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(No.121) 平成16年9月21日 『高速道路予算について』

 先週来、広島市の将来の都市基盤が揺らぐような事由が発生しています。マスコミ報道でご存知のことと思いますが、秋葉市長は、高速道路予算案をこの9月議会に上程しない意向を表明し、その理由を「議会に聞いてくれ」と発言したわけです。まさに、広島市の道路行政が進まないのは、議会の責任だと言わんばかりの暴論です。
 しかし、発言後のテレビや新聞の特集を見ても、「明らかに市長の姿勢はおかしい」といった論調の報道が圧倒的多数を占めています。藤田県知事が記者会見で「公共事業の受益者は納税している市民や県民。渋滞問題は一刻も早い解決が求められているのに、あたかも自分たちのお金と勘違いして、出す、出さないということ自体、間違っている」とご立腹されたのも当然のことです。まさに、「市民不在」「行政の私物化」と非難されても致し方ないと思います。

 本来、長は、議会や市民の声を聞きながら、課題の解決策を検討するなどして、市政の方針を確立し、それを実現するために予算案や条例案を議会に提出し、それが認められれば具体的な対応策を講じていくのです。
 議会は、提案された議案を、市政の方針やその時の社会情勢などさまざまな観点から審議するわけですが、それは各議員のそれぞれの判断で賛成・反対の意思表示することで決定されるのです。したがって、市政の方針に合致しない場合や、社会情勢にそぐわない場合は、市議会本会議や各常任委員会等で十分審議した上で、否決もあるし、修正もあるわけです。

 議案を否決、修正されたのであれば、市政の方針、若しくは課題解決のための方策に問題があったのであって、それを市長がまず正すのが筋であるはずです。否決された理由を「議会に聞いてくれ」というのは、全く見当違いも甚だしいわけですし、否決という結果が出るまでの過程を見れば、否決の理由は明白です。議会が説明したり弁明することはあり得ないし、一番重要なことは、予算が伴う案件は長にしか提案できず、議会にはそのような提案権はないのです。

 私自身、太田川渡河部の橋梁方式に賛成するものでありませんが、それでも一応道路整備プログラムは国・県の同意を得て策定されるという大きな環境変化はあったわけです。6月議会の修正理由は、「広島高速道路の建設については、整備プログラムの見直しの結論を先に出すべきであり、それが、これまでの本市の方針に沿ったものである」としており、この理由に照らしてみると、大方の人は今議会で提案されると思っていたわけです。

 仮に、今回予算化されなかった場合の影響は、全体事業の遅延に直接繋がり、その影響額は1年間伸びる毎に約30億円という膨大なものになります。秋葉市長の任期期間である平成19年までだとしても、約100億円の損失を全て市民が被ることになるわけです。
 これだけではありません。このまま高速道路事業が全面ストップすることになると、全体ネットワークの形成はできなくなり、当然収入は見込めなくなります。そうすると、公社の弁済能力はなくなり、県・市に1600億円の債務保証だけが残ることになります。県は、当然弁済に抵抗を示すでしょうから、その場合は市が1600億円全てを弁済せざるを得ません。もちろん、これは市民が負担することになるわけです。単に、公社の存亡の危機といった問題ではないのです。
 その他にも、国や県との信頼関係、市のまちづくり基盤のさらなる遅れ、金額に換算できない膨大な損失を、たった一人のエゴで市民に押しつけようとしているのです。

 秋葉市長が今年の平和宣言で使おうとした『唯我独尊』は、まさに市長自らに当てはまる言葉です。もちろん、一般的に使われている「ひとりよがり」という意味の場合ですが…。

     (参考)…秋葉市政で否決又は修正可決された議案一覧
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(※9月22日追加1(災害対策について))
 昨日、9月21日に9月定例会が始まりました。市長は、いつもの定例会と同じように淡々と提出議案の説明をされていましたが、先ずは、9月7日の台風18号で被害を受けられた市民の皆様に対し、お見舞いを述べ、広島市の被害状況の概要と今後の対応について説明されることが、市民、特に被害者に対する最大の慰めの言葉であったと思います。

 台風18号は、広島市民が過去に経験したことのない最大瞬間風速60.2m/秒という凄まじい自然の恐怖をもたらしたのです。各所で甚大な被害を受け、死者も出たほどの災害だったわけですが、被害者や被害を被った企業、地域の人々が一生懸命の復旧の努力をしていたとき、市長は、中国の北京市へ出張されていました。アクション21(核兵器保有国への平和メッセージ伝達)に係る海外出張で、9月14日から18日までの日程でした。

 広島県知事は、この間、災害報告と1日も早い復旧を願い、周辺市町村長と共に東京へ陳情されています。また、被災地の要請を受けて、井上喜一防災担当大臣は呉市へ、原田正司内閣官房審議官は廿日市市と宮島町へ赴かれ、現地視察をされています。

 平成3年の「台風19号」や平成11年の「6.29豪雨」ほどの被害はなかったとはいえ、被害件数は相当なものであり、市内では死者も出ているわけです。被害金額の詳細はこれから明らかにされるのでしょうが、できるだけ早い時期に災害復旧のための対策を示し、その予算についても議会の承認を受けなければならないのではないでしょうか。

 平和の取組みの講演も平和行政の上からは本当に大事なこととは思いますが、今、市民が望んでいることは、1日も早く安心して生活ができる方法を明示してくれることです。早い機会に台風18号の被害者に対して、市長の心からの言葉がほしいものです。

(※9月22日追加2(広島駅南口開発鰍ノ対する貸付金について))
 9月21日の市長の議案説明の中で、民間人の立場からすれば理解に苦しむところがありました。広島駅南口開発鰍ノ対する貸付金(4億5千万円の長期貸付)ですが、その箇所を紹介します。

 資金不足への対策として、当初の計画では、金融機関からの新たな借入れを予定していましたが、金融情勢の変化等によりそれが困難な状況となっています。
 このため同社は、事態の解決に向け、これまで様々な経営改善を図りながら、本市や金融機関をはじめとする関係者と協議を続けていますが、未だ合意に至っておりません。
 今後、関係者それぞれの責任に応じた支援を行うため、関係者間の協議を鋭意進め、今年度内には抜本的な対策を取りまとめる予定です。それまでの間、資金不足を回避するため、同社の設立の経緯や公益性、経営破綻した場合の社会的影響等を考慮し、当面の措置として、本市が不足資金を貸し付けるものです。
 以上が、抜粋部分ですが、この中で「金融機関からの新たな借入が困難になった」と説明されています。これは、民間企業ならこの時点で倒産です。また「今年度内には抜本的な対策を取りまとめる予定」とのことですが、「今年度内には…」というのであれば、4億5千万円の貸付金は平成17年3月31日まででなくてはなりません。責任ある再建策をつくるのであれば、この貸付金は『長期』ではなく『短期』の平成17年3月31日までとすべきです。これは、金融機関や企業人にとっては常識的なことだと思います。

 驚いたのは、この貸付期間が平成35年3月31日までの20年ということです。ほとんど返済の見込みもないはずですが、企業存続の目処も立たない会社に担保を取るからという理由だけで貸付をしてよいのでしょうか。
 担保にまだ余力があり、また、返済能力があるというのであれば、金融機関との交渉の余地はあるはずです。それができないから市の公金を融資すると言っているのでしょうが、返済されるかどうかも分からない「お金」は、市民の税金です。

 さらに、説明の中には「経営破綻した場合の社会的影響等を考慮し、当面の措置として、本市が不足資金を貸し付けるものです」とあります。このことは、市当局も実質的には広島駅南口開発鰍ェ倒産状態にあることを認めているものではないでしょうか。

 市民に被害の少ない方法を考えてほしいものです。貸し付けなければならないと仮定しても平成17年3月31日までの間であり、その間に真の再建策を構築して市民に明示することが、市長としての当然の責務であると考えますが、皆さんはいかが思われますか。

(※9月27日 追加3(新球場建設について))
 プロ野球再編問題で揺れている中、8月31日に、広島の経済4団体から県、市、県議会、市議会に「新市民球場の建設促進について」という要望書が出されました。要望にあたっては、広島市にその中心的な役割を強く求められていたようです。

 これを受けて、秋葉市長は、あくまで経済界を主体とした推進体制をゆずらず、次のような新球場建設についての「推進体制案」を返されたようです。

 とりあえず、組織を主とした内容を示したものとはいえ、とても実現に漕ぎ着けるような気概が感じられないものです。メインとなる資金確保や収支予測を検討する「資金部会」は、あくまで経済界主体のようです。

 経済4団体の要望書では、広島市主体で新市民球場の建設促進を強力に要望されているのであって、広島市の基本スタンスがどうなのか、つまりは「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように」という『5W1H』を明確にされるのを待っているのではないでしょうか。
 広島市の強力なリーダーシップを、経済界を初めとする全県民、全市民が待ち望んでいるのです。既に『全市民的』な課題になっているはずの新球場の建設について、広島市のトップが、経済界を評して「口だけ出してお金は出さない」と言っていたのでは前に進むはずがありません。

 「ライブドア」と「楽天」は、いずれも宮城県仙台市を本拠地とするプロ野球参入を睨んでいます。浅野宮城県知事は、即座に受入れには万全を期す旨を宣言されました。実現すると、仙台にもプロ野球とJリーグ(J2のベガルタ仙台)が存在することになります。札仙広福で言うと、札幌には日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌(J2)、福岡はダイエーホークスとアビスパ福岡(J2)、そして広島はカープとサンフレッチェ広島(J1)です。

 このように日本の代表的なプロスポーツ、野球とサッカーを基軸として地域の一体化、活性化を求めたフランチャイズ制の確立を市民は求めているのです。地域に根ざした球団にするためにも、広島市のトップが音頭をとって進める気概がないと、これらの都市にどんどん先を越されてしまいそうですが、皆さんはいかが思われますか。


(※9月28日 追加4(高速道路予算と
                 五十嵐法政大学教授のコメント))

  広島市公共事業見直し委員会の主要メンバーであった五十嵐数喜法政大学教授のテレビでの発言(電話取材)を紹介します。
発言:RCCテレビ『ごじテレ』の特集
            「どうなる高速道路整備」(平成16年9月23日放映)
内容:秋葉市長が(補正予算を)出さないということは、非常にいいことだと思います。道路をどうすべきか、根本問題はそこですから、もっと言えば、「美しい都市、広島」を創るために、こういう限られた予算の中で、何を優先すべきかということについて、自分の『哲学』をしゃべる非常にいい機会だと思いますけどね。

 秋葉市長が9月議会に高速道路公社に対する出資金・貸付金の予算(約19億円)を提出しないのは、「議会との確執」が理由だとすると、知事のコメントのとおり、市民不在の「私恨、怨恨」の世界となってしまいます。行政、議会が絶対に陥ってはならない世界です。  市長、あなたの広島市に対する『哲学』は「市民の市民による市民のための市政」ではないのですか。今、広島市民が何を望んでいるかを感じてほしいものです。