますし、定員100名の運営費補助事業、3.7億円を30年ですから、111億円が国からの補助金となり総計約120億円以上の補助です。そのうえ、公募の時点での説明には整備用地は、原則、無償貸付とするとの項も明示されていますし、有償譲渡の場合は売却価格約2億円(目安)とするとのことですと土地使用の条件の項には明記されています。このことも追加の点数になっています。

   広島市のスケジュールは、
平成17年11月 実施計画内容の確認、建築確認
平成18年1月 工事着工
平成19年1月 工事完了
平成19年2月 開所
となっており、全て行政と市長のみの独断専行でことが進められている状態です。

   公募の条件で法人が実施している社会福祉事業との関係ですが、「当事業は、当該法人の行う社会福祉事業に対し従たる地位にあること」とあり、『定員、予算規模、職員数において、社会福祉事業より小規模であり、従たる地位にあること』とあります。

   この施設には、介護老人福祉施設「ふくだの里」50床、介護老人保健施設「スカイバード」80床等々の事業内容でありますが、公募本来の主旨で大きく取り上げられている特別養護老人ホームのベッド数は50床であり、公募された第3原爆特別養護ホームは100床であり「小」が「大」を喰う形となり、少々変な形ではないでしょうか。

   そのうえ、広島市行政が、市長が今一番問題にしていると思われる不祥事再発防止策のなかで明確に謳って、市役所OBの市庁舎の中での動きですが、本年夏ごろから当施設の特別顧問理事の名刺を持って市役所10階にも何度も訪れられていたようです。

   『人の口には戸は立てられぬ』の諺どおり市役所スズメの話です。しかし、当局は調査したが、職員の誰も、何の話も聞いていないとの発言です。毎度のことですが、内には「甘く」外には「辛い」役所根性丸出しであり、このような事が世間に通用すると思われている理事者、責任者の常識を疑うものです。

   広島市役所の皆さん、原爆被爆を利権の材料として疑われるようなことだけは絶対にしないでください。被爆者の一人として心からお願いいたします。




(追伸(被爆者行政の遅れ))
   被爆者対策は私たち広島の被爆者にとっては誠に悲しい事ですが、広島市より長崎市が一歩も二歩も前を歩いています。

   その例は、長崎市は平成11年に原爆による精神的影響という視点で、被爆者地域住民の証言調査を行い、結果を平成12年には国に提出しています。国の検討委員会による検討の結果、平成14年度から、被爆未指定地域住民を対象に被爆体験による精神的影響に着目した健康診断等が行われています。

   しかし、広島市の場合は昭和63年頃から「黒い雨」専門家会議で調査研究をしていましたが、結果は出なったのが現実であり、市長も被爆対策が広島発の平和活動の基本であることは認識しながらも、平成13年度に行われた原爆被爆実態調査のアンケート調査を実施しただけで終わっており、調査だけで長崎市のように健康診断調査までは行われていないのです。

   「平和」は口にされますが「被爆」は置き去りになっている証拠ではないでしょうか。本年度の事業である第3原爆特別養護施設の建設も早く手がければ、5年前の8月6日の原爆慰霊式典の時に、坂口厚生労働大臣が了承して下さり、本気で取り組めば次年度には事業実施できたはずです。今ごろは第3原爆特養として高齢化した被爆者が安心して入所している時だと思います。

   何故、引き伸ばしたのか、広島市行政の手抜きなのか、市長の次期選挙にむけてのタイムリーな時を見定めての時期の選定なのか理解に苦しむものです。最近の市行政の派手なアドバルーンの上げ方を見ると選挙に向けた「空手形」でしかないように思われる施策が目白押しです。なるもの、ならないもの、常識のなかで皆さんと協議しながら判断していきたいと思います。