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(No.60) 平成15年7月17日 『被爆60周年』

 
平成17年には、被爆60周年を迎えます。この大きな節目で、必ずや記念事業を行われることと思います。私も被爆者の一人として大変関心を寄せています。

 被爆者数の統計を見ますと、平成14年3月31日現在の直接被爆者数は53,596人です(市内の被爆者総数は86,779人)。
 このうち、55歳から59歳までが7,876人、60歳から64歳までが9,952人で、これらは私の年齢と同じ区分ですが、一番若年層になります。そして、90歳以上は2,336人です。

 被爆者が高齢化する中、今、核廃絶だけを声高らかに表明するだけでいいのでしょうか。本当に必要なことは、86,779人の被爆者に対し、市行政として今できることを実行するということではないでしょうか。
 核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」というのは、万人の持っている望みであり、もちろん否定するものではありません。しかし、被爆者として、今一番望むことは、3つ目の原爆特別養護ホームであるというように思います。

 平成14年の平和記念式典に出席された坂口厚生労働大臣も被爆者の実態にふれられ、第3原爆特養ホームの必要性を認められておりました。何故、この第3原爆特養ホームの国への要望が1年も遅れたのか私たち被爆者は理解できません。平成15年度の国要望には掲げているようですが、行政としての1年の遅れは大変な失態であると思います。
被爆60周年となる平成17年にはどうしても完成していただきたいものです。

 また、黒い雨の降雨地域についても、先に述べたように被爆者が高齢化しており、今、本気で取り組まないと、生きた証人はいなくなります。聞き取り調査から始まり、その地域を特定するまでには、大変な時間と労力が必要です。被爆地域拡大の国への要望も必要なことですが、広島市行政が今からでもできることは、市独自でその調査を開始することではないでしょうか。

 いま、被爆者は精神的、身体的な苦痛や言葉に表せない不安を持っています。第3原爆特養ホームや被爆地域拡大が、被爆60周年に間に合えば、喜ばしい事業になるのではないでしょうか。
 60周年として多種多彩なイベントを催されるよりは、被爆者が今何を望んでいるのか真摯に耳を傾けられるのが最善の方策であると思いますが、皆さんはいかがお考えですか。


  (追伸1(広島・長崎講座))

 「パリ政治学研究所に来春『広島・長崎講座』が開設される。ほかにも早稲田大学、広島市立大学やロシアの大学にも開設予定だ。」「被爆都市、広島・長崎の意味を若い人たちに知的な分析をしてとらえ直してもらいたい。」
 これは、7月7日の「週刊東洋経済」に掲載されていた市長のインタビュー記事です。

 講座の趣旨は分からないでもありませんが、気になるのは、「広島・長崎講座」の『長崎』です。皆さんは、広島・長崎両市で、この講座を主催しているのだと思われているでしょうが、この講座の長崎側の対応について、長崎市議会を通じて確認したところ、長崎市では特に何も行っていないとの回答でした。そうであれば、この講座名は、「広島講座」か、「平和講座」とすればいいわけであり、わざわざ長崎まで巻きこむべきものではないと思います。

 被爆都市、広島・長崎の意味を伝えたいという講座なのでしょうが、『長崎』の名を使うのであれば、誤解のないよう何らかの関わりを持たせるべきではないでしょうか。


  (追伸2(公共事業見直し委員会))

 外部の専門家による「公共事業見直し委員会」を、明日(7月18日)に発足させるということです。県内外の学者をメンバーとして、今秋、大筋の方針として大規模プロジェクトの中止や凍結、優先順位をつけ、次期実施計画に反映させるようです。

 新聞でメンバーを見ますと、そうそうたる顔ぶれです。そして、この委員会では、市の重要施策の方向を見極めるための『提言』をなされるわけです。したがって、当然、委員会における意思形成過程は公開とし、方向性が示されるものと思っています。
 これまで、長年かけて積み上げてきた各プロジェクトは、それぞれ市民に重大な影響を及ぼすものであり、また、中には市民生活に直結する事業も多くあります。
 情報公開が叫ばれ、行政の透明性が求められる中、施策の根幹にかかることを短期間で方針決定されるわけですから、当然、開かれた形で進められるのが筋です。

 自らが調整できないからといって、また、自らが責めを負いたくないからといって、外部の委員会に丸投げして秘密裏に市政の重要事項が決められることのないよう、委員会の運営に意を用いてほしいものです。