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(No.55) 平成15年6月26日 『広島高速交通(株)への支援』

 6月18日の日本経済新聞の高速交通(アストラムライン)支援に関する記事の結びで、「政策投資銀行は本来得るはずだった約50億円の期限の利益を喪失。同行は政府系金融機関であるため、機会損失は最終的に国民負担増となる。」と書かれています。
 市長は記者会見の場で、記者の「205億円を第三セクターに税金投入ということで市民の理解を得ないといけないと思いますが、どのように市民に説明されるつもりなのか」との問いに対して、「これ以外の方法でアストラムラインの倒産を防げる方法があるのでしたら、是非教えていただきたい。」と開き直られています。

 日本政策投資銀行はアストラムラインが果たしてきた役割や市北西部の街づくり、環境問題等を考慮して、繰上償還することによる約50億円の金利(期限の利益)を全額免除するという思いきった対策を講じてくれました。
 しかし、最大出資者である広島市は、例えば、市が長期で無利子貸付を行う方法とか、市が既に貸付けている金利の減免とか、あるいは会社が民間から借入れて市は損失補償するとか、いろいろ手法は考えられたはずです。しかし、今回とった措置は、単に単年度貸付を繰り返すだけであり、政策投資銀行の思いきった支援と比較したとき、一番安易な方法をとったとしか思えません。



 資本主義経済の信用社会の中で、広島市が今回選択されたことは、広島市の信用度を低下させたとしか思われません。
 繰り返して言いますが、政策投資銀行の決断に比べ、あまりにもその場しのぎの対策のようにしか思えません。
 このような小手先のごまかしは本来するべき行為ではなく、財政運営の面からもとても健全なものとは言えません。
 土地開発公社が用地を先行取得する時など、市が公社に単年度貸付を行い、公社が年度末に一時的に銀行から借入れて市に返済するといったように、市が正規に買取るまで財務処理上のやりくりをしていたのと同じことです。この手法は、安佐地区開発事業や市立大学の用地取得でも同じように使っています。
 しかし、透明性の要求されている現在、このような手法が果たして通用するのか疑問を感じます。

 また、単年度貸付のこの制度は、実質的には連続して貸付けているのと同じであり、見かけ上は、市の負債もアストラムラインの負債も帳簿から消えているように見えるので、財務処理の上からも全く変な形になることは明白です。もしこのようなことを他の事業でも繰り返せば、広島市の損失補償は膨れ上がり、帳簿に載らない千億単位の負債が増えていくのではないでしょうか。これは、広島市の財政破綻の源になる安易な発想だと思います。

 このような手法を用いることにより、経済界や官界からの信用を失ってしまいます。そうなれば、将来計画である広域公園前駅から西広島駅までの延伸も資金面で行き詰まってしまいます。また、そもそも西風新都の開発の進ちょく状況や、規制緩和による沿線団地内からのバスの直行便復活といった状況を見た場合、今回の試算の前提となるアストラムラインの利用者推計(ほぼ現状維持)にも大きな疑問を感じています。

 50億円の負担軽減が、会社の損益面にも資金面にも大きな貢献をすることは分かりますが、利用促進や将来延伸計画も含めて、本気で抜本的な再建策を講じるべきではないでしょうか。
 皆さんは、いかが思われますか。