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(No.05) 平成14年2月18日 『新年度予算と学校週5日制について』

 2月4日以降、私のホームページでは、いくつかの問題を投げかけてきました。「女性助役問題」では、女性助役の是非以前にまず議論していくことの必要性を、「貨物ヤード跡地利用構想」では、整備目標や街づくりの方向を明確にするための実行手順の必要性を、そして「暴走族対策」では、取り締まりの強化など追放のための根幹となる条例の必要性を、それぞれ提起してきました。
 ここでは、新年度予算を見て、もう一つ大変気になっている学校週5日制について、私の考えを述べてみたいと思います。

 ご存知のように、この4月から学校は完全週5日制となります。
 学校週5日制は、学校・家庭・地域の一体となった取り組みの中で、それぞれが特色ある教育機能を発揮することを目的に導入する制度だと認識しています。
 「学校」においては、各学校毎に創意工夫を凝らした学習機会、「家庭」においては、生活や自然体験を通した考え方、学ぶ力を身につける機会、そして「地域」においては、社会体験を通じてこれからの社会に生きる自覚を体得する機会といったように、それぞれの教育機会を子供たちにバランスよく与えることが大切なのではないでしょうか。このことにより、学力だけでなく、豊かな心やたくましさを育もうという考え方だと思います。

 しかしながら、学校週5日制の導入を心配している学校関係者や保護者は85%を占めているという調査結果があります。心配な理由は、「生活が乱れる」「学力が低下する」「テレビやゲームの時間が増える」「地域の対応が不十分」といったように、導入を控え、少なからず動揺があるように見受けられます。

 つまり、この制度には2つの大きな問題が未解決のまま、実施されようとしているのだと思います。
 一つは、言うまでもなく、学校が6日から5日になることによる学校サイドの授業時数や指導内容といった問題、もう一つは、1日から2日になる休日における家庭や地域などの受皿の問題であります。

 一つ目の問題については、次のような声も聞いています。
――新しい制度の中で、教員はこれまでの固定した時間割の枠組みの中で安易に日々を過ごしてはいられない。だからこそ、学校現場においてはそれに対する前向きな意識が欲しい。例えば、今までは、どの教科も年間35週学習すると仮定して、年間時数から割り戻した週の教科時数が設定されていた(週時数=年間時数÷35)。つまり、時間割にそって教育課程をこなしていけばコトが足りている、という誤解があった。しかし、新教育課程では、これまでのようなわけにはいかず、毎週の時間割、月毎の時間割を組み合わせて策定しなくてはならない。しかし、現状は、そこまでの体制が進んでいない学校が多い。今しなければならないのは、こうした体制を確立することと、各教科を評価する基準を明確にすることであり、なおかつ、それらの策定は今の時期にしなくてはならない。そういう重要な時期にもかかわらず、その指針すらないままで1学期を迎えようとしている。――といった問題提起であります。

 各学校がそれぞれの実情を踏まえて、授業時数や学校行事、ゆとり時間の活動など工夫や改善を凝らして総合的に見直していくことの重要さはわかります。しかし、今のままでは学校間の格差が生じてしまい、本来目指すべき「ゆとりの中での特色ある教育」とは違った展開になるのではないでしょうか。
 少なくとも、制度導入の主旨や目的を達成できるような『指針』を示すべきと考えますが、広島市の教育委員会は何か考えているのでしょうか。具体的なものが何も見えてきません。混乱回避だけでなく、教員の意識啓発の観点からも、『行政』の積極的な姿勢を強く望みます。

 二つ目の問題は、家庭や地域など受皿に関わることです。これは、日々の生活や子供同士の遊び、地域の活動、自然とのふれあいなど、子供たちとの多くの接点や活動の場が必要となります。こうした受皿づくりは一朝一夕にできるものではありませんが、その機会の充実に向けて、地域の『関係機関』などと本腰を入れた取り組みを行わないと、狙いとしている「生きる力」を子供たちに身につけさせることはできません。

 私は、こうした2つの心配事をしているわけですが、新年度の予算を見ても、青少年の体験交流広場モデル事業など2、3の支援策が計上されているだけです。とても本腰を入れた取り組みにはほど遠い内容ではないでしょうか。
 冒頭に述べたように、この問題は、学校・家庭・地域が一体となって取り組むべき「改革」です。にもかかわらず、現場には「教員の労働時間の短縮が先決」「地域ともこれまでの延長線上でいいのではないか」といった感覚に浸っているのではないでしょうか。
 学校でも議論がなく、地域でも関心がない……。このままでは、「皆でこれからの時代を担う子供たちを育てていこう」という制度導入の狙いはどこかに置き去りにされてしまうのではないかと大きな不安を抱いています。

 今、学校は、いじめ、不登校、学級崩壊など様々な問題を抱えています。学校週5日制が導入される新年度を間近に控えて、学校現場などにさらに大きな混乱を生じさせないよう、今すぐ、学校―家庭―地域の連携の輪に『行政』『関係機関』が加わるなど、本腰を入れた取り組みをしていくべきだと考えます。
 また、近々、文部科学省もモデル的な指針となる「手引書」を出すとのことでありますが、各学校・地域の実情を踏まえたものにするため、よりきめの細かい指針が現場サイドで求められると思います。
 今は、何よりも子供たちのため、関係者が一体となって早急に『指針づくり』などに取り組んでいく必要があると思いますが、皆さんはどのように思われますか。