私の思い まちづくり・経済・交通 総務・人事 議  会 教育・文化
福祉・医療 平和・交流 その他 総合メニュー

(No.132) 平成16年12月 6日
           
『マツダはなぜよみがえったのか』


 今、書店で一番目に付くのは『マツダはなぜ、よみがえったのか?(日経BP社発行)』という本です。著者は宮本喜一氏で、ソニーやマイクロソフト社でマーケティングを担当された方のようです。広島とは直接縁がないようですが、本の内容は、私たち広島人にとって非常に興味のあるものです。政治、行政、企業経営、それぞれに通じる精神的強さや自分に対する自信など、忘れかけていた己を取り戻す起爆剤になるのではないかと思います。

 ここでは、前文、後文を中心に紹介します。
 『はじめに』は、「2003年、マツダがよみがえった。10年以上も迷走を続け、存亡の危機に瀕していたマツダが…」といった書き出しで、なぜマツダの復活を取り上げるのか説明されています。

 フォードが経営の支援に乗り出してからも、マツダから朗報はさっぱり聞こえなかった。同時期、やはりフランスのルノーから経営支援を受け、カルロス・ゴーンの指揮のもと見事に再生を果たした日産自動車とは対照的だった。自動車市場におけるマツダの存在感は薄れる一方で、もはやその再生は不可能ではないかという声も少なくなかった。そんなマツダが息を吹き返した。


 どの車種も国内外で好調なセールスを記録し、内外の専門家から高い評価を受けて2年あまりの間に140以上の賞を受賞した。


 フォード傘下に入り「米国企業の子会社になりさがった」と揶揄された状態からも脱した。いまやその技術力が認められ、フォードグループにおける自動車開発・生産の要となった。マツダの開発した乗用車の基本車台とエンジンがフォードグループのさまざまな車種で共有されるようになった。


 そして2003年8月には、入社以来マツダ一筋の井巻久一が就任した。96年以降、4代続けてフォード出身の外国人がトップに立ってきたマツダにとって、日本人社長は7年ぶりのことである。


 一度はどん底に落ち込み、フォードに資本支援を仰ぎ、経営の実権を明け渡し、新車開発すらままならなかったマツダが、なぜここにきて鮮やかに復活できたのだろうか?この問いに答えるのが本書の命題である。


 これから本文が始まるのですが、RX−8の開発物語や、マツダがいかにして堕ち、いかにして再生したのか、その戦略と経営改革などについて書き綴られています。

 マツダの復活には3本のトンネルをくぐり抜けたこと、1本目のトンネルで会社のムダをとり、2本目のトンネルではブランド戦略を再構築し実行、そして、3本目のトンネルで経営改革をテコに再浮上、といったことを時系列に明かされています。また、改革の途中では、会社の経営方針を徹底させ社員一人ひとりの士気を高めるための種々の研修プログラムも実行されたようです。

 そして、『終わりに』では、「モノづくり企業のブランド戦略とは」と題して、次のように書かれています。

 「マツダの『格安』次世代車−水素・ガソリン併用で燃料電池車に対抗」『日経ビジネス』の2004年10月18日号にこんなタイトルの記事が載った。記事の主役は、RX−8の車体に積まれた「水素ロータリーエンジン」である。


 21世紀の自動車産業にとって最大の課題は「脱ガソリン」「環境対応」だ。そのため各社ともしのぎを削り、「地球にやさしい」動力の開発に躍起になっている。実用化の一番手は電気モーターとエンジンを合体させたハイブリッドシステムで、さらなる次世代エンジンは水素を動力源とする燃料電池だろうといわれている。が、技術的に実現が困難というのが現状だ。


 そこに意外な伏兵が現れた。それがガソリンの代わりに水素を燃料とするマツダのロータリーエンジンだ。ロータリーエンジンの場合、基本構造にほとんど手を加えることなく、水素を燃料として使える。


 ロータリーエンジン開発の中心人物のひとり、田島誠司が付け加える。「これからは水素燃料とガソリン燃料、両方に対応できる新しいロータリーエンジンの開発が我々エンジニアの仕事です。誰も取り組んだことのない技術ですからね、やりがいがありますよ」やはりそうなのだ。


 マツダの現場は、フォードから来た経営陣の『無理難題』から決して逃げなかった。彼らは『無理難題』に正面から取り組み、自らの智恵を縦横に駆使して乗り越え、新しい技術と新しい製品を創り上げた。水素ロータリーエンジンは、まさにマツダの現場のモノづくりに対するこの「想い」と「実力」の双方があって初めて生まれたものである。


 この困難な時代、マツダの力強い復活の礎にあるものを一人でも多くの人に感じてほしいものです。

 さらに、文中には、「『日経ビジネス』の記事には、マツダが2006年までに水素ロータリーエンジンを積んだRX−8を官公庁や企業相手にリース販売できるようにし、その後は市販化も検討する、と伝えている。燃料電池車が現在1台1億円以上もするものに対し、1台500万円を目標価格としているというから驚きだ」とあります。

 私たちの街、広島市の政治・行政のシステムと一番大切な人材の活用システムを再検証しなくてはならない時ではないでしょうか。新政クラブの谷口議員が11月15日の決算特別委員会の全体会議(総括質疑)で質問されたことを取り上げた私のホームページ『未来エネルギー研究機関立地誘導について』にもう一度、目を通してください。

 未来エネルギーに関しては、行政の中からもケガ人が出ています。しかし、時の為政者の指導、管理が適切であれば、大きな花が咲くものになっていたかもしれません。成功と失敗は紙一重です。やさしさと、気遣いがなければ、職員という子供は育ちません。

 水素燃料電池に変わる水素燃焼のロータリーエンジンが1日も早く完成し、地球にやさしいRX−8が走り回ることが、「ヒロシマ」に活力と夢を与えてくれることだと思います。

(※12月7日追加1(コンプライアンスについて))

 近年、コンプライアンスの重要性が叫ばれています。コンプライアンスとは「法令などを守る、遵守する」と訳されます。特に、企業活動において、法令やルールを守ることの意識と管理体制を確立することが、企業としてのあるべき姿として求められている、ということのようです。

 毎日のマスコミ報道を見ても、このコンプライアンスが問題にならない日はありません。法令に違反したことにより、業務停止、トップの退陣、信用の失墜、果ては会社の倒産と、社員にとっても、企業にとっても、また、私たち市民にとってもその損害は計り知れません。

 コンプライアンスで最も重視されるべきことは、個人情報、企業秘密の漏洩防止と言われます。情報を吸い上げようとするあまり、情報管理がきちんとなされていないと、公正かつ適切な経営は実現しないでしょうし、「密告奨励ではないか」とも言われがちになり、ひいては市民社会との調和も図れないでしょう。

 行政においても同様です。ただ法令を守っていればよいということではなく、広く倫理や社会良識、基本的なルールといったについても、組織として、また職員ひとり一人がより意識を高めていくことが、責任ある、また、公正、誠実な行政運営になり得るのだと思います。

(※12月9日追加2(広島の都市像))

 秋葉市長が平成11年に就任されてからこの間、広島の都市像を表現する言葉として使用された形容詞が次表のとおりあります。どれも抽象的な表現で、内容のない、言葉の遊びであるように思われます。


    秋葉市長が広島について形容した表現の一覧
【議会】
平成11年
第1回2月定例会
『世界に希望の風を送り続けた広島』
『市民の市民による市民のための広島市政』
活力ある元気な広島の実現
「ひろしま」のアイデンティティーとしての水都文化
平和をつくりだす、世界に開かれた広島
平成11年
第3回6月定例会
個性と魅力ある都市「ひろしま」
子供と家庭と子育てに優しい町広島
平成11年
第7回12月定例会
「広島のアイデンティティの形成」、「「平和首都」広島の実現」、「健やかで文化的に暮らせる都市広島の実現」、「子供と若者をはぐくむ都市広島の実現」、「活力ある経済都市広島の実現」        
平成12年
第1回2月定例会
多様な国際交流機能を有する「世界都市HIROSHIMA」
平成13年
第5回12月定例会
個性と魅力にあふれた活力ある広島の都市づくり
平成14年
第1回2月定例会
21世紀の広島を『人道都市』として大きく羽ばたかせたい
環境と共生する都市広島の実現
豊かで生き生きとした広島
平成14年
第6回12月定例会
国内外に誇れる美しい都市景観と良好な都市環境を備えた広島
水の都広島
平成15年
第1回2月定例会
『世界に恥じることのない広島』
『世界標準に照らして誇れる広島づくり』
『世界の良識を支える崇高な責任を持つこの広島市』
世界平和の基礎となる『人道都市広島』の創造
安心して暮らせる住み良い『万人の故郷広島』の創造
創造力とエネルギーを生み出す『はつらつ都市広島』の創造
創造力やエネルギーに満ちた活力ある広島
生き生きとして夢のある『あこがれ都市広島』の創造
『時代の変化、市民の価値観の変化』を先取りする『市民都市広島』の創造
『大広島』の創造
『美しい都市広島』の創造

【平和宣言】
平成13年8月6日 21世紀の広島は『人道都市』として大きく羽ばたきたいと思います。世界中の子どもや若者にとって優しさに満ち、創造力とエネルギーの源であり、老若男女誰(だれ)にとっても憩いや寛(くつろ)ぎの『居場所がある都市』『万人のための故郷(ふるさと)』を創(つく)りたいと考えています。

【市長選挙関係】
平成15年2月
(選挙公報)
未来へのレシピ:世界平和の基礎となる『人道都市広島』/安心して暮らせる住み良い『万人の故郷広島』/創造力とエネルギーを生み出す『はつらつとし広島』/時代の変化を先取りする『市民都市広島』
平成15年2月
(リーフレット)
未来へのレシピ:憩いとくつろぎの場となる『万人の故郷』/世界平和の基礎となる『人道都市』/人間的目的のために科学技術を導入し、世界があこがれる『モデル都市・広島』
※同じ時期の選挙広報においても、それぞれ違う表現となっているようです。

 広島市民は、市長が確固たる信念のもとで発する言葉を期待しているのです。その言葉で言い続ける都市像が、市民にとって一番理解しやすいものになるのではないかと思います。理念を説明する部分で、より分かりやすい言葉を選ぶことはあっても、具体性のない単なる言葉の遊びとして軽く都市像を連発されるのでは、市民も理解しにくく、むしろ迷惑なものになるのではないでしょうか。

 広島市民として、議会も行政も市民も「公」に認知しているものは『国際平和文化都市』です。秋葉市長に、自身の都市像があるのであれば、広く市民に認めてもらうような行動を起こせばいいのです。単なる軽い都市像の連発では、広島市民にとっては、その場限りの信念のないものとしか映らないのではないでしょうか。