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(No.87) 平成15年12月11日『タウンミーティングでの市長発言について』

 平成15年12月3日に安芸区民文化センターで行われたタウンミーティングで、市長は平和問題や貨物ヤードの問題、公共事業見直しの問題などをとうとうと述べられていますが、発言要旨を見て懐疑の念を抱かざるを得ません。

(その1)…平和の訴えについて
 まず、平和問題についてですが、市長は「広島、長崎がメッセージを伝えることをやめたら、そのメッセージは世界にも日本にも届かなくなります」「広島がやめても国が全てやってくれるということなら、そういう選択肢もありますが、そういう状況ではありません」と述べられています。

 これについては、種々の意見があると思います。
 市長がやっているように、世界を行脚し核廃絶と平和を訴えていくことこそが恒久平和実現に向けた唯一の手段だという人もいれば、この国際社会で生き延びていくためには自衛の軍事行動はやむを得ないもので、それを批判している側は平和ボケ以外の何物でもないと言い切る人もいます。

 イラクや北朝鮮の問題が私たちの身に降りかかっておりますが、こうした問題は基本的には国家が中心となって対応すべき問題です。また、イラクや北朝鮮を弾圧や飢餓から救い平和をもたらすには国家間の協調で何としてでもやり遂げなければならない問題です。

 こうしたことから考えますと「広島がやめても国が全てやってくれるということなら…」という安易な発想で平和問題に取り組んでいること自体が、現在の国際情勢からいかに懸け離れているのかと思わざるを得ません。
 訴えることも確かに必要です。しかし、その重要性を認識しているのであれば、「国が全てやってくれるということなら…」ではなく、広島市が真剣に国に働きかけていくことが被爆地広島の役割ではないでしょうか。
 一被爆者として切に思うものです。

(その2)…募金活動について
 新藤兼人監督による被爆の瞬間を描く映画制作について、市長は「(制作費20億円の)約半分くらいの資金を大手の企業や大きな団体に出してもらい、残り半分を様々な募金活動でできないかと考えています」と発言されています。

 つまり10億円の募金活動ということですが、これは明らかにいつもの思いつきです。それと言いますのも、同じタウンミーティングにおいて、貨物ヤード跡地利用の質問に対して、市長は「実際に募金によりお金を集めて事業をした自治体は世界的にたくさんありますが、大体1億円を集めるのに大変な苦労をしています」「行政が募金の旗を振ってもほとんど集まりません」と述べられているわけです。
 同じ日、同じ場所で、相反することを平気で発言できるものでしょうか。一方では、受けのいい言葉に使い、他方では、言い訳に使っているのです。いかに無責任な言葉を発しているかお分かりいただけると思います。

(その3)…貨物ヤード跡地利用について
 市長は、今回貨物ヤード跡地利用が頓挫した経緯について説明されていました。しかし、全く主体性の感じられない言葉に辟易してしまいます。
 「色々と話を聞いてみますと…」「…という風に聞いています」とまさに他人事です。市長自身がプロジェクトの決定権者であることをお忘れなのでしょうか。

 そして、今後については「もう一度初心に戻って、どういう施設がいいのか考えたいと思います」「色々な声も活かしながら、財政的な面でも実行可能な計画をつくって、できるだけ早く推進したいと考えています」といった調子です。

 決断力と行動力が伴わない限り、このプロジェクトは絶対成し遂げることはできません。せいぜい暫定利用として、期間限定テーマパークでも誘致して一時の賑わいをもたらすのが関の山ではないでしょうか。手近で、絶対ヒットするのは、劇団四季のライオンキングをテント小屋で長期公演してもらうことです。最も、こうした場合でも用地再取得の問題はクリアできませんが…。

(その4)…公共事業見直しについて
 市長は「公共事業見直し委員会の役割は、本来は議会の機能です」「残念ながら、現在の複雑な社会の中でシステムとして段々そういう役割が果たせなくなってきました」と述べられています。

 何をか言わんやの思いです。学者ばかりの委員会を勝手に立ち上げておいて、議会にはわずかばかりの状況報告だけです。「本来は議会の機能です」という認識があれば、少なくとも議会に見直し方法や決定方法について説明するはずです。
 それから、議会の主たる機能は、行政(市長部局)から提案された案件を審議し議決することです。自浄作用のない行政を叱正するためには、特別委員会を設けて審議してもいいのです。

 そして、市民から「公共事業見直し委員会の委員は大学教授のような人ばかりで、幅広い立場の人が参加しているとは言えない」と質され、市長は「遠くからの印象で言う前にぜひ実際に聞きに行って下さい。そこで行われている議論がおかしいかどうか、何か隠すようなことはしていないか、見てください」と逃げの言葉を発せられています。

 また、最後に「この委員会は力のある委員会ではありません。具体的に強制力がある決定ができるのは議会です。議会の皆さんにも諮りながら、我々としてはできるだけ見直し委員会の考え方を尊重したいと思っています」と意味不明で全く筋が通らない発言をされています。
 最終的には、議会に責任を取らせたい意向のようですが、それ以前に「見直し委員会を尊重する」というのはいったいどういうことなのでしょうか。
 さらに、市長は「広島市の財政が悪くなったのは、無計画な公共事業をやってきたその結果として財政状況が悪くなったということです」と自らが平成11年から5年間もやってきたことを全く棚に上げています。全く「責任」という言葉が当てはまらない人だとつくづく思います。

 以上、長々と述べてまいりましたが、市長の基本的な姿勢がお分かりいただけましたでしょうか。