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(No.109) 平成16年5月14日
        
『財政再建団体に陥る、という脅しに敗けない』

  今回は、『ビジネス界(2004.5)』の巻頭言への寄稿文を抜粋して紹介させていただきます。

 新年度予算を審議する市議会も終わり、平成16年度が何とか船出できました。
 市の財政は長引く景気の低迷により市税収入は伸び悩みの状況にあり、市債の残高は一般会計で9500億円を超える大変厳しい状況にあります。特別会計債や企業会計債を加えた市債総額は1兆7000億円を超え、予想以上の厳しい情勢といえます。このため、平成15年度を計画年度とする「第2次広島市行財政改革大綱」や「広島市財政健全化計画」の方針に沿って、事務事業の見直しなど全庁を挙げてはじめ、都市機能の強化、都市の魅力の向上、地域経済の活性化など、山積する諸課題に的確に対応していく必要があります。

 このような状況の中、総額1兆1253億円強の平成16年度当初予算など計63件の議案が議会に提案され、一部を修正の上可決しました。この度の予算特別委員会は、所管別審議に加え、今回初めての試みとして総括質疑も行い、延べ145名の委員により活発な質疑が行われました。この中で、予算特別委員長報告の「組織・人事管理」については度重なる不祥事により、市行政及び職員に対する市民の信頼が著しく失墜したことを厳しく受け止め・・・とあり、また、「行政改革の推進」については、引き続き事務事業の見直し、人件費の削減及び未利用地等の売却促進・有効活用などに努める・・・とあります。その中で、財政再建に向けた行政の思いの中で、たびたび「このままの状況が打破できなければ財政再建団体に陥ります。それは企業で言えば、一種の破産状態で会社更生法の適用を受けることに相当するものと言われています。」との説明をされ、明日にでもそうなりかねないような『錯覚』に陥るような説明をされています。

 赤字額が標準財政規模の20%を超えると再建団体となります。仮に再建団体になれば、自主再建方式か、準用再建方式のいずれかの方法を選択するようになりますが、一般的には、制約が少なく継続的な行政サービスが提供できる準用再建方式が選ばれるようです。これは、議会の議決と総務大臣の承認を受けた「財政再建計画」に基づいて予算編成が実施され、財政を建て直すものです。
 果たして、広島がここまで混迷の様相を深めるとは誰が想像したでしょうか。
 確かに財政再建への道のりは職員一人一人、市民一人一人がその意識を持って取り組まなければならないことは分かります。しかし、このことにより広島が失ったものがあまりに大きいことも認識すべきです。

 貨物ヤードの夢、臨海部の街づくり、広域連携の基礎づくり、広島の将来が見るも無残に打ち砕かれ、残ったものは当該年度の支出を極端に抑えて得たプライマリーバランスの黒字という結果です。プライマリーバランスを評価しないと言っているわけではありませんが、将来性をも広島から奪い取って、果たして都市の魅力の向上、地域経済の活性化などを主張できるのでしょうか。
 確かに、事前の危機を察して手立てを講じることは大切です。しかし、必要以上に「大変だ、大変だ」と叫び、その声に躍らされて、市民の夢や経済界の希望が一つ一つ幻として消えていったのも事実です。

 先人の英知の結晶で築いた広島市をどうしていくのかは、市民と行政と議会が冷静かつ着実に進めていくべきだと考えています。
 私たちが今まで経験したことのない状況が続いていますが、基本は、市民に信頼される政治です。そのためにも、より多くの情報を収集し、また発信していくことで、皆様方との意思疎通を図っていきたいと思います。今後とも、より一層のご協力をお願いします。