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(No.34) 平成15年1月24日 『高齢者の福祉について』

 一口に福祉と言っても、生活保護、児童福祉、身体障害者福祉、知的障害者福祉、精神障害者福祉、老人保健福祉などといったように多種多様の制度が複雑に絡み合っています。これらの制度は、そのほとんどが戦後に施行され、高度成長期にそのサービス内容も充実、強化され、福祉国家としての発展も見られたわけです。
 しかし、我が国の人口推計によりますと、今後2043年のピークに向け、65歳以上の老年人口が増加を続けることになりますが(高齢化率で言うと2050年の35.7%がピークで、2.8人に1人が65歳以上)、これに伴う多様なニーズに対応するため福祉制度の見直しが迫られ、平成に入って行われた社会福祉基礎構造改革の最たるものが介護保険制度の創設と言えます。介護というのは、高齢者や病人などを介抱し日常生活を助けることですが、人生の終焉を迎えるまでほとんどの人が必ず利用することになるであろう全国民的な福祉になるわけです。
 ここでは、避けては通れない高齢者福祉にかかるハード・ソフト両面の施策について、私の考えを披瀝させていただきます。

 まず、本市の高齢者の福祉状況を大まかにまとめてみました。

     
       (表をクリックすると、別ウインドウで表をごらんいただけます。)

 この表の「要支援・介護認定者」は25,149人で、そのうち施設に入所されている者が5,668人(約23%)で、在宅のサービスを受けられる対象者が19,481人(約77%)となっています。
 介護保険がスタートして3年を迎えますが、施設サービスを希望する在宅の要支援・要介護認定者は、特別養護老人ホームのみでも約4,160人(在宅サービス対象者の約21%)が待機中という状況です。仮に50人定員の施設を整備する場合84ヵ所が必要であり、現在の年2〜3ヵ所を整備する計画では、待機者の期待に応えることは絶望的な数字と言えます。そのうえ、要介護者は今後40年間は右肩上がりの増加の傾向にあるのです。
 このような状況を解消しようとすれば、膨大な財源を要することになり、今の財政事情では困難なことはよく分かります。 しかし、だからといって単に憂慮している場合ではなく、前向きな取り組み姿勢が必要と考えます。

 一つは、右肩上がりの高齢者及び要支援・要介護認定者の増加を踏まえた計画的なハード面の受け皿づくりです。
 今後、現在の待機者数のレベルが続いたとしても80ヶ所以上の施設整備が必要となるわけですが、これに対応する最低限の水準は整備する必要があります。他都市では、財政事情に鑑み、助成額の抑えられる老人保健施設の整備を優先する方向で取り組んでいるところもありますが、入所者が安心してサービスを受けられるような態勢にするためにも、特別養護老人ホームの整備は必要です。
 そのためには、まず、本当に入所しなければならない人の実態を把握しなければなりません。これは、現在既に入所している人にも言えることですが、実際軽度の要介護1や要介護2の人も多くが入所しているわけです。単に申請順で入所を認めるのではなく、例えば比較的重度の要介護3以上の人を優先的に入所できるようなルールづくりに本気で取り組むべきではないでしょうか。

 もう一つは、ハード面に依存できない部分をソフト面でカバーする在宅福祉への重点化です。
 この場合は、1月17日のホームページでも述べましたが、まず、地域との連携を強化していく必要があります。また、そのための受け皿として、民生委員やボランティアの協力がなければ、絵に描いた餅になることは言うまでもありません。
こうした受け皿づくりとともに、例えば現在の介護保険の支給限度額は最高月額約36万円となっていますが、この額は、寝たきりなど重度の人で施設に入れない人にとっては、ヘルパーや訪問看護の利用頻度が高くなり決して十分な額ではありません。他の先進事例を参考に行政で手厚く支援すべきではないでしょうか。

 今こそ苦しい財政事情の中で知恵を出し、高齢者の福祉施策に勇気と英断を持って、新たな展開を図るべきと思いますが、皆さんはどう思われますか。