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(No.114) 平成16年6月24日 『高速道路事業について』

 6月22日に広島市議会は最終日を迎え、一般会計補正予算案に対して、広島高速道路公社への出資金、貸付金などを減額する修正案を議員提出し、原案を修正可決しました。翌23日の中国新聞には「議論深まらず泥沼化」「メンツを捨て真の協議を」という見出しがありました。また、6月19日の同新聞にも、前日の建設委員会での審査結果(否決)に対して、「市議会建設委南道路反発」との見出しが一面に掲載されていました。
 市議会での議論や過去の経緯をよく調べて、内容を理解した上での記事にしてもらいたいものです。ただ単に、メンツといったレベルで議論した結果ではないのです。

 今議会の議論、結論に至った経緯を少し述べてみます。
 平成16年3月15日の予算特別委員会での谷川委員の質問に対して、当時の木下道路交通局次長は「5月末には見直しによる事業プログラムということで確定をしたい。それを踏まえて事業展開を図っていくというふうに考えており、補正云々ということになると、それ以降ということになろうかと思う」と答弁されてました。
 この答弁に対して、同委員が「すぐ3ヵ月後には補正をやるという非常に中途半端な、おかしな予算ということになっている」と指摘すると、南部財政局長は「16年度の予算編成においては、見直しのプログラムが確定していなかったために、いわば義務的な経費、確定をしている義務的な経費のみを計上したわけである」との答弁です。

 さらに、谷川委員が「高速道路は、また6月に審議するというおかしな形になる。だから、やはりこういう当初予算の中に一旦は事業費は計上して、あるいはどこかの時点で減額補正とか、追加補正といった作業はできるわけじゃないですか」と質問すると、南部財政局長は「広島市としては、最終的には、この高速道路の管理者になるわけだから、本市としての取り組みの方針というのを取りまとめて、それで3者で協議調整後に見直しプログラムを確定するということになっているわけで、見直しプログラムが確定すれば、それぞれの団体はそのプログラムに沿って、必要に応じて予算措置あるいは予算の追加あるいは減額といった補正予算措置を講ずることになると思う」と答弁されています。
 また、池上道路交通局長は「県・公社・市が進めている見直しプログラムの確定した暁には、当然歩調を合わせた額として、出資金は折半であるから、県市当然同額である。そういった補正対応の話を含めて、国・県・公社と協議をして理解を得ている」と答弁されています。

 また、母谷委員が「県・市の関係悪化」を危惧する質問をすると、池上道路交通局長は「昨年から本市の公共事業見直し委員会の立ち上げから進行した市全体の公共事業の見直しのプロセスについては、県を初め国の関係機関、そこらに随時情報を提供して広島市が立てる、いわば非常事態的な変則のプロセス、こういったことが最終的にはそういった形になって、その都度、国・県、そして直轄になったら周辺市町村、そういうところに説明し、本当に広島市の実情に沿った変則的なプロセスということについては、我々、節目節目で丁寧に説明をして理解を求めたつもりである」と答弁されています。

 こうした経緯を踏まえ、先の5月14日の広島市の大規模プロジェクトに関する会議で沈埋トンネル方式の結論を正式に発表し、6月市議会に向けて予算の確定に入ったものと思われます。ここまでの経過は、予算特別委員会での答弁に沿った検討プロセスを経ており、何ひとつ間違ったものはないのです。
 これを前提に6月市議会で予算計上したわけですが、5月31日の県・市トップ会談で、それまでの約束事が全く覆り、結論が出ないままの状態へ変わったわけです。

 大前提が覆れば、予算案は引っ込めるのが本来の姿です。
 新聞紙上では、経過説明抜きで沈埋トンネルか橋梁かの再検証がさも正論であるような記事になっていますが、議会は行政の監視役であり、筋道のとおった議案になっているか注視し、議論し、審議する場です。
 今議会の当初の説明では「プログラムは事業費の高い沈埋トンネルで試算した厳しめのものなので…」とか「太田川渡河部の事業に係る予算は入っていないので…」といった言い訳にはじまり、「西飛行場問題とは切り離す」といったとんでもない発言も飛び出したわけです。
 その後、「プログラムは約束どおり完成できなかった。申し訳ない」との陳謝がありましたが、行政の言い訳や詭弁は公僕として絶対にやってはいけないことです。

 この事業が遅れることの損失は多くの議員は承知しています。来年度の概算要求をするための期限が7月末とのことでありますが、予算特別委員会での約束どおりにならないことを認めたのであれば、この議会では一旦予算を引っ込めて臨時議会を開くことを決断してもよかったのです。
 この問題に限らず、市政が混乱している元凶は市長の決断のなさにあるのです。今後に向けて、まずは、国へ市長自らが出向き、事情を説明し、理解を求めるのが先ではないでしょうか。

 池上前局長の退職を思うとき、どうしても彼が課長時代に情熱を持って取り組まれた2号高架延伸のことを思い起こします。
 観音の2号高架反対住民のもとへ日参し、ふしょうぶしょうではあっても理解を得て高架の部分延伸が果たせ、平野橋付近までの工事着手も舟入地区からの高架道路延伸反対住民に対する説得も行い、ようやく市長の『印』ひとつで着工できるところまで持ち込んでいたわけです。
 その後の都心部延伸工事がストップしたことは皆さんご承知のとおりです。
 その『印』ひとつのすわりが重大な重しであることを再確認して南道路に取りかかり、二度と同じ失敗を繰り返すことのないよう一生懸命気を使い、最善の努力をして合意形成までし、ほっとした時、二度目の裏切りにあったとしか言いようがないのです。
 本来であれば、遅れていた広島市の道路行政も、何とか形が出来上がる5年であったと思います。2号高架も、南道路も、市職員は本当に寝食を忘れ努力したと思います。
『印』ひとつの重さ、市長の権限の大きさに今さらながら「怖さ」を感じるものです。
 皆さんいかが思われますか。