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(No.85) 平成15年12月2日『広島未来エネルギーの研究・推進組織について』

 11月21日の中国新聞に「広島未来エネルギー研究会が推進協に移行」という見出しで、「研究所は国の補助制度を活用して建設する」「広島市が引き続き事務局を担当する」とありました。(注:なお、研究所の整備は国の補助制度ではなく、地域整備公団が主務大臣の承認を得て整備し賃貸することとなっている。)
 確かに、未来エネルギーの研究開発拠点が将来の広島市の大きな知的財産になることは間違いないと思います。地球環境との共生はもとより、デフレという経済環境に順応した企業戦略を地元で推し進めるためにも、こうした未来を創造する拠点はかけがえのない財産になると思います。

 この未来エネルギーの研究開発を推進する組織として「広島未来エネルギー推進協議会」が産学官連携のもとで発足したわけですが、そのメンバーを想定すれば、中心となっているのは当然ながら大学や研究所であろうし、それに企業のエネルギー部門や行政がいかに関わるのかといったことがポイントだと推察されます。
 そうであれば、広島市との関連で広島市立大学が入ってなければならないし、広島県全域で推進しようとするのであれば広島大学がなければなりません。また、行政も広島市だけでなく、広島県も東広島市も同一の席に付かなければならないと思います。

 しかしながら、実際の推進協のメンバーを見ると、地元の大学で入っているのは広島大学だけであり、また、行政としては広島市だけです。
 経済のグローバル化に起因するデフレ下で、日本の経済を支えているのは地場も含めた企業の高い技術水準です。世界の先端を走れるような産業を広島に根付かせようとするのであれば、推進メンバーについても考慮していくべきです。
 単に発信だけすればいいという姿勢ではなく、本当に広島の既存産業の高度化や新産業の育成につなげていくためには、研究・技術の発信源である広島の大学・研究所と企業、行政がいかに連携・協力するのかが大きなポイントであり、その根本の知識のない行政だけが先走っても何ら成果は上がらないと思います。

 なお、地域整備公団がこれまで整備した実績は「インキュベーション・オン・キャンパス本庄早稲田」「クリエーション・コアかずさ」「クリエーション・コア名古屋」「クリエーション・コア東大阪」「クリエーション・コア福岡」と5例ありますが、どの施設も本格的な稼動はこれからのようです。
 広島市は、平成17年の実施に向け努力されているようですが、家賃の助成など多大な財政負担を伴うものです。こうした財政負担についても検討されているのでしょうか。

 いずれにしても、商売をしたことのない行政には商いはできません。行政として何をすべきなのか、どこまでのことができるのかをもう一度考えてみるべきです。
 世にいう「武士の商法」にならないよう、まずは大学や研究室に負けない人材を確保することも試みたらいかがでしょうか。

  (追伸1(広島地域の大学の活用について)

 広島市公共事業見直し委員会も、広島市補助金制度検討委員会も、委員の顔はほとんど重複しています。それだけでなく、委員会を主として構成している学者はほとんど県外の大学教授です。
 前者は、7人の委員全てが大学教授ですが、その内4人が県外です。また、後者は、6人の委員のうち4人が大学教授ですが、内3人が県外です。前述した広島未来エネルギー推進協議会の構成員も、大学だけでいうと、広島大学が2人、早稲田大学が4人で、今回加わった筑波大学が2人です。

 何故、広島地域の大学の参画がないのでしょうか。
    

 広島地域には大学が15校もあります。教授も1,325人おられ、教鞭を執りながら自己の専門分野を研鑚されています。広島の経済・文化も熟知し、それぞれの分野の研究を行い、成果も発信されています。
 広島の大学が地元経済圏に与える影響は非常に大きなものがあると思います。これだけの大学があり優れた教授が揃っているはずなのに、行政はなぜ広島以外の人材を望むのか理解に苦しむところがあります。仮に、地元大学に科学技術の専門課程がなくても、それなりの活用法を行政は考えるべきではないでしょうか。

 外からの「知」に頼ったり、己の人脈をたどるばかりでなく、地元で共に努力し、励まれている大学、学生、教授へも目を向けるべきです。
 また、広島市には広島市立大学があることを決して忘れてはなりません。市立大学も、今後、大学経営の道を独自で切り開いて行かなければならないことを認識すべきです。

  (追伸2(公共事業見直し委員会について)

 12月1日の「市民と市政」の『市長日記』で、市長は公共事業見直し委員会の特徴を3点挙げられています。

 まず、一つ目は「委員会の委員は、皆さん一流の頭脳と経験をお持ちの方であり、(中略)私たち市民になり代わって、公平公正な立場から、公共事業について考えてくれる意義は大変大きいと思います」とあります。
 繰り返し申し上げるようですが、広島市域に在住の方には、一流の頭脳と経験をお持ちの方は一人もおられないのでしょうか。また、市民になり代わって、公平公正な判断ができる人格者はいらっしゃらないのでしょうか。
 そもそも、市民になり代わって、全責任を持って「市政の舵取り」をするのが、市長の役割ではないでしょうか。

 次に2つ目は「委員会の審議が第1回目を除いて全て公開されたことです」とあります。
 これも繰り返し申し上げますが、この第1回目の会議が全てであり、『結論ありき』の委員会です。第2回目以降の会議は形式に沿って行われたに過ぎません。11月14日のホームページをご覧下さい。

 3つ目は「きちんと事実を整理し、整理された事実に基づいた合理的な議論や判断に加えて、定量的な費用便益分析などを駆使し…」とあります。
 この『整理』についても、平成13年9月の「大規模プロジェクトの今後の見通しについて」を焼き直したものに過ぎません。
 また、「定量的な費用便益分析などを駆使し…」と述べておられますが、とても全ての大規模プロジェクトを横並びに定量的な分析を加えた結果とは思えません。11月14日と17日のホームページをご覧下さい。

 市長も就任5年目が過ぎようとしています。この5年間に自分自身で決裁された事業も多々あります。
 これらの事業が成就しなかったり、誤算が生まれたり、途中で方向転換したものなどいろいろあるようですが、全て自己責任であることを忘れないでほしいものです。

(※12月4日追加1(市長の海外出張について))
 11月28日のホームページで政令指定都市の市長の海外出張の状況について掲載しましたが、未回答だった横浜市と名古屋市の状況が分かりました。
改めて、各政令指定都市の状況をお知らせします。

   表.政令指定都市の市長の海外出張の状況(H12.4〜H15.10)
都市名 12年度 13年度 14年度 15年度
(10月まで)
回 数 延日数 回 数 延日数 回 数 延日数 回 数 延日数 回 数 延日数
広島 25 19 16 35 10 95
札幌 17 12 35
仙台 21 13 29 10 63
さいたま H13.5.1発足 14 23
千葉
川崎 11
横浜 13 33
名古屋 16 18 13 47
京都 10 26
大阪 25 26 12 13 13 76
神戸 28 13 25 11 16 77
北九州 33 25 26 20 20 104
福岡 26 20 28 12 17 86

都市名 年度平均
回 数 延日数
広島 2.8 26.5
札幌 1.7 9.8
仙台 2.8 17.6
さいたま 1.2 9.2
千葉 0.3 2.5
川崎 0.6 3.1
横浜 2.0 9.2
名古屋 1.7 13.1
京都 0.8 7.3
大阪 3.6 21.2
神戸 4.5 21.5
北九州 5.6 29.0
福岡 4.7 24.0

 海外出張が多いか少ないかは、その都市の首長の判断です。FIFAワールドカップなどの世界的な大会があれば、当然出張回数も増えます。
 それでも、各都市の状況を押し並べてみると、そのほとんどは姉妹都市、友好都市との交流や、海外ポートセールスなどの経済活動が主だった内容です。
一例として、横浜市長の海外出張の状況を紹介します。

       表.横浜市長の海外出張の状況(H12.4〜H15.10末)
年度 行  先 目     的 出張期間
(日数)
12年度 バンクーバー
(カナダ)
アムステルダム
(オランダ)
ロッテルダム
(オランダ)
○バンクーバー姉妹都市提携35周年記念式典
 出席ほか
○サッカー欧州選手権大会(EURO2000)視察
 ほか
12年 6月26日
から
12年 7月 4日
まで
(9日間)
13年度 釜山広域市
(韓国)
○2002FIFAワールドカップ本選抽選会出席
 ほか
13年11月30日
から
13年12月 2日
まで
(3日間)
14年度 ニューヨーク
(米国)
○国際連合子ども特別総会サイドイベント出席
 ほか
14年 5月 8日
から
14年 5月12日
まで
(5日間)
ソウル特別市
(韓国)
○2002FIFAワールドカップ開幕式出席ほか 14年 5月30日
から
14年 6月 1日
まで
(3日間)
15年度 クアラルンプール
(マレーシア)
○経済交流・都市間協力の推進・発展のため 15年 4月14日
から
15年 4月18日
まで
(5日間)
ムンティンルパ市
(フィリピン)
○第18回シティネット実行委員会出席ほか 15年10月18日
から
15年10月21日
まで
(4日間)
高雄市
(台湾)
○海外ポートセールスほか 15年10月23日
から
15年10月26日
まで
(4日間)


(※12月4日追加2(中田横浜市長『なせば成る』))
 平成14年に37歳で横浜市長に就任された中田宏氏が、『なせば成る〜偏差値38からの挑戦〜』という本を出版されました。
 内容は、若い市長らしく歯切れもよく、責任感にあふれ、本のタイトルどおりの気概を感じさせるものとなっています。一部を抜粋して紹介します。

 『えせエリートのルールなんてクソ食らえ』の項では、「昔から『力のない正義と正義のない力』は両方とも無力だといわれている。それと同じで、人間性の伴わない頭のいい奴など、僕からいわせれば最大の欠陥品でしかない。人間性というのは、自然と接し、人と接し、命の貴さを知り、人の心を慮れる経験を積んできてこそ身につくものではないだろうか」と述べられています。

 『あとから文句をいわない』の項では、「僕は就任以来、『市役所は知恵の宝庫。職員の意見に耳を傾け、謙虚に行動し、かつ決断する勇気を持って市政を運営する』といいつづけてきた。僕よりも年齢が高く、経験も豊富な職員の意見は、とても貴重なものだからだ。松下幸之助さんは『社長は人の意見を聞くことが肝要である』といった。僕もそれを肝に銘じている」と、中田横浜市長の基本的な姿勢が窺えます。

 「礼儀」の項では、「かの本田宗一郎さんが『技術の基本は礼儀だ』と、なにかの本で語っていた」「本田さんいわく『技術だってその根本は礼儀なんです。相手を尊重することからあらゆることが始まるんですよ。礼儀は人間の基本です。科学技術などはひとつの手段にすぎません』と、鋭く喝破してくれていた」と、人間の基本が何かを理解されています。

 首長のリーダーシップいかんで行政が変わります。首長の姿勢いかんで都市のイメージさえ変わります。首長の背にのしかかった責任は大変大きくかつ重いものです。
 このような世相だからこそ、首長が明るく振る舞い、各人の意見に耳を傾け、かつリスクを負いながらもきちんと決断し行動していく姿勢があれば、市民にとって、分かりやすく身近に感じられる市政となるのではないでしょうか。
                


(※12月4日追加3(秘書給与流用について))
 もう一冊紹介します。日野睦子著の『日々是選挙〜代議士の家族はツライ!〜』です。
 日野睦子氏の父・日野吉夫氏(故人)は、宮城県2区選出の旧社会党代議士で、長兄の日野市朗氏(故人)は民主党で二世議員です。
 代議士の三女として生まれた著者が、当選することが至上命令となった一家の、悲しく可笑しな暮らしぶりを率直に綴った本です。
 読んでいると、本のタイトルと同じ「日々是選挙」の項で、気になる見出しがありました。
 「当たり前だった秘書給与流用」というものですが、著者は、秘書給与の流用は恒常的に行われてきたことのように思われているようです。是非、ご一読下さい。