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(No.47) 平成15年4月18日 『市長と局長との協約について』

 9日間の選挙戦を終え、石原都知事の言葉を借りれば、何とか無事に帰還することができました。市民の皆様、地域の皆様のご支援があったからこそと感謝の念に堪えません。それと同時に市民の負託に応えるためにはどうすべきか、そして新しい広島を創り上げるためには、何をすべきなのか真摯に見つめ直すことが大事だと痛切に感じています。「これからは議員から発信すべき」、これは昨年12月27日のホームページで申し上げたことですが、議論や政策立案を通して、市民に、より一層責任が果たせる議会となるよう議員一人ひとりが自覚していくべきだと改めて感じています。

 選挙戦の大詰めを迎えている時に目にしたのがある新聞の「幹部が実現公約書」という記事でした。局長や区長らが各年度に実現する事業内容を記した「協約」を市長と結び、ホームページに公開する制度を創設するというものです。達成状況も報告し、責任の所在を明確にし、市民の意見を取り入れ、市民にもチェック機能を果たしてもらうのが狙いということのようです。
 長野県に倣ってそのまま広島市でも取り入れたもので、これも直接民主制の一環だと主張されているのだと思います。
 確かに、選挙戦でも感じたことですが、行政と市民とが双方向に向き合って作用するということは重要なことです。市民の声が行政に反映されているかどうかを確認しながら進めていくことは民主政治の基本です。しかし、これはあくまでも集約された全市的、あるいは地域を代表する意見だからこそ市政に反映させるものでなければなりません。一部の声にだけ耳を傾けていたのでは国道2号高架の都心部延伸工事ストップという事態に陥るわけです。議会でその責任を問われたら、担当局長が「私が判断資料を整理して上申した」と答弁せざるを得ない構図になってしまうのです。
 政治を進めていくにはバランス感覚を併せ持った判断力が必要です。広く市民が求めているのは何かを把握し、何をどういう手順で実行すれば効果が得られるのかを推し量っていく力です。いろんな手法を用いて市民の声を吸い上げることはいいことですが、多角的な見地からの総合的な判断なくしては、新しい広島の創造には繋がりません。
 ごく一部の市民との情報のやりとりだけに終始していては、大局についての見通しや判断がおろそかになるばかりか、トップの責任回避の手段になってしまうのではないでしょうか。市民が知りたいのは、市政を進めるためにトップがどのように組織を動かしているかということです。
 市長は、協約締結にあたって各局長等と意見交換をするということですが、市民に公開すべきところは、むしろ、この市長と局長等とのやりとりだと思いますが、皆さんはどう思われますか。


  (追伸1(貨物ヤード跡地利用について))
 広島市民球場のスコアボードの改修を本年度に行うことになっています。約1,700万円の予算を投じるものの、4〜5年先は再整備が必要になるということのようです。
 4〜5年先と言えば、市長が、市長選の前に取り急いで表明された貨物ヤードが日の目を見るはずの時期になります。もし、市長の発表されたスケジュールどおりに進むとすれば、まさに今の時期は新スタジアムなどの建設とその後の経営母体となる新会社の立ち上げに奔走しているときではないでしょうか。サイモン・プロパティ・グループ、広島東洋カープ、電通、鹿島建設に加え、地元広島の有力企業が出資する新会社でなければ地元に受け入れられることはありません。地元に認知されないような大型事業は成り立たないということです。
 逆に、広島の企業に出資者が見つからない場合は、サイモンは必ず手を引くことになります。ましてや今はイラク戦争の後遺症でアメリカ経済にも少なからず暗雲が漂っている時です。アメリカ資本がいつまでも待っているわけがありません。
 土地の取得という「入口」でつまづいているばかりでなく、目標を掲げておいて肝心なところが全く動いていないわけです。市長選を前に、あたかも実現できるかのように独り芝居を演じていたと言われても仕方のないことだと思いませんか。


  (追伸2(三菱・JT広島工場閉鎖について))
 三菱重工業広島工場は今年の10月に、そしてJT広島工場は来年3月に工場を閉鎖すると表明されました。
 三菱については、跡地について何らかのアクションを起こすべきではないかと述べましたが(昨年12月24日のホームページ)、JT広島工場についても同様に広島の元気を取り戻すため、今こそ行政が汗をかくべきであるということを申し上げたいと思います。
 民間の土地だからとか、金がないからといって、何もできないというのでは、街づくりを主導する行政の姿勢が問われることになります。今すぐ具体的な青写真を描くことができなくとも、大まかな街づくりの方向性は見出していくべきです。府中町のキリンビール広島工場跡地利用については、県が複合型商業施設の誘致に汗をかきましたが、三菱やJT広島工場跡地については市が汗をかくべきです。街づくりの方向性を見出していく取組み自体が地域の大きな力になり、都市の元気に繋がっていくのだと思います。


  (※4月21日追加1(助役人事について))
 市議選関連の新聞に「前例のない無記名投票で3度も女性助役を否決」という言葉が繰り返し載っていました。
 無記名投票については、これまで幾度も、この制度が認められている理由などを述べておりますので、ここでは特に申し上げません(3月6日のホームページ等をご覧下さい。)。
 ここで申し上げたいのは、「3度も女性助役を否決」という点です。
 これも繰り返し申し上げていることですが、議会では『女性』だからといった議論は一切していません。もちろん女性の助役を否定しているわけでもありません。『助役選任同意案』が否決されたのは、当初の議案提出以来、市長が説明責任を十分果たしていないからです。新聞等は『女性助役』という言葉を一つの単語のように扱っていますが、市長が提案しているのは『助役選任同意案』であり、『女性助役選任同意案』ではありません。『女性助役』という言い方こそ女性を特別視しているように感じられますし、市民に大きな誤解を与えている原因だと思います。
 それから、『3度も否決』という点ですが、議会のルールには一事不再議(同一会期中に一度議決された事件を再び議決しない)という原則があります。状況の変わらない同じ議案(説明責任を果たしていないことなど)を同一会期ではなくとも3度も提案してくることは、まさに一事不再議的であり、議案提出権者の常識から言えば極めて異常な事態だと思います。
 同一の議案を同一の状況で急に可決に転じるようなことがあれば、それこそ議会の権威や良識が疑われることになると思います。


  (※4月21日追加2(被爆体験証言者について))
 現在、平和記念公園などで活動している被爆体験証言者の数は、広島平和文化センターが委嘱している人(無報酬)が23名です。その他の15団体に属している人を含めると約200名の人(重複含む)が、若い世代への被爆体験の継承や平和意識の高揚を自らの使命として日々活動されています。
 しかし、こうした人たちが年々高齢化し、その活動が徐々に困難なものになっていることは否めません。雨の日も風の日もほとんど毎日活動されている方々に、行政として何らかの支援が必要ではないでしょうか。
 以前、ライオンズクラブから被爆体験証言者の方々にジャンパーとハンドマイクを贈ったことがありますが、行政としてもこうした地道な平和活動をされている方々にもっと気配りし、側面からの支援を行うべきです。
 市長は、海外へ赴くなど外に対して平和を訴えることには力を入れているようですが、平和の地の広島でまず何をすべきか真剣に考えるべきです。それが、本当に平和を希求する人たちに対する行政としての思いやりではないでしょうか。