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(No.41) 平成15年3月13日 『首長と議会の関係について』

 市長の政治姿勢について、共鳴する総括質問がありましたので、その一部を紹介します。

<福島議員>
 「日本の地方自治は基本的には首長は直接選挙で選ばれ、各行政機関を統治する権限が付与され、行政事務を執行するわけですが、あまりにも強大な首長の権力が暴走しないよう、議会というチェック機関が設けられ、権力の均衡が図られております。いわば、直接民主主義と間接民主主義の絶妙なバランスに立つのが地方自治と言えましょう。
 本市では60人の議員が市民の直接選挙によって選出され、全市民の代表として市政を担っております。
 市長と議会は、それぞれ法によって定められた権限を有していますが、その権限は抑制的に行使するのが大原則であります。市長には予算の編成権をはじめ議案の提案権を持ち、一方、議会には提案された議案の議決権があります。市長の行政執行権に対し、議決権はいわば拒否権に類するものと言えましょう。そこで、相互がチェックアンドバランスの関係で機能し始めて両者の役割が果たせることは言うまでもありません。
 他からの干渉やチェックを嫌い、勝手気ままに振る舞うのは独裁者であり、拒否権の乱発もいたずらに対立をあおり立てるだけでありましょう。馴れ合いでも対立でもない、良い意味での『緊張関係』が大切ではないでしょうか。
 しかるに、今、一方的に地方自治の大原則を意図的に破壊しようとする市長の提案には民主主義の危機を感じざるを得ません。」

<多田議員>
 「厳しい選挙戦を勝ち抜かれた秋葉市長に敬意を表し、市民の福祉向上に最大の努力を傾注されることを求めるとともに、私たち議員も市民の負託に応える努力を一日も忘れてはならないと思うのです。
 そのためには、議会における十分な討論とそれを裏付ける日頃の研鑚が求められているものと思います。その上に立ってのものであれば、提出された議案に対する賛否は市民の負託に耐えうるものと思うのです。しかし、今の広島市議会を市民の側から見た時にどんな風に見えているのでしょうか。マスコミは対立関係にあるという論調が多く見られ、市長もそのことを肯定されているように見受けられます。その原因は、市議会が女性助役を否決したからだ、とのことであります。
 果たしてそんなものでしょうか。議会の中で反対の意見を述べる、また態度をとることが対決であり、問題視するならば、議会は何のためにあるのでしょう。
 広島市議会は、今期、市長が提案した702件の議案を審議しましたが、否決をしたのは僅か2件(実質1件)で、年間予算をはじめとする重要案件は全て可決しているのです。1件も否決しない議会は、本当に議会が機能しているのか、疑わしいという意見もあるのです。
 否決するということは反対意見の集約でありますから、反対することが対立の原因であるならば、市長提案に一番多く反対する共産党の皆さんとは市長は対立しているのですか?今度の選挙では、市長は支援を受けられたのですから、そんなことはないと思いますが。
 議会が、市政のチェックという本来の機能を果たそうとするならば、議会を活性化するということならば、議論は百出して当然と思いますが、市長は今の市議会をどう見ておられ、今後どういう対応をされようとしているのですか。先に述べたとおり、議員自身の自覚は当然のこととして、事務執行のあり方に関する検討委員会の報告などを踏まえ、人道主義を唱え、報復の連鎖を否定する市長の見解をお聞きします。」

 いかがですか。首長と議会との関係については、これまでホームページで幾度となく述べてきましたが、この発言には、多くの議員の率直な気持ちが表れていると思います。
 このことに関連して、朝日新聞の連載に次のような知事の発言が載っていました。
 まず、片山鳥取県知事の発言ですが、「異論反論は議場でやりましょう。賛同が得られなければ、知事提出案件の修正も(否決も)やむを得ない。それが地方自治制度が想定している議会本来の姿です。」といった内容で、臨時議会の冒頭のあいさつで述べられたものです。
 また、堂本千葉県知事は、知事提案の男女共同参画促進条例案と自民党が提出した対案がともに継続審議になったことを受けて(実質的には審議未了で廃案になる可能性大)、「自民党案とは理念が違うが、議員提案自体は議員本来の仕事をした。」と評価されています。

 議会での議論は当然のことです。議会で否決になったから、と批判するのでは、議論そのものを否定していると受け取られても仕方がないと思います。
 また、政策決定の最終段階における議論だけでなく、政策形成段階での議論も必要です。何故なら、このことが市民や議員が判断していくための十分な説明に繋がるからです。重要案件については、いきなり議案という形ではなく、議会や市民との対話といった公の場での十分な議論を経て提案するやり方もあって当然です。
 こういう過程を経ることにより方向性を見極めることになるわけですが、もしこうしたチェック機能が働かなかったら沖美町長が表明した米空母艦載機の夜間離着陸訓練施設の誘致を議会も不用意に賛成するような問題に発展するわけです。
 それから、市行政が、国や県と根本的に違うのは直接市民生活に繋がる点です。この違いを皆さんに一番理解してほしいのです。行政と議会が対立の構図を続けることによる一番の被害者は市民です。お互い是と非で市民生活に支障のないよう開かれた市政にしたいものです。選挙公約に掲げ、その公約を果たすためだからというのは、議論せずに結論を求めようとしていることと何ら変わりはないと思います。


  (追伸)

 広島経済レポート(2003年2月27日号)に「広島経済を支える柱として、航空機産業はどうだろう。」という記事が載っていました。
 国(経済産業省)が2003年度から国産小型ジェット旅客機の開発に向こう5年間で500億円投じることが背景にあるようです。主契約企業として有力視されているのが三菱重工業らしく、そこで広島の航空機産業はどうかという内容なのですが、広島地区の実態としては、三菱重工広島製作所がボーイング社の中・大型旅客機後部胴体組立とヘリコプターを手がけているほか、IHI呉事業所で航空機エンジン部品を生産している程度です。
 しかしながら、国産小型ジェット旅客機拠点工場の広島誘致は、観音、江波地区に広大な土地を抱えていることや航空機の部品組立を既に行っていることに加え、機械加工やプレス加工、鋳鍛造分野での技術の蓄積があることから、航空機産業に転用できる素地は十分ある、としています。また、もう一つ有利なファクターになるのが、隣接する広島西飛行場の存在としています。新型機種を開発する際には、頻繁にテストフライトしなければならないからです。
 紙面の最後には、県と広島市、経済界が一体となって誘致活動を展開すれば、案外道が開かれるかもしれないと結んであります。

 航空機産業は、特殊な素材、部品を統合する高度で先進的な技術を必要とします。広島には、航空機の部品組立という実績と、自動車産業で培った高い技術力やノウハウを蓄積した地場産業があります。
 現在、航空機産業の主力工場は名古屋の小牧にありますが、フル稼動で容量オーバーの状態と聞いています。広島の実績と技術力を生かし、新たな活力を注入した経済再生のため、国産小型ジェット旅客機拠点工場の広島誘致を、行政、経済界全体で考えてみる価値があるのではないでしょうか。