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(No.46) 平成15年4月 1日 『企業会計手法の導入について』

 財政状況が厳しさを増す中、企業会計的な手法で財政状況を分析する試みが行われ、その内容が発表されました。広島市の平成13年度末現在の普通会計(一般会計と、西風新都特別会計など7つの特別会計)の「バランスシート」と、平成13年度の「行政コスト計算書」をとりまとめたものです。

(別表参照)

 公共施設の整備にあたっては、『費用対効果』が重要なポイントとなりますが、企業会計的な手法を導入すれば、例えば固定資産の価値減少を『減価償却費』として把握することにより、こうした分析もしやすくなります。
 今回は、こういった概念を導入してとりまとめられた財政状況の分析結果の一部を紹介いたします。なお、ここでは分かりやすくするため、市民一人当たりに換算した額を中心といたします。

バランスシート

平成13年度末の市の資産は2兆1,549億円(S44〜H13年度までに生み出したもの)、負債は9,147億円
市民一人当りに換算すると、資産は193.5万円、負債は82.1万円
 「バランスシート」とは、資産〔市民が利用する市の施設(財産)や市が持っている現金等〕、負債〔市債(市の借金)等〕、あるいは正味財産〔資産形成に使われた資金等〕が年度末でどのくらいあるかを示したものです。

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 平成元年度と平成13年度を比較しますと、資産は1.8倍となっているのに対し、負債は2.2倍となっています。このことから、資産形成において将来の世代に負担してもらう割合が高くなっていることがわかります。なお、グラフには掲げておりませんが、平成10〜13年度を比較しますと、資産は平均年1.0%の増、負債は平均年1.7%の増となっており、ここ数年間においても、将来世代に負担してもらう割合が高くなっている傾向がうかがえます。
 また、他の政令市平均値と比較した場合、資産は若干低い水準ですが、資産のうち「有形固定資産」(土地、建物、道路等)は同レベルとなっています。また、負債も他の政令市平均値と同レベルとなっています。

行政コスト計算書

平成13年度の市の行政コスト総額は4,315億円
市民一人当りに換算すると、38.7万円
 「行政コスト計算書」とは、市が行政サービスをしていく上で、資産形成につながらないコスト(人件費、物件費、減価償却費、扶助費等)がいくら掛かっているかを整理したものです。

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 性質別経費による比較をみますと、『行政コスト総額』は他の政令市平均値より高くなっていますが、『人にかかるコスト』は低くなっています。但し、委託料が『物にかかるコスト』に含まれているわけですが、この中には人件費が含まれているので単純な比較分析はできないところがあります。
 目的別経費による比較をみますと、土木費、教育費が他の政令市平均値より高い額となっています。

 以上、概略を紹介したわけですが、今後、自治体やその職員に求められるのは、『費用対効果』など経済性や効率性といった視点、つまりコスト意識を持つということだと思います。この意識が欠けていたことが、非効率な事業や作っても使われない公共投資になっているわけです。
 公共投資や行政サービスのコストを正しく把握して、受益に応じた負担を求めるということも考える必要があるでしょうし、税収に見合う行政コストの管理も不可欠です。市民に対する顧客思考を深める観点からも重要なことです。
 そういう意味で、今後、この企業会計的手法を定着させ、市民に分かりやすく、また市民と一体となった行政経営ができるような取り組みを期待しています。

 今回発表されたこの企業会計的手法の取組みは、財政局においてできる範囲の作業が行われたわけですが、今後は各局が率先してこの手法を取り入れ、『費用対効果』などを市民に分かりやすい形で作成・公表し、市民と一体となって、行政が経営感覚を持つよう期待します。