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(No.29) 平成14年12月11日 『貨物ヤード跡地利用構想』

 12月10日の本会議、松平議員の一般質問(貨物ヤード跡地利用構想)に対する答弁に大きな疑問点を抱いております。
 答弁の要旨は、屋根架けの見通しは非常に厳しく、今後、土地の問題解決に邁進し、平成16年度にも事業着手できるよう最大限努力していくといった内容でした。

 疑問点の第1点目は、プロジェクト調整とスタミナの問題です。
 この事業が仮に実現するとしたら、平成16〜18年度が事業期間ということになるのでしょうが(エンティアムの計画では平成19年開業)、同期間はメセコンの事業スケジュール(平成16〜18年度)と全くオーバーラップしています。メセコンの事業費は235億円(土地129億円、規模縮小後の施設整備106億円)、ヤードの市負担分は208億円(土地123億円、公的支援50億円、周辺整備35億円)です。これだけの事業規模を持つプロジェクトが同時並行で動くとは思えません。
 ましてやこの時期には、広島南道路など指定都市高速道路(関連道路整備)や新交通西風新都線(親道路)などが本格投資の時期を迎えるし、Bブロックや総合リハビリセンター、安佐南工場建替などの事業も待っているわけです。とても進度調整などで対応できるようなものではありません。
 こうしたプロジェクトの調整作業を一切行わず、あたかも「貨物ヤードは動き始めそうだ」という印象を市民に与える答弁は、その場さえクリアできればいいという無責任極まりないものであり、まさに詭弁だと思います。

 第2点目は、打ち出し方の問題です。
 市長は平成16年度着手の可能性を打ち出しましたが、土地問題が一向に進展しておらず、事業が実施できるかどうかさえ不安定な状況なのに、具体的な平成16年度着手というのはあまりに唐突です。
 今やるべきことは、できるかどうかもわからないスケジュールを示すより、平成15年度予算の中で具体的にどのように取り組んでいくのか明確に「頭出し」していくことではないでしょうか。その方がエンティアムにとっても事業継続していくための担保になると思います。これが示せないのであれば、12月10日の答弁の内容は、極言すれば「エンティアムが撤退しても仕方ない」と言っていることと同じことだと思います。

 第3点目は市民球場の問題です。
 仮に平成19年に貨物ヤード跡地に新球場が完成するとしても、それまでの間、現在の市民球場に何も手をつけないというわけにはいきません。スコアボードや照明などは更新時期にきているし、プロ球団が使う球場としては改修工事が必要です。第1点目で述べた「プロジェクト調整とスタミナ」の問題の中には、当然、現市民球場の改修費も盛り込まないといけません。
 貨物ヤード跡地と市民球場の所管局、つまり都市計画局と市民局がバラバラに対応していては資金計画も非効率で無駄が生じてしまうのではないでしょうか。この辺の整理なくしては、事業のGOサインは出せないのではないでしょうか。

 今計画されている全てのプロジェクトに言えることですが、横の連携がとれていないから行財政改革が進まないし、新規のプロジェクトも打ち出せないわけです。「当局の予算を他局に使ってほしい」というくらい横の連携が密になれば、本当の意味での改革が進むと思います。
 こうした取り組みを行わずして、貨物ヤードのスケジュールだけをちらつかせているのは、土地問題の決着(補助・起債の手法や、公社から民間への貸付という特例措置の適用)に本格的に取り組むことよりも、来年2月を意識した口先だけの約束を発信しているとしか思えません。
 今、市民が元気のある広島市の再生を望んでいるとすれば、言葉だけでなく、一歩ずつ前進していることが確認できる事実が必要だと思いますが、皆さんはどのように思われますか。


  (追伸)

 もし、仮に現市民球場が貨物ヤード跡地に移転すると仮定したとき、紙屋町、八丁堀地区には県庁の移転という大きな問題も抱えています。
 市民球場と県庁がもし同時に移転すれば、広島市の中心市街地の空洞化は現実のものになり、都市の再生どころか、市の活力低下は避けられないものになると思います。
 こうした対応を、県・市・経済界・市民がもう一度胸襟を開いて話し合いをし、事業を進めていただきたいと思います。

  (※12月13日追加(貨物ヤード跡地利用構想の進展))
 12月13日のディリースポーツに、チーム・エンティアムと広島市が協議し、オープン球場建設で計画を進めることで合意し、平成16年度にも事業着手するとの記事が掲載されていました。
 この事業は、現時点では市の基本計画にも実施計画にも具体的な整備内容や事業費は盛り込まれていません。事業を進展させるためには、両者の基本合意はもとより、まず新年度予算に、事業の具体性を持たせるための調査検討作業にかかる経費を計上しなければなりません。
 今現在、用地取得の目処さえ立っていないのに、1年飛ばして、いきなり平成16年度から事業着手という表明だけでは行政が約束してくれたとは思わないでしょう。
 例えば、民・民の大きな約束事であれば、トラブルを起こさないよう契約書を作成しますが、官・民でトラブルが多いのは口頭により約束が交わされているからとも言われています。
 この事業で、官と民の約束を担保するためには、少なくとも新年度予算に新規事業として何らかのものが反映されない限り、事業が頓挫する恐れがあるのではないでしょうか。

  (※12月18日追加(市長選出馬表明について))
 12月18日の記者会見で、市長は次期の市長選挙へ出馬する意向を表明されました。しかし、マスコミで報じられているように、前日の本会議開会直前に、市長から助役を介して議会の場で出馬表明させてほしい旨の申し入れがあったわけです。
 これまで議員が議会の一般質問の場で、市長の政治姿勢を問う中で出馬の意向を質問し、それに対して市長が出馬するかどうかを答えた例はあります。現に、9月定例会では2名の議員が質問しております。その時の答弁は事務的な誠意のない答弁であったことや、11月28日の定例記者会見で「1期でやめる首長は少なく、2期目も続けて出ることが多い。」と発言していることなどから、12月定例会には誰も質問しなかったのではないかと思われます。
 だからと言って、今回の申し入れのように、そもそも議事日程に上げられていない本会議の場で、自分の選挙のために新たに発言を求められたことは広島市議会には先例がありません。行政報告や不祥事の陳謝であれば先例もあり発言を拒むものではなくむしろ必要なことだと考えますが、議会の主な役割は予算などの議案を審議、議決する場であり、個人の政治運動のために議会の場を利用することは許されるものではないということを認識していただきたいと思います。
 議事運営上好ましくないこの申し入れを断ったのは言うまでもありません。昨日の本会議の開会が30分程度遅れたのは、こうした背景があったからです。