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(No.17) 平成14年8月7日 『原爆ドームの保存』

 ヒロシマは、この半世紀あまり、核廃絶と世界恒久平和に向けた訴えを、他のどの国よりも、他のどの自治体よりも先頭に立って数多く発信しています。
 しかし、もう一つ、世界に向けて被爆の証を示し続け、しかも忘れてはならないものがあります。それは、原爆ドームをどのように後世に残していくのかという問題です。
 平成8年に世界遺産に指定された原爆ドームを残していくことは、単に被爆の継承、平和の訴えの象徴として残すという意味だけではありません。長い人類の繁栄と共生という歴史の流れの中で、一瞬とは言え、原爆を使用したことにより人類が破滅しかねない20世紀の象徴的な出来事として、後世にその姿を残し、人類の反省を促す、いわば平和の原点とも言うべき普遍的でその重みも非常に大きなものがあると思います。
 原爆ドームの保存については、昭和42年と平成元年に保存工事が実施され、健全度調査も行われているようです。平成11年には文化財としての保存整備計画も策定されていますが、恒久的に残していく本格的な保存プログラムになっているのでしょうか。合成樹脂による加工は、確かに加工した部分は保護され、自然風化は防げるわけです。しかし、大地震に対する崩壊の恐れについては、どのような対応を考えられているのでしょうか。
 原爆ドームは、大正4年の建物であり、当然杭打ちの構造でもなく、耐震性に優れたものではありません。デルタ地帯の砂地の上に浮かんでいるようなもので、大地震や水害による護岸の損傷による崩壊の恐れすらあります。
 平成13年には広島市域で震度5強の芸予地震がありましたが、地震国日本では、今すぐ起きてもおかしくない東海地震や、これと連動して発生する可能性もある安芸灘地震、四国沖の南海トラフで起きる巨大地震等、地震により崩壊する危険は十分はらんでいるわけです。
 同じ世界遺産に指定された宮島は木造であり、修理も可能です。しかし、原爆ドームは鉄骨パイプで補強されているとは言え、レンガ造りであり、崩壊したら修理は困難ではないでしょうか。人命には関わりがないからといって、瓦礫の山にしていいものではありません。
 本来は、世界遺産指定のときに併せて検討すべきだったのでしょうが、平和の発信地として一番大切な原爆ドームを、恒久的にあるがままの姿で残すことが、被爆者だけでなく、全世界の人が願っていると思いますが、皆さんはどう思われますか。

  (追伸)

 この度の平和宣言において、「和解」、「寛容」という言葉が世界に向けて発信されました。
 広辞苑によると、「和解」とは「相互の意思がやわらいで、とけあうこと」、「寛容」とは「寛大で、よく人をゆるし受け入れること」と説明されております。
 しかしながら、これまでの市長の行動は、決してこれらの精神を踏まえたものとは言い難いものがあります。
 皆さんは「隗(かい)より始めよ」ということわざをご存知ですか。中国の郭隗(かくかい)という人の言葉で「何事も、言い出した者から始めよ」という意に用いられております。
 市長は、このことわざのように、まずは自らが率先して実践すべきです。そして、自分の発した言葉に責任と重みを感じていただき、「決断」と「実行」へ転じることの大切さを、今一度自らの胸に問い掛けてほしいと思います。