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(No.15) 平成14年7月17日 『交通対策と都市づくりについて』

 広島のまちづくりについて、以前は西高東低という言葉がありました。
 しかし、とりわけ道路に関しては、東部方面は東広島バイパスが急ピッチで進んでおり、海田町も合併すればより事業の推進は図られると思われます。広島南道路も、宇品地区は順調に進んでおり、鷹野橋宇品線までは今年の秋には暫定供用されると聞いております。

 問題は、西部方面の交通対策です。現在は、霞庚午線と国道2号で主たる交通量をカバーしていますが、当然ながらこの2本では、現時点での交通量にも対応できていないし、特に西飛行場周辺のデルタ流入部は慢性的な交通渋滞で、通勤・通学はもちろん、経済活動に大きな支障を来たすだけでなく、都市環境や都市のイメージの面でも多大な損失を被っていると思います。

 西部方面の交通量をさばく交通計画の柱は、広島南道路と2号高架ですが、いずれもトップがGOサインを出さないことから、前に進まない状態になっています。
 広島南道路は、言うまでもなく太田川放水路の渡河部の構造と江波地区のルートの問題です。渡河部の構造については、沈埋トンネル(地下)か橋梁(高架)かという手法に、事業費の多寡と飛行場の機能問題という議論がありますが、決断するにあたっては、環境に配慮する視点をもっと重要視すべきではないでしょうか。橋梁にすれば飛行場の沖出しが必要になりますが、今の時代に、瀬戸内海環境保全特別措置法の厳しい制限がかかるこの区域を、単なる機能維持のために埋立てるというのは、十分に説得力のある埋立必要理由にはならないと思います。また、埋立ては、環境アセスメントや港湾計画への位置づけ、埋立免許申請など着工までの手続きに相当な期間を要することから、その後の埋立工事と飛行場機能の整備ということを考えると、橋梁そのものの着手時期というのはかなり先のことになるのではないでしょうか。加えて、埋立事業費も詳細な測量や補償費の試算をしてみないと、現時点で示されているような試算値から大幅に増加する恐れもあります。
 また、江波地区のルートについては、街を分断することについての反対意見があるようですが、既に用地の先行取得も一部行っており、必ずしも反対意見が大勢を占めているものではありません。100人中100人の賛成を待っていたのではいつまで経っても前に進みません。反対、賛成の意見がある中であるべき方向を決断し、前に進めていくのがトップが成し遂げるべき仕事ではないでしょうか。市長が行っているのは、決断をするための検討をしているのではなく、決断を遅らせるために検討を長引かせているとしか思えません。
 私は、既に、都市計画審議会で広く学識経験者や住民代表の意見を取り入れて審議決定した重みを再認識して進めていくべきだと思っております。

 2号高架も計画どおり早く平野橋まで通すべきです。これも環境問題など地元コンセンサスが得られていないことを理由に着工の先送りがされていますが、平野橋までの全線高架延伸を図らないと、高架道路への出入口の数も現在と変わらず、本来の目的である西部方面の渋滞解消にはつながりません。また、環境問題を言われていますが、防音措置を施した高架の方が通過交通がさばけ、騒音のほか大気やCO2など環境面トータルで影響が少なくなるのではないでしょうか。

 これらの2本柱に加えて、吉島観音線の2号バイパスまでの延伸も早く計画決定できるよう検討を進めるべきです。旭橋と庚午橋の間に橋を架け、都心と連絡し、大型車通行禁止のコミュニティ道路にすれば、地域間交通だけでなく広域交通も補完する優れた機能を発揮できるのではないでしょうか。そうすれば、地元発生分の交通量もかなり吸収でき、国道2号の渋滞もかなり緩和できると思います。

 こうした動脈の整備は、単なる交通の円滑化だけでなく、都市機能の強化つまり都市の発展という観点からも早急に進めないと、広島の活力低下という問題がいつまで経っても払拭できない根本の課題だと認識しております。そういった意味から、一歩一歩着実に進めるための決断が必要と思いますが、皆さんはどう思われますか。



 (追伸)

 研修センター所長から幹部職員にわざわざ配られた『ぎょうせい』が出版している『ガバナンス』という雑誌があります。その中で、市長は、政策決定プロセスを合理化することの必要性を唱え、その中で「現在広島市が抱える重要な問題の中には、かつての決定事項が大きな政治課題としてくすぶり続けているものがある。」と発言されています。
 その中身は、空港存続に係る問題で、「本郷に移転したことで、本来空港問題は解決しているはずなのに、空港跡地委員会で空港機能を残すことに決めたため、おかしなことになっている。」「将来を見据えた合理的な判断によって事業決定されたのであれば、こういう結果にはならなかった。」「これが公共投資が行われながら、基盤整備が進んでいない状況の例であり、市民の総意に基づいた民主的な決定方式にするため、プロセスも含めて大事にするシステムづくりに変える。」といった内容です。
 これには、2つの疑問を感じています。
 一つは、この発言では、市長は西飛行場という空港機能を否定されていますが、現在市長が行っている空港存続・振興策との関係はどのように説明されるのでしょうか。
 もう一つは、市長の言う「民主的で合理的な政策決定プロセス」というのは、この空港問題で言えばどのようにすればよかったのか、ということです。
 1点目は、過去の重要決定事項を評価することは致し方ないとしても、現在の施策の方向とは全く逆のことを軽々に発言してもよいのでしょうか。
 また、2点目は、市長の言う「おかしなこと」にならないためには、どういうプロセスがあり得たのか、明快に説明していただきたいと思います。