私の思い まちづくり・経済・交通 総務・人事 議  会 教育・文化
福祉・医療 平和・交流 その他 総合メニュー

(No.44) 平成15年3月20日 『住民投票条例と助役人事について』

 3月19日の本会議において、平成14年度の補正予算案や平成15年度の当初予算案及び条例案、人事案件などの議案の議決を行いました。厳しい経済情勢の中、市民生活の安定や景気・雇用対策、福祉、まちづくりなどについて、本会議、予算特別委員会を通して各議員が真剣に議論し、市民生活に滞りがないよう、予算や条例などの議案を可決することができました。
 その中で、住民投票条例案と助役人事案件の審議経過と結果について、私の意見を述べたいと思います。

 まず、住民投票条例案についてですが、市長提出の原案に対して、本会議での総括質問や、今回この案件のため審査時間を延長した予算特別委員会における質疑で、多くの議員からこの制度の内容や問題点について議論が交わされました。
 その中で、大方の議員の意見を代弁されたものが3月18日の予算特別委員会で、複数の議員から発せられた発言です。それは、「直接民主主義の手法を性急に導入しようとしたために極めて粗雑な条例案を提出してきた。原案に賛成の2人を除く全ての議員が反発するのは当たり前だ」という主旨です。
 この他、様々な観点からの質疑、議論を経て、予算特別委員会と本会議の最終日に、原案に対する複数の修正案や対案が提出され、最終的には、新政クラブ、公明党などから示された修正に基づく委員会修正案が賛成多数で可決されたわけです。
 その主な内容は、
@ 市議会や市長は、政策の立案、執行を行うための権限が認められているので、その中で民意を把握し、反映できるよう努めるべきものであることから、議員発議及び市長発議を削除して、市民にのみ発議を認める。
A 市民にとって判断がしやすく、市民の総意が明確に把握できるよう、二者択一で賛否を問う形式とする規定を設ける。
B 長や議員の選挙は原則1日であり、経費面等も考慮すれば、投票期間ではなく投票期日とする。
C 成立要件等の規定がないため、どの程度の投票率と意思表示があれば尊重するのか不明確であり、民意を十分に反映し、その結果を明確なものとするため、成立要件等として2分の1以上の投票率とその投票結果は過半数をもって決するという規定を設ける。なお、成立しなかった場合は、市民の総意が現れないものとして開票は行わない。
D 投開票に関して必要となる事項については、公職選挙法等に準拠することを明記する。
などの点について修正可決しました。(別表参照
 なお、住民投票制度は、あくまで議会制民主主義を補完するものであり、通常、住民は議員や長の選挙を通して間接的に行政に参加しているわけです。しかしながら、この間接民主制による行政の運営が住民の意思に反して独断に陥った場合や、ある事項について住民が直接重大な利害関係を有することとなる場合に、住民に直接その意見を表明する機会を与えることが民主主義の原則にかなうということから認められているものです。
 こうしたことから、長も議会も、常日頃から民意を把握し行政に反映していけるよう、市民の立場に立った市政運営に努めてまいりたいと考えています。

 次に、助役人事案件についてです。
 助役の選任同意案件については、この1年間で3度同じ人、つまり猪爪範子氏が提案されてきたわけです。同氏は、過去2度にわたって助役選任同意案を否決された後、異例の形で市職員に採用された人です。企画総務局の特命担当の理事(局長級)としてこの半年間特段の成果も見えておらず、何故ここまで執着し再三提案されたのか分かりません。今回も、これまでと同様の結果(賛成24・反対35)になったわけですが、猪爪氏本人は、助役選任同意案を審議している本会議開会中は大阪へ出張中と聞き、何故という感じを受けたのは私だけでしょうか。
 3月20日の中国新聞に、猪爪氏のコメントが載っていました。「否決も覚悟しているが、議会の姿を市民に見てもらうことで市政改革に少しでも貢献できるなら、それも私の役目でしょう。」また、秋葉市長は「否決は私への反発であり、八つ当たり。無記名投票は、議会制民主主義の自滅。」と述べています。
 議会は、市長から提案された案件について十分説明を聞いた上で審議し、可決・否決という結論を出すわけですが、これまでと全く同じ状況で同じ人を出して、否決されたから議会が悪いと一方的に言える資格があるのでしょうか。議案を通す努力もせずに、同じ主張を繰り返し説明不足も甚だしいと思います。はっきり断言しておきますが、否決は市長への反発ではありません。やるべきことをしないことに対して、結果が変わらないのは当たり前です。猪爪氏本人も、経済界や職員からいい評判は聞いていません。個人の資質をとやかくいうつもりはありませんが、提案の仕方が変わらないのであれば、少なくとも半年間の成果を見せる努力もあればよかったのかも知れません。
 また、以前にも申し上げたことですが、女性助役そのものを否定するものではありませんし、議会でも女性だからといった議論をしたことはありません。しかしながら、市長は、何故女性に限るのかという質問に対しては、これまで明確に答弁されていません。男女共同参画を推進する上で女性の声が反映できるシステムづくりが必要とは言われていますが、女性が必要であることの明確な答弁にはなっていません。
 市長がどうしても施策推進上、公募という方法で助役を選任したいのであれば、まず、必要性と手順、つまり、どういった課題に対応するため、どのような仕事を任せるのか、そして選任にあたってはどのような方針で臨むのかといったことを示し、公の場で十分議論するのが筋ではないでしょうか。これは、公募を前提とした助役選任の進め方としては当然のことと思います。それが、市民の立場に立った市民のための行政の進め方であり、男女共同参画の精神にもかなうものではないでしょうか。
 なお、無記名投票の問題については、3月6日のホームページに、無記名投票という制度が認められている理由、及び民主的な方法で表決方法を決定していることを説明しておりますので、もう一度ご覧いただきたいと思います。
 また、本会議最終日の開会が遅れ午後になりましたが、議会側は、最終日の議事運営を円滑に進めていくための議会運営委員会や、新たな議案提出に伴う発言通告書のとりまとめなど所定の手続きを踏んで、少なくとも午前中の開会に最大限の努力を払っていたわけです。しかしながら、理事者側の都合で午前中の開会が難しくなり、やむなく午後に開会せざるを得なくなったことを申し添えておきます。

  別表 「住民投票条例にかかる市長提出案と可決された修正案の内容比較」