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(No.30) 平成14年12月24日 『広島の活性化』

 海と島の博覧会から13年、広島アジア競技大会から8年。その後、広島には内外から人が集まり、交流できるようなビッグイベントは開催されていません。市民にとっても、行政マンにとっても大きな目標を置くことができないまま、この二つのイベントで培ったノウハウや人材が生かされていない状態が続いているわけです(平成14年3月11日のホームページで発信済)。
 人が動き、交流することにより、街は活気づき、経済も息を吹き返します。昨今、広島の「元気づけ」が大きな課題となっていますが、厳しい財政状況で大規模投資が難しい中、少ない予算で既存ストックを活用しながらソフト面で魅力づくりを行うことは、投資以上の大きな街づくり効果が期待できると思います。

 街づくりは、官と民の協働制作です。その街づくりの柱に活気あふれるイベントを据えようとした場合、最大の力となるのは住民の熱意と行動力です。
 もし、街の中心に広場があれば人々が集まりいろいろなことに活用しようと考えます。そして、その広場やそこで繰り広げられるイベントを中心に賑わいも広がり、街の魅力も倍増します。これが、街の個性や豊かさにもなり、住み続けたい、また訪れてみたいと思わせる魅力あふれる街になるのだと思います。
 行政は、こうした住民の熱意と行動を受け止め声を吸い上げるための組織づくりやハード面での広場づくりなど、コーディネートやきっかけづくりに力を入れるべきだと思います。そして、これが全市的なものに拡大したときに、内外に誇れるビッグイベントに発展するわけです。

 神戸ルミナリエは、都市の復興・再生への夢と希望を託し、平成7年から毎年2週間、この時期に開催されていますが、今では神戸の冬の風物詩として定着しています。これも市役所と旧居留地の間に位置する大きな通りと広場(東遊園地)があるから実現できたものですし、約6億円の開催経費も約3分の2は協賛金や募金で賄われているなど、官民の協働制作が前面に出ています。8回目の今年は「光のぬくもり」がテーマで約22万個の光のトンネルには、この雰囲気を味わうために遠方からも多くの観光客が訪れ、街は活況を呈しています。

 広島のライトアップ事業も今年は「ひろしまドリミネーション」と銘打って協賛金を募り3000万円を超えるイベントに拡大しましたが、これを本当に広島の冬の風物詩として発展・定着させていくためには、市民と経済界が一体となって広島地域に根ざしたイベントに成長させ、それが街のイメージに繋がり、そこから生まれる魅力が、また訪れてみたくなるような気持ちにさせなければなりません。
 しかし残念ながら、夜の街を散策してもそんな気持ちにさせてくれるイベントには程遠い内容ではないでしょうか。閑散としてむしろ侘しさを感じるくらいです。1ヶ月半という長期間、単にイルミネーションやモニュメントを広範囲にちりばめるのではなく、短期間に一点集中型で人が集まる広場や通りを中心に皆が目を見張るような光の彫刻を築き上げることを考えてみるべきではないでしょうか。例えば、多くの人が行き交いする通りの上空をそのまま光のアーチで覆い、その下を歩くと街並みと光のコントラストと、両脇から流れる音楽で幻想的な雰囲気に浸れる…日常生活では決して味わうことのできない空間が創出できないでしょうか。
 いずれにしても、人と人の交流を通じて内から外へアピールしていくことが、広島市民の気持ちを活気づけ、そのことが広島の活性化に繋がると思います。

 広島商工会議所は、この9月にライトアップによる街づくりの研修等の目的でフランス、イタリアを視察されているようですが、広島市も観光振興や活性化に役立てるための側面支援は必要だと思います。
 厳しい経済情勢が続く中、ハード面での街づくりが進まないときだからこそ、知恵を絞って官民協働で広島の活性化が図られるよう視点を変えてみるべきではないでしょうか。市民と経済界が一体となった活気と魅力あふれる恒常的イベントの開催が、精神的にも明るい広島の夢になると思いますが、皆さんはどう思われますか。

広島平和大通り 広島平和大通り樹木
『ひろしまドリミネーション(平和大通り)』

広島アリスガーデン
『ひろしまドリミネーション(アリスガーデン)』

神戸ルミナリエ東遊園地
『神戸ルミナリエ(メイン通り)』

『神戸ルミナリエ(東遊園地)』

札幌 仙台
『さっぽろホワイトイルミネーション』

『2002SENDAI光のページェント』

福岡
『TENJIN光のファンタジー2002』



  (追伸)

 三菱重工業は、広島工場を来年10月に閉鎖すると発表しました。設備と人員(約260人)は滋賀県の本工場に移されるということです。1ヵ所に集中して生産効率を高めることが主な理由のようですが、これで広島の都市機能がまた一つ去っていくことになるわけです。
 約13.5ヘクタールの工場跡地は売却の方針のようですが、キリンビール跡地より広いこの土地について、広島市は何らかのアクションを起こすべきではないでしょうか。民間の土地だからどうしようもない、それでなくても遊休地を抱えてこれ以上のリスクは負えない、というものではないと思います。
 キリンビール跡地は、去る11月18日に複合商業施設の起工式が行われましたが、三菱重工業跡地についても、再開発のノウハウのある者が、どういう街づくりを進めていくのかという思いを描かないと、この地域の衰退だけには止まらず、都市全体へも波及し、市の姿勢が問われることになるのではないでしょうか。
 三菱重工業がきちんと方針を発表されたわけですから、早くアクションを起こして、調整作業を行い、方向性を見出していくのが行政としての仕事です。社会情勢を敏感に捉え、プラス指向で対応していくことがこの際必要なことだと思います。

  (※12月25日追加1(貨物ヤード跡地と構造改革特区について))
 広島市は、国が規制改革による経済活性化をねらって打ち出した構造改革特区の第2次募集に、貨物ヤード跡地の土地問題にかかる規制改革案を提出されようとしています。
 公有地の拡大の推進に関する法律で広島市土地開発公社が先行取得している土地について、本来市が買い戻すべきところを直接公社から民間に定期借地で貸付できないか、というのが応募内容のようです。
 しかしながら、新聞報道によれば、構造改革特区については第1次募集の1045件の応募のうち、規制緩和の検討対象になったのは345項目というように各省庁の抵抗は頑強のようです。
 法律や通達できちんとした方針が示されているものを特例化するには、よほど合理的な理由がないと方針転換は難しいのだと思います。ここらあたりの目処があって12月議会で「公社から民間への貸付の可能性検討」と答弁されたのであればいいのですが、そうでなければかなり思い切った答弁をされたものだと思っています。
 土地問題の解決が「国が規制改革を認めなかったからできなかった。」ということにならないよう心配しています。

  (※12月25日追加2(住民投票制度・サッカー専用スタジアム))
 市長は、記者会見の中で「住民投票制度の導入」と「サッカー専用スタジアムの建設」などを述べられました。
 具体的な内容は今後文書で示されるそうですが、現職の市長でありながら4年前と同じように、思いつきの域を出ない耳障りのいい言葉を並べられておられます。

 まず、「住民投票制度の導入」についてですが、仮にこの制度を導入しようとする場合は、どういった案件に対してどのように使っていくのかが大変重要なことになります。
 確かに分権時代を迎え、市民が政治や行政に参加していくことの重要性は叫ばれています。しかしながら、市政の重要なテーマについて、二者択一的に個々の市民の意思を問うということは、首長や議会での意思決定方式との兼ね合いをどうするのかという議会制民主主義の根幹にかかわる大きな問題があります。そして、この制度導入の前提としては、事前の情報がどれだけ市民に提供でき、それを市民が理解され判断できるのか、また、公平性・中立性は保たれるのか、さらに、地域間のしこりを残すことになりはしないのか、といった問題があげられます。
 こういった種々の問題をまず議論していくことが重要であるはずなのに、突然「住民投票制度の導入」を述べられたということは、この一年間申し上げてきた「プロセス」と「議論」の重要性を依然として理解されていないのだと思います。
 議会制民主主義の中でどういった案件を対象にしようとするのか、情報提供やコストの問題についてはどのようにしていくのか、これらは議論があってこそ掲げられる政策課題であることを現職の市長としてもう一度認識していただきたいと思います。

 次に、「サッカー専用スタジアムの建設」についてですが、これは本当にやる気で述べられたのでしょうか。
 私も確かに5月24日のホームページで「サッカー王国広島の復活」を掲げサッカー専用スタジアムの提案をしましたが、これはサンフレッチェと地域の双方向の支援策をハード・ソフト両面で種々申し上げ、その中でハード面の提案として県が広島スタジアムを改修するのであれば、ここをサッカー専用スタジアムにして、市は駐車場整備で協力できるのではないかと提唱したものです。
 市長の発言は全面的に市が整備するものと受け止められますが、財政状況が厳しい折、貨物ヤード跡地の方向をはじめ決着すべき懸案事項が数多くある中で、市民に受けがいいからといって簡単に打ち上げられるものなのでしょうか。貨物ヤード跡地は全市民的な機運の醸成と言ってなかなか決断しないで、財政的な裏づけもなく無責任にアドバルーンを上げているように思われます。
 サッカー専用スタジアムを述べられるのであれば、前々から要望のある中央庭球場をはじめ、他のスポーツ施設も改修すべきところがあります。
 スポーツ面で広島の元気づけの方向をアピールしたいのであれば、特定の施設の改修だけでなく、ハード・ソフト両面で、広島のスポーツ界のレベルアップが図られるような総合的な施策を述べられたらいかがでしょうか。