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(No.25) 平成14年11月 5日 『電子投票導入の経緯』

 安芸区では来年2月の市長選挙で電子投票が実施されます。この電子投票システムのレンタルの指名競争入札が10月23日に行われ、電子投票普及協業組合が落札しました。
 電子投票が導入されるに至ったここまでの経緯を簡単に紹介いたします。

〔電子投票法案成立の大まかな流れ〕
○ 平成13年11月9日、「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律案」が閣議決定され、国会に提出されました。
○ この法案は、衆議院での審議において、経費の関係から政令指定都市の行政区単位での導入ができるように修正されただけで、本質的な議論のないまま平成13年11月30日、参議院本会議において全会一致で可決、成立しました。

〔電子投票をめぐる攻防〕
○ 平成13年3月、広島市は「電子投票システム」の実証実験を、市内の身体障害者療護施設で行っています。テストは特別養護老人ホームなどで行われ、結果は経済産業省に報告されたそうです。
 なぜ、総務省ではなく経済産業省に報告するかというと、この実験を行った電子投票普及協会(代表・宮川隆義政治広報センター社長)が行っている電子投票機による『投票バリアフリー』の実証実験は、経済産業省の「電子投票機の身体障害者バリアフリー化」事業を同協会が受託(平成12年度)したことによるものだったからのようです

〔いずれ1000億円の産業に〕
○ 当初総務省が試算した投票機は米国製機器をモデルにしていたそうです。「投票機は、いずれ国政選挙に導入されて1000億円市場に膨らむ。」「最初に米国製品を導入すれば日本のIT産業は入り込む余地がなくなる」と危惧する声も聞かれていたようです。
○ ある国会議員は「電子投票の導入は巨大な利権そのものだ。」と分析し、「投票機の機種選定や入札は透明性をもたせ、監視しなくてはならない。」と言う声も聞かれていました。

〔電子投票普及協業組合とは…〕
○ 電子投票普及協業組合は、電子投票の普及啓蒙を行うために結成された電子投票開票システム研究会(平成元年結成・国会議員グループ・会長は森喜朗氏や塩川正十郎氏)と電子投票普及協会(平成11年結成・企業グループ・代表は宮川隆義氏)を母体として、組合員が開発した電子投票機器の販売等を行うために平成13年5月に設立されました。
 組合員は、叶ュ治広報センター(宮川隆義社長)、鰍mTTデータ、潟rクターデータシステム、潟Zキュアテックです。
○ このうち、叶ュ治広報センターは、平成9年から、同社が開発した電子投票システムの特許権を事業化するため、超党派国会議員連盟の電子式投開票システム研究会とタイアップして、投票システムの普及事業を国内外で開始しています。
○ なお、秋葉忠利広島市長は国会議員時代に、超党派で構成する「電子式投開票システム研究会」の副会長を務めた推進派の一人です。平岡前広島市長の時代には、電子投票の実施について要請されたようです。

※ 電子投票が導入された背景には、どのようなやりとりがあったのか、ご関心のある方は、次のアドレスにアクセスしてみてください。
  http://www.jj-souko.com/elocalgov/contents/c023.html
      …[公職選挙法改正への経過]  
↑ここをクリックしてください

<なぜ安芸区だけなのか>
 9月議会では、「全市でやったらどうか」という質問に対し、「投票機器が足らないから」という答弁でした。一方、「来年の統一地方選はどうするのか」という質問に対しては、「県選挙管理委員会と協議しながら進めていく」と答えられました。
 メーカー全部の投票機器を集めても、広島市に必要な台数は集まらないと言っておきながら、県と協議を進める、というのはどういう理屈なのでしょうか。当初、複数の区で実施すると聞いていましたが、1区1社にされたのは、何か特別な事情でもあったのですか。なお、県の選挙管理委員会は、その後、導入は時期尚早ということを表明しています。
 また、不在者投票の扱いについては、1月の通常国会で検討されるという趣旨の答弁をされましたが、法改正されていない段階の見切り発車です。投票方法が違うことによる違法性は生じない、公平性の面からも問題ない、との解釈のようですが、どこに急いでやる必要性があるのでしょうか。行政として、体系的に確定していないものを実施することに、問題意識は持たれないのでしょうか。
 選挙は、選挙人にとっても、被選挙人にとっても神聖なものであり、モデル的な社会実験として実施するものではありません。

<広島市の入札状況>
 電子投票普及協業組合  22,066,228円(落札)
 鞄月ナ中国支社     64,790,000円
 日本電気樺国支社   39,236,280円
 潟サシ中四国支店   (辞退)

<新見市の入札状況>
  電子投票普及協業組合   2,625,000円(落札)
  富士通機電梶@      (不明)


  (追伸)

 11月1日の中国新聞に、貨物ヤード跡地の活用策についての市長インタビューが掲載されていました。「屋根架けについては、情報公開しながら市民の理解を進めていくことが大切」「政治決断という言葉は格好はいいが、ヤード跡地を活用する目的は私個人が評価を得るためではない」といったコメントがありました。
 この貨物ヤード跡地問題については、屋根架け議論だけが先行していますが、この事業の基本となる部分、つまり、市土地開発公社からの用地の取得、第三者に転貸する法的根拠等の課題を解決しなければ、貨物ヤード跡地利用策は前に進みません。
 市民の理解を得ることも大切ですが、これまでの検討経緯からして、現在は、もはやそういった段階ではありません。現時点での最大の課題である土地の取得の時期、方法を明確にすることが為政者としての責務であり、政治決断することが、『最高責任者』としての市長の仕事のはずです。
 市長の言っている「市民の理解…」「私個人が…」はいずれも逃げの言葉であり、さらに言えば、市長は、いつでも、どこでも公人であることを認識してほしいと思います。

  (※11月7日追加(米中間選挙について))
 11月6日の読売新聞に、米中間選挙における電子投票による混乱ぶりが掲載されていました。「5400万ドル(約65億円)をかけ、計2万2000台のタッチスクリーン式電子投票機(1台約30万円)を導入したが、各地の投票所で機械が立ち上がらなかったり、投票している最中にフリーズしたりするケースが続出。そのため、投票用紙に書き込む従来の方式に切り替えた。」「2000年大統領選の混乱が繰り返されないよう、今回は司法省や民間団体が監視員を派遣するなど、紛争地や途上国なみの『監視選挙』となった。」という内容です。
 広島において、どれだけ安全に、確実に、遅滞なく投開票が終えられるのか、不安なところもありますが、元電子式投開票システム研究会副会長としての経験を踏まえ、十分な事前準備と体制整備に期待します。