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(No.02) 平成14年2月4日 『女性助役問題』

 私たち市議会議員は、市民生活に関係する様々な問題を話し合い、広島市の方針を決定しています。
 一方、市長は、計画を立てて予算や条例などを市議会に提案し、市議会での審議、議決を経て、仕事を行うこととなります。
 市議会は、市長とその役割の違いはあっても対等な立場で、お互いを尊重し、けん制し合いながら努力をしているわけです。
 ここでは、現在新聞などで話題になっている「女性助役」について、私なりの意見を述べてみたいと思います。

 まず、第一に、現在の広島市には解決すべき課題を数多く抱えておりますが、この課題と「助役人事」が結びつくものでないといけません。
 皆さんご存知のように、貨物ヤード跡地や駅前再開発など未来を見据えたまちづくり構想は決着を見ないままです。総合リハビリセンターも着工の目処が立たず、各区の地域福祉センターも一部は着工したものの、その後の予定は厳しいと言わざるを得ません。皆さんの生活に密着する道路、交通、福祉、介護といった事業も、これまでのようなスピードは望めません。
 厳しい財政状況の中、これらの仕事を、何を優先してどのように進めていくのか、という交通整理が最も大切な時です。
 今後、こうした交通整理を行い事業を着実に推進していくに当たっては、組織体制として第三助役が必要であるということが、市民に説明できるものでなければなりません。

 第二に、経費と時期の問題です。
 現在、広島市は厳しい財政を踏まえ、市役所全体で職員を700人削減したり(H9〜15)、給与の5%カット(特別職等)、経費の15%節減(普通建設事業費)など行財政改革を進めているところです。助役一人のための経費は少なく見積もっても、年間で4〜5,000万円が必要になります。
また、現在の経済は、完全失業率が5.6%となり(全国ベース)、4ヶ月連続で過去最悪を更新しているという状況です。市議会では、12月定例会で、雇用対策費として4,500万円を可決したところですが、少しでも市民の皆様の生活の不安をなくそうと一体となって努力しているところです。
 このような社会情勢の中で、しかも市は行財政改革の真っ只中という時期に、今回の第三助役の問題は疑問と言わざるを得ません。
 加えて、助役人事を決めようとする3月と申しますと、市長の残りの任期も11ヶ月となる時期です。何故この時期に突然提案しようとするのか、明快な理由が必要です。

 第三に、議論の進め方の問題です。
 確かに、近年、女性の社会進出は目覚ましいものがあります。女性の市議会議員も全国的にかなり活躍されています。このような中で、広島市にも女性助役を、ということでありますが、議論すべき順番としては、まず、三人目の助役の必要性ということではないでしょうか。
 先にも述べましたように、「こういう仕事をしていく必要があるから、このような組織、人事にしていきたい。」という説明があって、それを受けて、様々な角度から総合的に議論していくべき問題なのであります。
 その議論の過程で、問題点があれば軌道修正していくことも必要でしょうし、その中で、「女性助役」ということだけでなく、「公募制」ということにも議論が向けられると思います。
 今回の最大の問題は、そういった過程を経ずに、突然「女性助役」と言い出し、走り始めた点です。

 以上のような観点から、議論を深めた上で、市長から「助役選任の同意案」が議会に提案され、その人が助役にふさわしい人かどうか、といった最終的な審議、議決を経て、方針が決まるわけです。

 このように、議会と市長は、お互いの意見を聴き、議論し、支え合っていくことによって、前に進むわけです。つまり、車の両輪のごとく回転することで、広島市の行政の舵取りが可能となります。一方が他方を無視してしまうと、決して望ましい方向に進めません。

 今回のようなことを防ぐため、昨年、あることをきっかけに、市議会6会派の幹事長がそろって「今後は、よく連絡調整をとりながら進めてもらいたい。」と市長に申し入れをしました。その時、市長は「今後、そのようにする。」と答えています。
 「よく連絡調整をとる」ということは、意思形成過程を如何に大切にするか、ということだと思います。今回の突然の『事件』は、「女性助役」の是非を議論する以前の問題です。女性助役をつくるための助役三人制であってはなりません。仮に、どうしても助役が三人必要とするならば、来期、市長が市民の皆様から信任された後、その必要性を訴えられるのが本来の姿ではないかと思います。

 皆さんは、どのように思われますでしょうか。冷静な目で、市政の進め方を判断してみてください。