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(No.154) 平成17年7月15日

『新球場建設について』


 新球場建設に係る今後の動きについて、6月定例会における議論や7月11日の定例記者会見のやりとりから類推すると、概ね次のことが想定されます。

@日建設計による再調査(現球場と貨物ヤードの実現可能性)
A貨物ヤードの場合は周辺整備と現球場の活用策の方向性
B要望、提案された方への説明
C促進会議メンバー(県、経済界、カープ等)への説明
D市議会への説明

   これらを踏まえ、概算要望(街づくり交付金)のために7月末までに建設場所を決定するということですが、月末まであとわずかの期間です。広島市民にとっては8月6日の被爆60周年に向け、時間的にも精神的にも一番忙しい時であり、最終段階の一番肝心な時に、ただ単にスケジュールをこなすだけの状況ではとても議論が深まるはずはありません。

   このやり方は秋葉市長の常套手段です。時間的にも政策的にも余裕のない状態にしておいて、「説明した」「議論した」という行為だけをPRしていくのです。そして「イジメにあっている可哀想な秋葉です」という姿をマスコミから流すのです。

   こういう状況に追い込まれた最大の理由は、「2009年のシーズン開幕までに新球場を完成させる」ことを大前提にしているからですが、これに対して、経済界のある中心人物は「ゆっくりやればいい。オールスターは2010年でも2011年でもいい」と仰っています。

   確かに、市の街づくりの方向さえも左右する賑わいの核施設をどこに建設するかを議論する最重要課題が、『スピード感』という言葉だけに惑わされて疎かにされては、それこそ広島市の将来に禍根を残すことになると思います。

   今一度考えなければならないことは、100億円以上もの公金をつぎ込むのであれば、「新球場建設は何のため?誰のため?」ということを、原点に返って真剣に考えるべきではないでしょうか。「市民のため」というきれいごとではなく、本質的には「カープのため」ということであり、全てが盲目的に流れている中で、多大な税金投入という厳しい現実をもう一度考え直すべきだと思います。

   今のところ、主たる使用者であるカープは運営に対しては口を出していますが、建設に対しては全く口を出していません。発言している内容は、「稼働率の低い2階席が多いと営業面で問題だ」「ロッカーなど諸室が少ない」「工事中の仮設席では集客が不安」と建設に対する主体性はまるで感じられません。

   本年3月23日の中国新聞には、「広島市主体で現在地にオープン球場、運営の中心は広島東洋カープが担う」という記事があります。その中で松田オーナーは「球団経営の透明化については、これまでも公表しているつもりだし、関係先にはいつでも営業報告書を出す。運営、管理に正式に立候補する時期が来たら、公的な肩書きを持つ方々に社外取締役をお願いするなどして『オール広島』としてみんなでやっていく姿を整えたい」と述べられています。

   6月定例会では新政クラブの宮本議員が経営の透明化や責任ある将来展望を明らかにするよう指摘されました。新球場建設と同時並行で広島東洋カープの球団経営の透明性を市民に理解できるよう明示すべきではないでしょうか。そのうえで将来展望を踏まえて、広島東洋カープは「主たる使用者として建設段階でも相応の負担をしましょう」という意思表示をすべきだと思います。

   ランニングで口を出すのであれば、イニシャルでも相応の責任ある姿勢を取るべきです。総額約150億円もの公費や協力金をもって建設するのです。もし広島東洋カープがそういう姿勢であれば、圧倒的に多い現球場派の展望が開けるわけです。建設負担も重要な要素ですが、「どちらが安いのか」ということではなく、どちらも投資可能な範囲を想定した上で、真のカープファン、広島市民の財産のあるべき方向を議論すべきではないでしょうか。

   近いうちに、また1リーグ制の話が復活します。ナベツネ(渡辺元読売巨人軍オーナー)が復権しそうな気配の中で、それを叩く者がいないのは明らかにその前兆です。サンフレッチェ広島は、県・市が大きく関与し、地域に根ざしたフランチャイズ制を敷いています。カープも同じく県・市が大きく関わるわけですから、1リーグ・10球団の議論に耐え得る堅固な地域・市民主体のフランチャイズ制の模範例をつくらないと、それこそ広島だけ取り残されてしまいます。

   ソフトとハードと生き残る道を、私のホームページのNo.11『サッカー王国広島の復活について』で述べております。是非ご覧いただいて、広島ならではの戦略を構築してほしいと思います。
   秋葉市長に改めて申し上げます。口先だけで「新球場建設」を叫ぶのではなく、是非あなたの熱意で広島の財産が輝く方策を成し遂げて欲しいのです。