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(No.78) 平成15年11月7日『公共事業見直し委員会について』

 広島市公共事業見直し委員会の中間報告書が10月30日に提出されました。副題には「美しい都市広島をつくるために」とあり、5事業の中止が明示されています。
 市長はこの報告内容を尊重すると言っていますが、ここに至るプロセスには多くの人が疑問を抱いていると思います。

 まず、報告書を作成された委員会の構成ですが、設置要綱の第3条には「委員会の委員は、15人以内とする。委員は、公共事業の見直しについて学識経験を有する者のうちから、市長が依頼する。」とあります。そして、公共事業見直しの主旨は、「その事業が将来にわたって広島に必要なものか、他と比べて優先すべきものか、さらには、将来世代へ過大な負担を強いることにならないかなどを慎重に見極めつつ、市民の視点、専門的・客観的視点などを踏まえ厳選する仕組みを作り、公共事業の選択を行っていく必要があります」とされています。
 しかし、委嘱された委員数は半数以下の7人です。検討体制そのものにも疑義がありますが、それにしても何故15人に対して7人なのか。広島市が現在抱えている事業は市長の目からすれば簡単、単純かつその重みも感じられないものなのでしょうか。

 これらの事業を位置づけ、ここまで辿り着いたその時代背景を見ると、その時々において真剣に議論を積み重ね、市が進むべき路を模索しながら方向づけしているわけです。
 そうした経緯からすれば、今回の不要不急なものをどうするのかという大きな問題を軽々しく扱えるはずがありません。委員の数にして然り、人選にして然りです。
 市民の声を汲み上げながら位置づけた事業であれば、少なくとも市民の立場から多くの目で確かめながら真剣に取り組むべき問題であると思います。

 次に検討の進め方ですが、初回の会議は平成15年7月18日に開催されています。しかし、何故かこの時の会議は非公開です。このような重要な会議の初会合が非公開ということは、誰が見ても、はじめから「結論ありき」でしかなかったのではないかと思います。
 市長がいつも発する「透明性」のかけらも全くないのではないでしょうか。先ほど述べた委員の数も人選も然りですが、会議の内容も初めから作為があったと推測されても仕方ありません。

 最後に、取り組みの度合いを見てもらうために、委員会が実施した各局へのヒアリングの回数と所要時間、出席者を表にしてみました。


◎ヒアリング実施状況
月日 時 間 担当局 実 施 委 員
8/4 @ 11:00 〜 11:16 企画総務局 地井、伊藤、若尾
A 11:18 〜 12:00 消防局
B 13:30 〜 14:30 下水道局
C 14:30 〜 14:50 市立大学 地井、若尾
D 16:00 〜 17:00 病院事業局
8/5 E 11:00 〜 12:15
  13:30 〜 13:50
環境局 地井、伊藤、若尾
F 14:00 〜 15:16
  16:00 〜 17:13
都市計画局
8/7 G 11:00 〜 12:00
  13:00 〜 17:13
都市整備局
8/12 H 13:30 〜 15:00
  15:30 〜 16:30
道路交通局 地井
8/13 I 11:00 〜 12:00
経済局 地井、山家、若尾
J 13:30 〜 14:50
  15:30 〜 16:20
社会局
8/18 K 11:00 〜 11:55
  13:30 〜 14:05
教育委員会 地井、伊藤、若尾
L 14:10 〜 14:25 都市整備局
9/4 M 11:00 〜 12:00 道路交通局 地井、肥田野


◎ヒアリング時間調(局別)
ヒアリング項目数 ヒアリング時間(分)
企画総務局 16
社会局 11 130
環境局 95
経済局 60
都市計画局 149
都市整備局 14 328
道路交通局 18 210
下水道局 60
市立大学 20
消防局 42
病院事業局 60
教育委員会 90
合計 73項目 1260分
(21時間)


 市長は、短期間で方向性を出すために、各分野の専門家と思しき人物に全てを託されたのだと思いますが、市民の立場からすれば、こんな少人数で、しかもこんな短時間で、簡単に市の将来の方向づけができるのか不思議に思われていると思います。
 もちろんこのヒアリング結果をもとに数回の委員会が開催されたことは承知していますが、本当に広島市の将来を真剣に議論し、検討された結果なのでしょうか。
 わずか7人で(ヒアリングを実施したのは広島市在住を中心に5人)、それも学者だけの小集団が偏った方向づけを行い、中止したときの影響分析も行わず、市民の声を聴くことも一切せず、わずか21時間のヒアリングで出された結果に対して「尊重する」と即答できるものでしょうか。結論は自らの頭の中で出しているが、直接の責任追求を回避するため委員会を前面に押し出しているとしか思えません。
 もちろん今後、この報告をもとに市としての方向づけは示されるのでしょうが、市長の軽はずみな言動について、皆さんはどのようにお感じですか。


  (追伸(地井座長とは…))

 公共事業見直し委員会の地井座長の経歴をホームページで見ました。「建築家、広島大学大学院教育学研究科教授で、農山漁村の地政学的な研究、海辺の集落を考える人類学の試みなど幅広い研究活動を行っている。建築家としても1985年に共同設計した瓦屋根をドーム状に展開した『安佐町農協町民センター』で通商産業大臣賞を受賞した。」と書かれています。
 この『安佐町農協町民センター』はバブルのはじまりの頃の建物で市民の皆さんはよくご存知だと思います。安佐町農協が華やかなりし頃の作品でありますが、奇抜なデザインとは裏腹に使い勝手が悪く、利用価値のないお荷物だという評判も聞きました。現在は、解体されて写真でしか見ることはできません。



 建築名:安佐町農協町民センター
 設計者:(株)象設計集団+地井昭夫
 所在地:広島県広島市安佐北区安佐町大字飯室1548-1
 ●第4回金賞「通商産業大臣賞」受賞作品
  →現在は解体され更地となっている。