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(No.111) 平成16年5月28日
            
『新球場、南道路、広大跡地、日銀跡地』

 連日、新聞等を賑わしている広島市が抱えるいくつかの課題について述べたいと思います。

1 新球場について
 5月1日の中国新聞の一面、「カープ新球場の2案再浮上」「『現在地で建替え』『ヤード跡地新設』…財界動く」という大きな見出しで始まった一連の動きが日に日にクローズアップしてきました。国・県・市・経済界・市民を巻き込んだ広島市域の都市ビジョンについての関心の高さを現すとともに、「このままでは広島は…」という危機感の現れでしょう。加えて、長い間眠っていた広島経済界の地域経済の活性化・貢献策がようやく動き出したものであり、「民」中心の躍動感の訪れを心待ちにしていた市民、県民も多いのではないかと思います。

 この新球場については、5月24日の中国新聞社説では、「『掛け声』から実行へ」と題して「新球場は広島の街づくりにとって50年、100年の大計となる施設。建設は緊急課題だ」と強調しています。まさにその通りです。
 現市民球場のある場所は国有地で都市公園ですが、本市の都心に位置する一等地であり、この土地はこれからも賑わい創出の最適地であることは間違いありません。都市公園であることから、国も市も他の用途転換が難しい土地であり、したがって、賑わいを創出し続けるためには、「市民球場」を核とすることに全く不思議はなく、「市民球場」であり続けることに行政も方向づけすべきではないでしょうか。

 5月27日の「広島経済レポート」の特集記事には、次のように結んでありました。「戦後の復興期という時代背景に違いがあるものの、47年前には地元経済界の手で市民球場をつくった。まずは、経済界がその気概を持つことが先決ではないだろうか。そして市民パワーを結集し、新球場が誕生すれば広島の自信になり、その波及効果は計り知れない」
 行政は、「民」中心で成し遂げられるような最大限の環境づくりを行うべきではないでしょうか。こうしたことを市は真剣に考え、提示すべきと思います。

2 広島南道路について
 連休明けの新聞には、広島南道路の太田川渡河部の工法、つまり「橋」か「トンネル」かの議論が掲載されています。西飛行場の兼ね合いと工事費の多寡が大きな論点となっていますが、この問題は以前のホームページでも申し上げたように、両者を切り離して判断すべき問題です。県・市トップ会談で工法の方向性は示され、南道路は当面太田川渡河部だけが進捗することになるでしょう。

 しかし、この渡河部だけ、しかも有料道路でどのくらいの利用があるか大きな疑問を感じています。そのよい例が、昨年度実施した有料道路を活用した渋滞対策の社会実験です。商工センターから草津沼田道路も150円の有料では利用車は少なく、無料になれば当然ながら増加する、これが全てを物語っています。太田川渡河部を整備しても有料であれば恐らく利用車は少ないでしょう。暫定的なネットワークの形成がなければとても有効な渋滞対策にはなりません。

 5月17日の中国新聞の社説には「広島都市圏の道路整備は、政令市の中でも大きく立ち遅れている。都市圏を東西に貫く国道2号は渋滞がひどい。慢性的な渋滞による都市圏全体の経済損失は年間1600億円にのぼるという広島国道事務所の試算もある。2号線バイパス機能を持つ南道路の整備は緊急の課題である」と書かれています。

 改めて申し上げます。渡河部の整備だけで、しかも有料でどれくらいの渋滞緩和になるのか疑問を感じます。こうしたことから、無料の国道2号高架の平野町までの早期延伸が、工期的にも、施工の面からも、効果の面からも有効であると思います。

3 広大跡地について
 5月下旬になって突然浮上したのが広島大学跡地の早期決着の問題です。中区東千田町一丁目の全体面積は約11.4haですが、広島大学東千田キャンパス(現法学部・経済学部夜間コース)約1.5haと、広島市が既に取得整備した東千田公園約3.0haを除いた跡地約6.9ha(国立大学財務・経営センター所有分)が今回買い取りの打診をされているところです。


 これまでの当該地区の利活用の経緯を紹介しますと、平成7年3月に広島市が「遊創の杜構想」を取りまとめ、平成8年3月に東千田公園用地約3.0haを取得しています。そして、平成9年9月からは「第14回全国都市緑化ひろしまフェア」を66日間にわたって開催し、取得地の有効利用もしてきました。平成10年3月には「映像文化創造拠点施設整備構想」を発表しましたが、財政状況を踏まえ、基本計画策定までには至っていません。

 その間、県は、平成9年2月には「がんセンターの候補地」の4ヶ所の一つとして、また平成10年12月には「県庁舎建替えの移転候補地」の3ヶ所の一つとして表明されました。その後、平成12年9月には「がんセンター整備構想の凍結」を、また、平成14年2月には県議会本会議で「県庁舎移転候補地として広大本部跡地が有力」と表明されました。なお、平成15年6月には県議会本会議で「県庁舎は現段階では移転整備は困難」と表明されています。

 県も市も、構想が二転三転し結論が出ないまま今日まで来たということで、行政の無責任さが表面に出てきたことは間違いありません。
その上、平成16年4月には、国立学校財務センターが独立行政法人「国立大学財務経営センター」に、「平成16年度には土地を処分する」との方針を示し、県・市へ土地取得を確認する文書を送付して来たことから社会面での騒ぎが起こってきたものです。

 図面をもう一度見ていただくと、「旧理学部の1号館」が被爆建物として現存しております。
 広島大学をはじめ文部科学省、国立学校財務センターは、この被爆建物をどのように保存すべきなのか、また、その財源はどうするのか、仮に使用するのであれば誰が何に使用するのか、それとも解体して更地にするのか、といったことを検討すべきであり、何の条件もなく売却方針を示すのはいかがなものでしょうか。
 被爆都市にとって、また被爆者にとっては重大な問題なのです。こうしたところを広島大学、文部科学省、または国立大学財務・経営センターが責任を持って検討し、示すべきです。

 県も市も国もこの建物の取り壊しは「大変しんどい」ものがあると思いますが、唯一方法があるとすれば「民活」しかないのではないでしょうか。「被爆」ということが全ての計画に影響を与える広島の現状をよく見てほしいものです。
 こうした観点から、県市共同して跡地利用にかかる民活の方法を考えるべきであり、そのためには規制の緩和やゾーニング指定等々、利用方策等を早急につめるべきと考えます。

4 旧日本銀行広島支店について
 次に、日銀跡地の活用についてです。



 日銀跡地は、半分は有料で民間に売却され、被爆建物である旧館が文化財保護法による重要文化財に指定された場合には、その土地、建物を「広島平和記念都市建設法」に基づき、広島市へ贈与する方針となっています。
 日本銀行も、仮に解体し売却したらどうなるのかといった試算もされていたと思いますが、被爆建物に手をかけることの「怖さ」を認識されたものと思います。

 現在、広島市が管理していますが、これを多目的な公衆の建物として、建築基準法、消防法に照らして開放した場合、大変な投資が必要とされるはずです。
 ただ、現在の利用形態については、市民の皆さんは何か変だなと感じておられると思います。それは正面の木造のスロープです。身障者やお年寄りの方々への配慮でしょうが、防火対象物への木造工作物ですし、また、建物正面のデザインに一番気を配らなければならない所への木造スロープです。誰が見ても奇妙ではないでしょうか。
 弱者対策であれば、エレベーターかリフトを景観に影響しない所へ設置するのが行政の役割です。一時的な使用だから木造スロープでいいというものではないと思います。

       

       

5 実現に向けて
 5月17日の中国新聞の社説には、「県と市の足並みがそろわず、肝心の基盤整備が遅れることは、広島都市圏の活性化にとってマイナスである。結論を先延ばしにするほど、デメリットは大きくなるばかりだ」とありました。また、5月24日の同紙の社説には「今広島に求められているのは一枚岩だとは言いにくい県、市、経済界などの結束である。新球場建設がその試金石になるし、広島再生につながるのは間違いない」とあります。
 行政、経済界、市民がともに知恵を出し合う方法を構築する時が「今」ではないかと思いますが、皆さんはいかが思われますか。

(追伸1(国民年金未納問題について))

 5月6日に記者会見で「ちゃんと払っていると思うが調べてみる」「払わないとの意図をもって払わなかったことはない」と述べられていました。それを受け、5月27日に秋葉市長の年金の未納について発表されました。
 コメントは「広島修道大学の客員教授であった昭和61年(1986年)8月から昭和63年(1988年)3月まで、1年8ヶ月の期間が結果として未加入であったことは大変残念に思っている」といった内容です。

 因みに私、平野博昭は昭和47年5月9日〜同年9月30日までの5ヶ月間と、昭和51年12月10日〜昭和53年3月31日までの1年4ヶ月、合計1年9ヶ月が未納になっていました。
 この間は議員秘書の資格がなくなり、失業者の時代です。しかし、理由がいかなるものであれ、未納であることは間違いなく、議員として恥じるものです。
 なお、妻は完納しています。

    
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(追伸2(広島地下街開発且ミ長について))

 5月27日付けの広島経済レポートに、「広島地下街開発且ミ長に民間出身者起用」「広島高速交通鰍フ中村社長兼務へ」との記事があります。言い換えると、「アストラムライン」の社長が「シャレオ」の社長を兼務するということです。2社とも広島市の第三セクターであり、秋葉市長の指示で動く会社であることは間違いありません。

 確か、アストラムラインの時も当時の上川社長が努力し、経営に何とか目安がついたとき交代しました。今回のシャレオも現在の池原社長と社員の努力でテナント売上げが目標を上回るなど順調に推移しているときの交代です。いずれも、秋葉市長と子供の頃からの友である中村氏への交代です。

 市長選挙で当選された秋葉市長が権限を持っている人事ですので、私たち議員は何の嘴も挟めないわけですが、世間に対し、あまりにも広島市民を信用していないことを露呈しています。市職員の中にも、OBの中にも、経済界にも、これら第三セクターを経営する能力ある人物が見当たらないのでしょうか。
 ここは「公」の広島市であり、秋葉個人の「私物」ではないのです。

 また、二つの第三セクターを引き受けられる中村良三社長は大変な自信過剰なスーパーマンであるとの風評を聞いています。モンロー主義で広島人でなければならないとも言いませんが、あまりにも勝手すぎやしませんか。

 中村氏は月刊「春秋」6月号に「これからの都市のあり方を世界に示すポテンシャルが、広島市にはある」と題して寄稿されています。
 その文章の最後に、「犯罪をなくし、既存の街とSC(ショッピングセンター)の共生関係作り出し、車をコントロールし、『歩いて暮らせる街』となる」という新たな正の連鎖を創ることで、広島市は『住みやすい都市』となることを目指すべきだと思う、と述べておられます。まさに世界に比類のない都市になるのでしょう。都市インフラである道路、車も、電車もなくていい「住みやすい都市」とは年金生活者にとっては大変都合の良い街でしょうが、生活の基本である「賃金」はどこから誰が受け取るのでしょうか。現在、広島市に望まれているのは、活力ある元気な広島市ではないでしょうか。

 もう一つ気づきですが、前回までのシャレオの社長就任時には助役が金融機関をはじめ経済界を訪ねられたと思います。今回は何故、そういった動きがないのでしょうか。広島市の第三セクターは万全の経営状態なのでしょうか。いつか、資金的にも経営的にも破綻が来た時には必ず公的資金の投入が必要であることを心に留めておいてください。